【スケート部フィギュア部門】〈4年生引退特集〉銀盤に刻むスケート人生の軌跡。染谷(法4)が語る「私にとってスケートは…」

思い描いていた姿ではないけれど

スパイラルをする染谷

―ラストイヤーを振り返っていかがですか
今日まで振り返ってみて、スケートを1年生から始めて、やっぱり自分が最初に思っていた目標、例えば「2級取る」とか「アクセル飛ぶ」とか結構大きな夢を持って続けて来たけど、そこまで到達できなかったっていうのはちょっと悔しい部分ではあります

―夏合宿でインタビューさせていただいた際、「最後まで上を目指す気持ちは忘れずに頑張りたい」とおっしゃっていましたね。引退が迫ってきて1回1回の練習に対する気持ちは変わってきましたか
そうですね、感じていますね。上手くいかなくなっちゃったりとか、飛べていたはずのジャンプが出来なくなっちゃったりとかそういうことがすごく多くて。1、2年生の時って全てが挑戦で、新しい技をやるために練習しているっていう気持ちでやっていたんですけど、その1つ1つの完成度を高める方に練習が変わっていったらなんか急に。今まで出来なかったものを出来るようにするっていう目標から、出来るものをもっと良くするっていう目標に変わった瞬間にモチベーションが下がっちゃったり、そういう部分があって。あんまり上手くいかない部分っていうのがあったんですけど、最近はそんなことをしてる場合じゃないって。もっともっと頑張らなきゃって。落ち込んでいる時間とかもったいないので、今自分が出来る最大限の力で最後の試合に臨めるように高めるっていうのを頑張っています

大好きなミュージカルを氷上で

ミュージカルで培った表現力でプログラムを演じる染谷

―夏合宿からバレンタインカップまでにプログラムの調整や変更はありましたか。
曲は変えてないんですけど、プログラムの構成を試合で貰った評価とかでいろんな人の意見を取り入れながら、例えばステップが点数になってなかったとか多いので、試合の度に毎回毎回調整して内容は結構変えています
『Les Misérables』で2つ組み合わせていて、『on my own』と『stars』っていう曲で。私ミュージカルサークルに入っていて、すごくミュージカル見るのが好きで。スケートを見るのもするのも好きで。スケートやるとしたら絶対この曲ってずっと決めていました。最初はしっとりしていてだんだんと盛り上がってくるんですけど。わたしは技術っていうよりも表現力を大事にしているので、手の使い方を最初はしっとりやっていたのをだんだんダイナミックにしていく移り変わりがポイントです

―ミュージカルもスケートも両立していたからこそ生かせる表現力なんですね
そうですね。手の使い方とかもそうなんですけど顔の表情とか。自分がスケートを見ていても顔の表情しっかりしている人ってすごく引き込まれる。そういうところはミュージカルで培った力かなって思います

部員の良き理解者を目指して。個から組織へ

―主将としての1年間、どんな部を目指して活動していましたか。心掛けたことなどはありますか
自分が初心者で始めたということもあって、私の目指していた部活の像が「いろんなレベルの人がいる中で、1人1人を気に掛けられるような主将になりたい」と思っていて。主将が1番の相談相手になれるようにって、そういう部活をずっと作りたくて。なるべく1年生が入って来た時に声を掛けるように。「どういう技ができるようになった?」とか「どこ出来ない?」とか。技術的なことじゃなくても、普通に友達のような話とかも。とにかく仲良くして、全体が柔らかい雰囲気になったらいいなっていうのが自分の理想でした

―今年度新しく導入したことは
部活の運営の仕組みを変えました。もともとは1人1人に「あなたは〇〇係ね」みたいに係があったんですけど。係は人によってあったりなかったり。なるべく下の学年に付けるって感じで、3年生とかになると無くなってはいたんですけど。今までその引き継ぎが個人個人で行われていて。先輩が卒業しちゃったら卒業した先輩に聞くとか、個人個人のやり取りになってしまっていて、それをどうにか何人かでやっていけるように大まかに運営、広報とかグループを5つくらい作って、そのトップを4年生の人たちに任せて。今まで主将1人が全部仕事を振り分けてて。個人個人に「これやって」「あれやって」ってやっていたんですけど、せっかく部員がたくさんいるので、それを全員で分散してもらってまとまりをいくつか作ったという感じですね。例えば、リンクの貸切とか、Twitter係とかそういう係。今年からInstagramとかも始めたのでだんだんやることが増えてきて。だからそういうのもまとめて広報係ってことにして、その中で仕事を順番に回していってねみたいな感じで

―練習では1人1人の行動になっていますが、そうやって係としてまとまりを持たせることで部活という組織を作り上げたんですね
そうですね

―ミーティングはどのくらいの頻度で行っていましたか
月に1回ミーティングしていて、そのミーティング制度は2、3年前の主将・青木さんの代が作ったんですけどそれを今も継続しています。最初に1ヶ月間の反省と来月の目標を全員発表していくっていうのを習慣にしていて。発表したものを目標シートに書いて、Googleドライブにアップロードして監督にも見てもらえるようにしています。あとは大会運営が近付いてくると運営の流れについて話したりしますね。休部している子とかもミーティングには自主的に来てくれたり

―主将として部を運営していく上でどんなことが難しかったですか
自分では4年間もスケート部にいるからある程度勝手は分かっているかなと思っていたんですけど、分かりきれなかった部分があって。大会の運営とかは経験者の子が「やるよ」って言ってくれたので完全に任せてしまったり。そういう部分でやり切れなかったところがあったかなと思います。あとは技術的な面でも。練習内容を決めるのって毎回主将なんですね。「今日はこれをやってください」って言うんですけど、自分の判断や言ったことに対して同期も後輩も「違くない?」みたいな。ガンガン言ってくれて、みんなには支えられてはいたんですけど、だんだん「今日はこれでいいのかな」とか不安に思っちゃって自信がなくなったりとかして、そういう部分は結構難しかったですね

―後輩にメッセージを残すとしたら
4年間、もっと長くやっている人もいるんですけど、その間にいろんな気持ちの変化があって。わたしもモチベーション下がっちゃったりとか逆にめちゃ上がったりとかいろいろあったんですけど、それでもスケートを始めたきっかけとかを思い出して、そういうときはただ純粋に楽しんでやってほしいなと思います。わたし自身も辛くなったときは「最初はどんな気持ちで始めたかな」っていうのを思い出して。とにかくスケートを観るのが好きで始めたときの「わたしがスケートをやっている」っていうワクワク感があったのでそれを思い出して、違う技に挑戦してみたりとか。とにかくスケートっていうものを楽しんでやってください、かな

私にとってスケートは、「憧れであり、身近なもの」

ジャンプをクリーンで着氷する染谷

―染谷さんにとってスケートとは何ですか
ええ、スケートとは。なんだろうなあ。憧れていたものでもあり身近なもの。辞めたいって思ったこともあるんですけど、それでも完全に辞めようって踏み切ることが出来なかったのでやっぱり好きなのかなと思うんですけど。スケートを始める機会ってあんまりないと思うんですけど、人生ですごく良い経験になって、始めて良かったなって思う大切なものですね
(2月8日 取材・編集 大上文)

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