ドリブルで相手を抜き去る高柳

【バスケットボール部】祝2部昇格!2部経験者・4年生を中心に結束強めたオータムリーグ後半戦

◆第97回関東大学バスケットボールリーグ戦◆

9月14日~11月23日 立大新座キャンパスなど

立大の最終戦が行われた10月31日から1カ月弱。3部リーグ最終戦・国武大対山梨学大の結果をもって、立大の2部昇格が決まった。残り3戦にして3敗目を喫するも、勝ちへのこだわりを捨てず白星を重ねた。今特集は、そんな彼らのリーグ後半戦を振り返る。

 

17日 対桐蔭横浜大 「スポーツマンシップを忘れず、勝利収める!」

連勝を重ね、勢いに乗る立大!桐蔭横浜大にリードを保ち続け勝利し、チームの士気をさらに高める結果を収めた。
第1Qが始まり、連続で5本の3Pシュートを決めた。立大の作戦は序盤から速攻で点を決め、点差を広げていくこと。序盤で作戦通りの展開に。しかし、チーム内でのミスにより、第1Q終了時には4点差まで詰められる。
気を取り直し向かえた第2Q。大畑(済1)を中心に得点を重ねながらも、なかなか点差が広がらない。さらに相手選手のフィジカルの強さにより、思うようなプレーもさせてもらえない。そんな状況でも選手たちは諦めず、果敢に攻め続けた。

レイアップシュートを放つ大畑(済1)

レイアップシュートを放つ大畑(済1)

第3Qからは立大サイドは苦しめられる状況に陥る。相手のファールプレーが続出したからだ。さらには審判もファールと認めてもらえない場面もいくつか起こる。立大は不満を持ちながらも、「審判が笛を吹くまではプレーを続けよう」と声を掛け合い、スポーツマンシップを貫いた。試合が終了し、11点差で勝利。苦しい状況下のなかでもリードを徐々に広げ、ゲームを制した。
2部を目指す立大にとって勝敗はとても重要である。しかし、接戦の状況でも4年生を中心に、選手たちはスポーツマンシップを忘れず戦い抜いた。そんな立大チームが堂々と戦う姿はひとつの武器になることだろう。

(大澤 創)

23日 対国武大 「昇格に急ブレーキ。勝負を分けた“ラスト1分”」

オータムリーグもいよいよ大詰め。3部2位を守り切りこのまま2部昇格を確実にしたい立大であったが、3点差で惜敗。あと1本が遠かった。
第1Qは立大がリード。ツーポイントを3本決めるなど10得点の玉木(済3)を中心に得点を重ねた。開始5分で主将・川口(済4)がスリーポイントをねじ込むと、ベンチ総立ちで祝福。そんなベンチメンバーの中で一際存在感を放ったのが高柳匡(観4)だ。コートの対角線にいても聞こえる大きな声と身振り。“絶対2部に昇格する”。ベンチの端で躍動する高柳匡の姿から、そんな気迫さえ感じられた。

両手を上げベンチから声援を送る高柳匡(観4)

両手を上げベンチから声援を送る高柳匡(観4)

このままリードを広げたい第2Q。開始5分で5点差に詰められると、立大がタイムアウト。2人を交代し立て直しを図るも遂に同点に追いつかれる。その後は一進一退の攻防が続き、38-38の同点のまま試合を折り返した。シーソーゲームとなった第3Q。均衡を破ったのは高橋文(コ2)のフリースロー。さらに、浜本(法2)が待望のスリーポイントを決めきると、国武大もすかさずスリーポイントで応酬。相手が決めたら自分も決める。互いに流れを譲らないまま、3点ビハインドで最終Qを迎えた。

レイアップシュートを放つ大畑(済1) 両チームで唯一フル出場した

レイアップシュートを放つ大畑(済1) 両チームで唯一フル出場した

最後まで誰も諦めなかった。一時7点差まで差がつくも、残り1分で3点差まで詰め寄る。タイムアウト明けは立大の猛攻開始。都民大会以降練習してきた“細かくパスを回すオフェンス”で次々とスリーポイントを狙う。ゴール下では玉木が確実にリバウンドを制し、オフェンスの時間を稼いだ。残り24秒、国武大のフリースローが2本とも弾かれる。流れは完全に立大だった。3点差を追いかけるラストプレー、浜本はタイムアウト後4本目の正直でスリーポイントを放つも、最後までリングに阻まれた。試合終了。挨拶を終えベンチに戻る浜本は、一人頭を抱えていた。試合中あまり感情を表に出さない浜本も、この時ばかりは悔しさを滲ませた。

