【野球部】紫合戦第2ラウンドは連日の延長戦突入も…。さらば松﨑立教、来季の雪辱誓う

平成30年度東京六大学野球春季リーグ戦

10月21日 対明大2回戦 明治神宮野球場

神宮に吹いた厳しく冷たい風が、冬の到来を感じさせた。

(立)田中誠、比屋根、●手塚―藤野
(明)竹田、石毛、中村、髙橋聖、○中山-西野

立大メンバー表

10 松﨑 健造 (文4=横浜)
17 橋本 敦也 (済4=大分上野丘)
11 江口 奨理 (営3=浦和学院)
18 田中 誠也 (コ3=大阪桐蔭)
19 手塚 周 (コ3=福島)
15 中川 颯 (コ2=桐光学園)
22 比屋根 雅也 (営2=興南)
21 川端 健斗 (コ1=秀岳館)
12 田崎 秀征 (済4=長崎西)
27 藤野 隼大 (営3=川越東)
24 竹葉 章人 (コ2=龍谷大平安)
7 飯迫 恵士 (社4=神戸国際大附)
6 林田 景太 (観4=島原)
26 冨永 魁 (コ2=桐蔭学園)
5 吉田 純也 (コ3=中央中等教育)
25 林中 勇輝 (コ2=敦賀気比)
13 笠井 皓介 (済3=桐蔭学園)
31 敷名 丈弘 (社2=神戸国際大附)
20 寺嶋 優磨 (コ1=東農大二)
1 種田 真大 (営4=大垣日大)
2 井上 和弥 (コ4=履正社)
8 寺山 寛人(社4=神戸国際大附)
32 小野 大成 (文3=横浜)
41 佐藤 大輝 (済3=清水東)
3 三井 健右 (コ2=大阪桐蔭)

打撃成績

投手成績

初回から紫のプライドがぶつかり合った。47試合ぶりの猛打賞をマークした飯迫(社4=神戸国際大附)、種田(営4=大垣日大)がともに左前安打を放ちいきなり先制。しかし明大も負けじと四球を含む4人の出塁で2点を返し逆転、そこに立教がさらに1点を返し試合を振り出しに戻す。

8回同点の本塁を踏んだ松﨑。次打者の種田と笑顔のハイタッチ

だが、惜しかった。制球に苦しんだ田中誠(コ3=大阪桐蔭)は5回にヒットと2つの四球、さらには守備でのエラーも重なり二死満塁のピンチを迎える。笠井(済3=桐蔭学園)の守備にも助けられ、ピンチを切り抜けたように思われたが、6回に再び3つの四球を出し、押し出すかたちで1点を献上してしまう。打線もあと1本が出なかった。この日はチーム二桁安打を記録するも、残塁は12。「ここで打てていれば」と思わざるを得ない場面がいくつもあった。

迎えた延長、今度は立教が二死満塁のチャンス。だが、またもや軍配を上げたのは明治だった。佐藤揮(済3=清水東)の二飛で攻撃を終えたその裏、明大・森下智(4年=米子東)の犠飛に泣いた。その点は喉から手が出るほど欲しい、手に入れられなかった1点だった。

「雪に耐えて梅花麗し」これは、西郷隆盛がイギリス留学する甥に向けて書いた五言律詩の一節である。冬の厳しい雪に耐えてこそ、春は美しい梅の花が咲く。苦難や試練を乗り越えた先に、人は大きく成長するというたとえである。立大はこれから寒さの厳しい冬を迎える。「この負けを背負って戦わないと」と主将・松﨑(文4=横浜)が語るように、負けに目を背けることなく、正面から向き合っていかなければならない。つらく、逃げ出したくなる時もあるだろう。しかし、冬を乗り越えたら次に来るのは春だ。心身ともに鍛え抜かれた選手たちの目の前に広がる景色、そして努力のつぼみが開いた花は、きっと美しい。(10月21日・田中優里)

