【自転車競技部】全国の厚き壁、終わらない挑戦

◆文部科学大臣杯 第74回 全日本大学対抗選手権自転車競技大会 ロード競技◆

大会3日目 9月2日 長野県大町市美麻地区 公道周回コース

長野県の大町市で行われたインカレロード。全選手がこの大会を照準に練習していると言っても過言ではない大きなレースだ。今年の記録的な猛暑の面影を感じない涼しい気温の中でレースは行われた。立大からは澤部(済4)、橘田(現3)、金子(済2)、北井(営2)、田部(観2)が出場した。コースは1周約13㎞×13周、総距離約170㎞にも及ぶ。コース設定としては、180度ターンや自転車が2台ぎりぎり通れるくらいの狭路があり、とてもテクニカルな設計になっている。またゴール前には勾配が大きい長めの坂があり、いかに体力を温存して走るかが重要となってくる。

1周目、テクニカルなコースに慣れていないためか早くも落車が発生する。立大の選手は巻き込まれなかったものの、別の場所で北井と田部が接触。田部のホイールが故障し早々に集団から離脱する。集団からは他大の選手がアタック、逃げ集団を形成する。

2周目、逃げ集団を追うためかメイン集団のペースが上がる。元々上りが得意ではない金子、橘田が集団から遅れ始める。1周目で集団から離れた田部はここでDNF、不完全燃焼のままレースを終えた。

3周目は逃げ、メイン集団共に大きな変化はなく4周目に突入する。レース序盤から苦しんでいた金子、橘田はこの周回でDNF。残るメンバーはこのロードレースに照準を合わせてきた澤部、北井。

5、6周目も集団に大きな変化はなかったが、北井が遅れ
始める。

7周目、メイン集団が逃げ集団に近づき、他大の有力選手によって一度緩んだペースが再び上がる。6周目で遅れてしまっていた北井はここでDNF。残るは主将・澤部のみとなった。

8、9周目もメイン集団は逃げ集団に追いつく勢いで進む。何周にもわたる高速巡航により澤部が集団から遅れ始める。

10周目、集団復帰は叶わずついに澤部もDNF。トラック競技での橘田のオムニアム7位入賞という最高の成績に始まった立大自転車競技部の今年のインカレは幕を閉じた。

「次元が違った」、橘田は試合後のインタビューでそう述べた。完走者が171人中32人という事実と、インカレ経験者から出たその言葉は今年のインカレロードのレベルの高さ、過酷さを物語っていた。他の選手も同様だった。しかし選手たちはそれぞれの次のレースへ向けてすでに気持ちを切り替えていた。また今大会は主将・澤部の7年間にも及ぶ競技人生のラストレース。完走はできなかったが立大の選手のもとへ戻ったときには「やりきった」と清々しい顔をしながら話していた。

結果は決して満足できるものではなかったとしても前向きにとらえることのできる自転車競技部。彼らの挑戦はま
だ続く。

(9月13日 澤部衛)

◆コメント◆
主将・澤部
―どうだったか
きつかった、2周目のヘアピンが予想よりはるかにきつくて、そのあと道が狭くなるところが辛かった、そこでもう少
し耐えられればっていうのが後悔だった。
―最後の試合でしたが
最後の試合だから限界を突破できた。
―目標はなんでしたか
無理だと思ってたけど完走かな、現実的な目標は10周だったのでそれは達成できました、客観的に自分の実力を
捉えられるのが自分の強みなので当たりましたね。
―作戦はなんでしたか
とにかく序盤我慢して、補給とかの技術は身についてるから、あとは行けるところまで行くって感じかな。
―どういう練習をしてきましたか
森の中を走る集団

上り後のカーブを曲がる澤部

就活終わって6月くらいから復帰してからとにかくとにかく距離を乗った。外乗れない日や夜はローラー(自転車競
技の室内トレーニング器具)に乗った。
―主将として
ロードにおいてチーム内では最近一番走れてたので、自覚を持って走った。
―試合前部員に言ったこと
ないですね。
―監督には何を言われたか
序盤はどの大学も前に行ってペースを上げるから楽についていけるように位置を上げるよう言われました。
―立大はどういうチーム
とにかくフランクなチーム、上下間の縛りは0。
―7年間の競技人生を振り返って
後悔は全くしていない、自転車という打ち込めるものが見つかってよかった、この自転車競技によってかけがえの
ないものが手に入れられた。

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