【スケート部フィギュア部門】片岡真彩(営3)独占インタビュー

大学から再出発

針に糸を通すような精密さで着氷を決めた片岡

もともとフィギュアスケートは小学生の頃からやっていた。しかし、中学2年のときに競技から一旦離れる。「普通の生活がしたかった」。毎日がフィギュアスケート主体の生活に嫌気が差した。
大学に入り、再びフィギュアスケートと出会う。「また、嫌になったらすぐやめればいい」。そんな軽い気持ちで入部を決めた。立大のフィギュアスケートは自由度の高い練習メニューを採用していた。決まった練習メニューは存在せず、個人が自分の弱点を分析し、弱点に沿った練習メニューを各々で構築していく。部の方針が片岡とマッチしていた。「はじめはいつでもやめればいいやって気持ちでやっていたが、試合で結果が出せず悔しい思いを重ねた。とりあえず続けようじゃなくて、頑張ろうって思えるようになった」。
級が上がるごとに独学でフィギュアスケートをやっていくのは難しくなるため、選手はそれぞれのクラブや先生のもとに属すことが多くなる。そんな中、片岡は独学でインカレ出場権を獲得した。「監督、先輩、同期、OB・OGなどに教えてもらっている。決まった先生がいないので色々な人に教えてもらい、それを自分で取捨選択して取り込んでいる」。決まった教育者がいないという自分の弱点を逆に強みとして置き換えるというこの逆転の発想には驚かされた。

初のインカレという晴れ舞台

赤いドレスに身を包み、ポーズを決める片岡

2020年1月3日は東京ではなく、釧路にいた。そう、インカレのために。4日には公式練習があり、ノーミスを達成しコンディションが整っていることを確認。自由時間には、緊張を紛らわすためにホテル近くの川を散歩などして過ごした。
迎えたインカレ、演技最初のジャンプを華麗に決める。「調子は本当に良かったけど、良すぎたせいか次のスピンで転倒してしまった。練習していた中で最高のジャンプを飛ぶことができた」。本人が語る通り、次のスピンで転倒してしまう。この転倒がのちのジャンプに大きな影響を与えた。最後のジャンプにはダブルフリップを飛ぶ予定だった。東インカレまではここの構成はフリップであったが、さらなる高みを目指し、ダブルフリップに変更。しかし、踏み切る直前、転倒の記憶が脳裏によぎる。「転んでしまうかもしれないと思って、中途半端にフリップになってしまった」。
結果は10位。「目標にしていた試合だったので出れてうれしかったし、とても楽しかった」。笑って答えた片岡だったが、その眼は闘志に熱く燃えていた。

2019の漢字は「泣」!?

練習中、満面の笑みでダブルピースをしてカメラに応える片岡

2019年を漢字で表すと?と質問すると「実はそれ友達と考えていたんですよね~」と自慢げに話してくれた。漢字は「泣」。「今年はとにかく毎試合泣いていました。東インカレ以外の試合では悔し泣きを。東インカレではうれし泣きを」。
「来年は悔いなく終わりたい」。今年4年生へ進級し、最高学年を担う。「1年のころはただ滑っていた。けど今は、成績を残すためにいろんなことを考えてプレーをする」。

(2月2日 取材・編集 大上文)

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