コメント

立大投手陣に欠かすことのできない絶対的エース先発・田中誠#18
「負けたらもう最後の試合で出させてもらいました。先制してもらったのにも関わらず、取ったらすぐ自分が取られるっていう展開で。自分がしっかりやってたら勝てるゲームだったと思うので、申し訳ない気持ちです。結果的にみたら0勝で、1回も勝てていません。悔しいですけど、それが今の実力ってことをしっかり理解します。冬場やって、また春、1年間全部しっかり投げ通せるようにやっていきたいと思います。」

2打席連続の適時打を放った4番種田#1
「5位という結果で悔しいシーズンでした。悔しい気持ちと終わってしまったんだなという気持ちが今は入り混ざっています。今日を最後にしたくないという思いもあったのですが、これがラストという思いで臨んだ試合でした。2本のタイムリーは本当に意地ですね。意地としか言いようがないですけど、出し切るという一心でとにかく必死でした。野球人生が終わりだという実感はまだないです。ただ、これから卒業しても思い出すのはこの四年間のことだと思うので特に同期のみんなには感謝しています。」

副将としてチームを支えた#6林田
「何が何でも今日は勝とうと思って試合に入ったのですが、自分たちの力が最後まで出せなかったので本当に悔しい気持ちしか残っていないです。今年は副将として、自分が不調な時でもみんなに声をかけてチームの雰囲気を良くしていこうと頑張っていました。今後は指導者という形で野球に携わっていこうと思います。」

昨年4月24日の慶大3回戦以来、47試合ぶりとなる猛打賞を記録し、通算84安打で終えた#7飯迫
「終わりの実感がないですね。明日もあると思って試合をしていたので、現実を受け止めきれてない感じです。今日、猛打賞打てたことは嬉しいです。悔いがないように、勝たなあかんという意地で打ちました。通算84安打ですが、入学した時は試合に出れると思ってなかったです。1年から使ってもらって、そこから1試合通して出続けることができたのが誇りです。」

打っては2安打、好守備も光った笠井#13
「今季の目標として、3割打つことがあったのですが、多分あと1本足りなくて。3割に届かなかったのが悔しいです。(5回の好守備は)いつも1本目は意識してるのでバッターのタイミング的にこっちに来るなとは思っていました。(ーー最高学年となる来季について)ここぞの場面での集中力。ずっと集中するというのは無理だと思うので、ここぞっていう場面ではしっかり良いプレーできるようにやっていくことが大事かなと思います。」

田中誠らの投手戦を好リードで支えた正捕手・藤野#27
「あと一本の場面が自分に2回回ってきて、2回ともランナーを返せなかったのが悔しかったです。今日勝てば明日また試合があったわけで、四年生ともっと試合したかったですし、その中で自分が4年生に花を持たせようと役割を果たせればと思いましたが、今日は全く貢献出来なかったので、不甲斐なさしかないです。」

8回に同点タイムリーを放った#3三井
「自分の打席ではなるべく力を抜いた状態で入ろうと思っていました。今日は勝って明日につなげたかったのですが、負けたということは考えながらも、次にどうしたらそういうミスが無くなるのかを考えなければいけない試合だっと思います。今シーズンは優勝を逃した試合に出られないなど悔しいことも多くて、改善点を潰す作業で精一杯でした。来季は絶対に優勝したいので、心身ともに成長して貢献できるバッターになりたいです。」

2番手で登板し好救援の比屋根#22
「今日はピッチングに関しては良かったですけど、最後になってやっと抑えられたというか、もっとできることもあったと思うし、あまり貢献できなかったことは自分にとって悔しかったです。誠也さんから代わったからには全力で抑えたい。気持ちでも負けないように思いきって投げました。(ーー田中誠から継投する際は)「全力で抑えてこい、しっかり投げ込め」という風に言われてて、抑えられて良かったです。(ーーこれからについて)自信を持って送り出してもらえるような、チームから信頼される投手になっていきたいと思います。」

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