【ソフトテニス部女子】インカレ直前インタビュー『2019→2022』石田恵美莉主将

≪森岡・前山ペアのインタビューはこちらから≫

いよいよ今日、3年ぶりとなる全日本インカレが開幕する(競技は9月3日から)。3年生までが初出場となる中、当時1年生だった4年生は最上級生として最後のインカレを迎える。今回は、2019年の団体3位から優勝を目指し続けた3年間や、インカレを控えた心境について話を伺った。

今シーズン主将を務める石田(文4=三重)

※この取材は8月29日に行われたものです。

-3年前のインカレは大学4年間のキャリアの中でどういう位置付けですか

1年生の時で大学に慣れる間もなく大会だったイメージで、思い出っていうよりは初めて大学の全国大会っていうので高校の時とはまた違う緊張感で、楽しかった思い出がすごくあります。(-緊張したけど楽しい)高校みたいなガチガチに怖い雰囲気じゃなくて、大学生らしいって言ったらあれですけど、自由な感じがすごい伝わってきて、1年生だったんで緊張もしたんですけどやっぱ楽しい、大学生って楽しいんだなって思う大会でした。

団体戦準々決勝では、寺戸(20年卒)とのペアで2番手に起用された。初めての殲滅戦は「1本残ってれば勝ちの状況が続くのが新しかった」という

-インカレ団体優勝には強い思い入れがあると思うのですが、開催されなかった3年間はどう過ごされましたか

2年前、私が2年生の時は何で練習してるんだろうとか、今こんだけやっても大会ないのに…不安というか、自分が卒業するまで試合あるのかなとか色々考えながらテニスしてて、もうテニスやってる意味ないのかなとか色々考えたんですけど、次の年に大会もあるかもしれないって状況になって、(土井)あんずさん(22年卒)がキャプテンになって引っ張ってくれたことによって、あるかもしれない大会のために何でやるんだろうって思うんじゃなくて、あるって思ってやらないと自分のためにもならないし、ダラダラしても時間の無駄だなって感じたので、そこでやらなきゃいけないって気持ちを戻せたっていうか…だから先輩たちのおかげです。

-自分はどんな主将だと思いますか

中高大ってやらせていただいて1回も向いてるって思ったことはないっていうか、辞めたいなって思うことの方が多かったんですけど…自分が中心ってよりはチームメイトが中心となって成り立ってるキャプテンです。(-同期の前山さんはザ・キャプテンと評していました)キャプテンは本当に向いてないですね、本当もっと自信というか自由な考え方を持ってる方が向いてる。私が描く理想像とはちょっと違うキャプテンなんで、私にはこれしか出来ない、このやり方が自分には合ってるなって思います。

-今のスタイルを確立できたのはいつ頃ですか

中学生の段階ですごい気付かされて、その時もすごい色んな人に助けてもらった思い出があります。色んなやり方をして、チームメイトとぶつかって教えてもらったって感じです。毎日毎日自分が中心っていうと突っ走っちゃうから(笑)落ち着いて周りの意見をちゃんと聞けるように後ろから見てる方が、私のキャプテン像には合ってたっていうのを中学くらいに気付けましたね。

-理想のキャプテン像に前キャプテン・土井さんを挙げてらっしゃいますが、土井さんから引き継ごうと思っているところはありますか

あんずさんのすごいなって思ってるところはやっぱり“人を引きつける魅力”と“引っ張っていく力”なんですけど、私はそれを真似するってなると難しいと思うんで…引き継ごうと思ったのは一生懸命やる背中で、説得力が増すというか、自分がやってるから他人に言えるっていう自信にもなると思ってて。最低限私にも出来るところだったんで参考にさせていただきました。

石田自身、三重高時代から土井の背中に何度も励まされてきた

-1部昇格・インカレ団体戦優勝に並んで、人間性の面で成長することを部の目標に掲げていると聞きました。どういった意図がありますか

社会に出て行った時に、周りからも認められるし自分で自分のことを尊敬できる人になってほしいなっていう思いがあって目標にしました。高校がキツイって言ったらあれなんですけど、強い環境で3年間やらせてもらって、自分1人で勝ってるってことじゃないのをすごく気付けた3年間でした。本当に当たり前だったんですけど、親が遠い中毎回応援に来てくれてるし学費だったり寮のお金だったりとか、テニスコート行くまでに学校の先生が寝ずに運転してくれる送迎だったりがすっごい大変なことだったっていうのを負けた時にすごく実感させられて。あんなにやってくれたのに負けちゃったんだって思った時に、勝つだけじゃ意味ないし、ありがとうって思ってるだけじゃ結局は伝わってないわっていうのにすごい気付いて、思ったことはやっぱりちゃんと言葉にしてありがとうっていうのを伝えないきゃいけないし、そういうのをずっと胸に秘めて練習していないと失礼だなって感じた部分がありました。そういう風に考えた瞬間にテニスも伸びたし、やらないといけないっていう責任もちゃんとついてきたので。ありがとうの気持ちってどこに行っても大事だと思うので、勝手な願望です。