試合終了後、うつむきがちにベンチに戻る浜本

試合終了後、うつむきがちにベンチに戻る浜本

この敗戦で国武大に2位の座を明け渡した立大。2部昇格は国武大の結果次第となった。

(安倍のぞみ)

30日 対慶大 「チーム全員で一体感を生み出し、白熱した点取り合戦を制す!」

リーグ戦終結まであと2戦。順位争いで上に立つため、チーム立教は慶大との負けられない一戦に臨んだ。序盤から両者譲らず点の取り合いが続く展開。それでも、最後のリーグ戦に思いを馳せる主将・川口(済4)を中心にパスをつなぎ、リードを守り続けた。
今日の立大はインサイドがさえていた。試合開始直後から激しい攻防が続く。長身の慶大選手がシュートを高速で放ってくるも、立大は冷静だった。連続得点を決められ、5-9と突き放されそうになった序盤。川口が積極的にシュートを放ち、チームの士気を上げる。それに答えたのは、1年生の大畑(済1)と身長191㌢の玉木(済3)だった。ゴール下2人がディフェンスリバウンドで協力を見せ、相手のカウンターで取られたボールを取り返す。再び川口の手元に戻ったボールがリングを通ると、ベンチは大盛り上がりを見せた。「コンタクトをしっかりとって相手の得意なプレーをやらせないようにという共通認識で試合ができた」と川口。言葉通り、前半からボールの主導権を握り積極的なプレーで攻め続けた。

視線で合図を送る川口

視線で合図を送る川口

62-54と突き放して迎えた第4Q。このまま勝利に向かうと思われたが、相手の勢いも途切れてはいなかった。着実に点を重ねるが、相手の連続得点とフリースローで一気に差が縮まる。悪い流れを断つためにタイムアウトを挟んだ立大。キーポイントになる場面で、チームを支えたのはベンチの選手やマネージャーだった。「自分は関係ないという気持ちじゃなくて、一緒に戦っているという気持ちで声出しができた」。残り2試合を勝ちで終わらせるため、全員で雰囲気を盛り上げ、気持ちを行動で示した。再び気合を入れ直した選手たち。川口がパスをつなぐと、エース・浜本(法2)やフォワードの富田(現1)が積極的にシュートを放ち、逆転の機会を与えない。最後は大畑が試合を決める2点を奪い、90-80で試合を終えた。
「ベンチや応援も含めて全員がそれぞれの役割を全うして勝てた」。人数が少ない中で一体感を大切に、リーグ戦を戦い抜いた立大。2部昇格という結果に表れた川口世代の「らしさ」が、特に表れていた試合だった。

(三俣心葉)

31日 対玉川大 「引退試合で見せた、感動の劇的勝利!」


場内に歓声が響き渡る。リーグ戦最終日であり、4年生ラスト試合となった玉川大との試合で立大が接戦を制し、勝利を収めた!

勝利を喜び合う選手たち

勝利を喜び合う選手たち

立大がボールを先取し、第1Qが始まった。しかし、シュートが決まらず序盤で5点差をつけられてしまう。流れを変えたのは玉木(済3)だった。必死に食らいつき、連続でレイアップシュートを決めた。チームの本調子とはいかなかったが、第1Q終了時には点差を3点で留めた。
第2Q、序盤は立大が攻められる状況が続いた。攻められながらも見事なディフェンスを続け、反撃を繰り返すがボールはなかなかリングに入らない。そんな中でもキャプテン川口(済4)は司令塔として常にチームを支え、諦めない姿勢を見せた。その結果もあり、終盤に逆転に成功した。

果敢にディフェンスをする川口

果敢にディフェンスをする川口

第3Q、勢いに乗りたかった立大サイドであったが、相手も簡単には流れを掴ませてくれない。立大が2点取ると3点を返してきた。徐々にペースを掴みつつあった立大にとっては苦しい展開であった。相手の猛攻に押されてしまい、再びリードを許してしまい、難しい状況で第4Qを迎える。しかし、ここからが本領発揮であった。高柳(観4)が得点を量産する。さらには、なかなか点を決められていなかった新エース大畑(済1)も得点に絡み始める。その結果相手を大きく突き放し、勝利を飾った。会場は、立大の歓声に包まれ、選手たちは喜びの涙を流した。

ドリブルで相手を抜き去る高柳

ドリブルで相手を抜き去る高柳

引退を迎える川口、高柳は共に「悔いはない」と話す。また、これまでのきつい状況のなかでも気持ちだけは負けないようにしていたと4年間を振り返った。川口は後輩に対し、「勝ち負けだけではなく、最後やり切ってほしい」と伝えた。立大は今回のリーグ戦の結果により2部昇格が決まった。新世代は先輩たちの想いを胸に新たなステージに挑戦する。

(大澤創)

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