-大学で本気でやるテニス人生が終わってしまうから、その後のキャリアを考えてのことなんですか

そうですね。しかも、大学までテニス続けてる子って小学校からずーっとソフトテニスを続けてきた最後の4年間って子が結構多いんですよ。終わった後を考えた時に、10何年やってきたのに0になるのは寂しいというかもったいないなって思って。私はソフトテニスに人格形成をしてもらったからソフトテニスに恩返しをするために4年間頑張ろうと思って大学入ったんですけど、“ソフトテニスをしてきたからこういう人になってこういうことが分かってます”っていうのを気付いて発信できる人になったら、結果だけでなくやってきた意味みたいなのがついてくるんじゃないかなって思って。

-部員が人間性の面で成長するために、どのような働きかけをしているんですか

当たり前のことをちゃんとバカにしないでやってほしいってことを言ってます。人間的に成長してる人って結局テニスに振り返った時にも応援されると思うんですよ。応援されるチームになるためには行動とか元気とかも大事だなと思ったんで、試合の時に元気にやったり挨拶しっかりしたりとか、基本的なことなんですけど大学生になるとなかなか出来てないなって思うので。

-今シーズンはどんなシーズンですか

関東学生選手権で自力インカレ枠を取るって目標が大きくあってそれは達成できたんで、最低限の目標は達成できたなと思ってます。あとは東日本インカレで(普段)団体戦に出れない子とも出れたりしたので、(-例えばどなたですか)主務の金(コ4=東北)がそうですね、ジュニアの時からずーっと地域が一緒だったんで試合して高校でも戦ったりして、ポジションも同じだから今までライバルでやってきたけど、最後チームメイトとして一緒に戦ったっていう、いい思い出だなって思います。

金(=写真右)は寺川(文2)とダブルスに出場する(写真は3年前のインカレのもの)

-ダブルスは赤川さん(現3)とのペアで出場されますが、ペアの特徴は何ですか

泥臭くいきたいなと思ってます。きれいなテニスをするよりは、元気に、どんな不細工な格好でもいいから粘る。上手くやろうとするんじゃなく、下手くそでもいいから必死に、必ず死ぬって書くんですけど、そんくらい真剣にいくペアかなと思ってます。

ラケットを振り抜く赤川。粘り強さと元気が持ち味だ(写真は関東オープンのもの)

-インカレで楽しみなことは

インカレ自体が楽しみなんで(笑)チームに所属してできる試合っていうのが本当に最後というか、最後にしてる部分もあるんですけど、最後最後って言うと重いんですけど(笑)、団体戦をみんなで喜んでできるのは楽しみです。あとは、色んな同期の試合を一緒に見れるのが楽しみの一つかなと思ってます。今まで一緒に頑張ってきた他大の同期とか立大の同期とかの最後頑張ってる姿を見て自分も頑張れます。(-中高時代に仲が良かった方を1人挙げるなら)関西大学の竹田真樹(=三重)っていうめちゃくちゃ強い子がすごい仲良くしてくれてるので、当たるってなったら逆に面白いねって話してはいたんですけど、そしたらもうお互い思いっきり楽しもうって話してて。

-最後に、インカレへの意気込みをお願いします

勝ちます。敵に勝つのもそうですし、自分にも勝ちます。

-ありがとうございました!

(9月2日/取材・文 安倍のぞみ)

◆試合情報◆

〇9月3日~4日 第76回文部科学大臣杯全日本大学対抗ソフトテニス選手権大会@山口・キリンビバレッジ周南庭球場
立大VS日大/甲南女子大の勝利校 以上、初戦の対戦

〇9月5日~6日 第77回三笠宮賜杯全日本学生ソフトテニス選手権大会@山口・キリンビバレッジ周南庭球場など
<出場選手>
奥田(現2)・立花(コ3)VS北畠・小野寺(東京学芸大)/近藤・山中(大体大)の勝利ペア
寺川(文2)・金(コ4)VS荒木・藤本(神戸親和女子大)
佐藤(理2)・赤城(法3)VS澄川・小嶋(至学館大)
竹和(文1)・若林(現1)VS中西・上山(大体大)
水澤(文3)・江頭(観3)VS松田・下田(四国大)/佐田・小林(大阪成蹊大)の勝利ペア
赤川(現3)・石田(文4)VS中本・田中(筑紫女学園大)/木之下・笹山(履正社スポーツ専門学校)の勝利ペア
黒沢(現2)・南野(コ1)VS栗本・末吉(京産大)
森岡(現4)・前山(現4)VS小林・小路(山口大)/寺田・吉田(京産大)の勝利ペア 以上、初戦の対戦相手

〇9月6日~7日 第64回全日本学生ソフトテニスシングルス選手権大会@山口・キリンビバレッジ周南庭球場
<出場選手>
水澤VS岩﨑(松山東雲女子大) 以上、初戦の対戦相手

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