【フェンシング部】#10月クローズアップ対談企画 毎日がフェンシング日和になるような部活改革を始動!

フェンシング部主将野根(社3)と副将中村(文3)に、フェンシング部の魅力・自分自身のモチベーションについてインタビューを行った。二人は立教新座高校出身で、切磋琢磨し、努力してきた。そんな2人が語った、フェンシング部に対する熱い想いとは――――。

笑顔を見せる中村(文3=左)と野根(社3)

――フェンシング部の魅力は何ですか
野根: 1つ目は、フェンシング部は少ない人数ですが、その中で初心者から全国レベルの経験者までが在籍しているので、多様性がある所です。多くの良い経験が積めるのではないかと思います。2つ目は、人数が少ないので、全員が全員に役割がある所です。大きな部活であると、埋もれてしまうこともあるかもしれませんが、フェンシング部は部員全員に裁量権があります。皆が全員で協力していかないと、部活は成り立ちません。やるべきことがあり、皆が仲良く取り組んでいける所、絆の密度の高さというのも魅力ですね。

中村: フェンシングというスポーツの面白さが、フェンシング部の魅力だと思います。
1対1の格闘技で、全国の規模も小さいです。対戦する他校の選手、実力が多くある選手も、ある程度顔を知っている相手が多いです。そのような何らかの関係がある中で、負けたくないというライバル意識や熱がとても強いです。大会などで顔見知りの選手に当たることも非常に熱いですが、大会に向けてあの選手に、あの学校に負けたくないという感情を持って日々練習しています。
実際に試合を見ていたり、自分がその輪の中に入っているとすごく熱く感じます。その熱い感情を感じるがために、皆やっている感じです。その熱を感じることがフェンシングの楽しさ、魅力なのではないかと思います。

野根: 人数が少ないので、少し頑張れば全国レベルを目指すことが出来ます。その中で試合を重ねていくと人数が少ないからこそ、自分の幅や上限が高いというのが見えて、高いモチベーションでやっていけますね。

――コロナ禍ではどのような練習を行っていましたか
野根: 週2回、オンラインでトレーニングをしていました。

中村: 月に何度か普段からお世話になっているトレーナーさんが、オンラインで指導してくれていました。新しいメニューを加えたり、状況観察なども頻繁に指導してくださったので、飽きが来ず練習できていました。

――ご自身のモチベーションについてどのように考えていますか
野根: 自分は主将という立場をやっていて、フェンシング部を良い部活、勝てる部活にしたいと強く考えています。強豪校を目指すという目標を掲げて日々練習しています。
僕が主将になる前は、練習体制が整っておらず、少ない人数でまとまりがなく、あまり良い練習ができていない時期が続きました。
「主将としてこの状況を変えたい」
やるなら勝てる部活にしたい、やるなら結果を出せる部活。きつくても、どうあっても、勝負に対して真摯に向き合う部活にしたいと考えました。そのような部活を作るために、僕が仕切って空気を作る、練習メニューをきっちり決めていく、練習中にしっかり自分が1番やる気がある所を背中で見せていくことを、意識して行っています。そういうことがモチベーションです。フェンシング部を長きに渡って強くしていくために、自分が今できるチームの土台づくりという所に、主将としてモチベーションを見出しています。

中村: 自分は、副将として活動しています。今年いっぱい大会がなく、選手としてモチベーションを維持することが本当に難しい状況です。トレーニングをオンラインで行ったり色々な工夫はしてはいましたが、それを選手としてのモチベーションの維持に繋げることは正直難しいです。
しかしその上で良かったなと思うことは、この時期野根が主将になったことで、部活のモチベーションがはっきりと明確化されました。野根がモチベーションを体現してくれたので、僕ら同期からすると、野根の熱を保ったまま、僕らがある程度支えるというチーム作りがベストだと思っています。
尚且つ、野根の熱に刺激され、僕らも頑張ろうという気持ちになっています。
今年は試合がないので、来年に向けて少しずつ気持ちを上げるという状況に今はなってきています。来年入ってくる後輩たちは期待ができる子たちが多いので、僕らのモチベーションになっています。

野根:モチベーションがあるかないか、試合があるかないかなど関係なく、強くなるための練習をする、練習に真摯に向き合う、妥協せずに毎日きつい練習や、やるべきことをしっかりやっていれば、そこにあまりモチベーションは関係ないとも思います。後から振り返ったときにやったな、やりきったなというのが全てだと思います。
自分たちが後から振り返ったときに、モチベーション高かったなと思うが、その時の自分の身になってみたら、試合1個1個終わるたびに、練習がいやだなと少し思っていました。しかし、毎日練習場に行ったら練習をやらないといけない、それが正解だと思います。フェンシングをやってみたらモチベーションは出るから、僕は主将としてそのような場を提供したいと思っています。
自分が主導して、フェンシングのことを考える時間が多くなるような、毎日がフェンシング部日和になるような練習を提供したいです。そのためには、ピリついた練習環境や、強くなるためのきつい練習、明確化した練習メニューが必要になってくると考えています。
練習はきついし行かなくてはいけないが、その中で少し自分が強くなっている実感がある様な部活が、最高の形ではないのかなと今は思っています。(大きい試合があればモチベーションも上がっていく。しかしそれがないので)

中村: 野根の考え方もあっているとは思いますが、モチベーションは個人の責任だと思っていて。練習に行かなくてはいけない環境っていうのも、正直来てやる気がないようだったら帰ってもらっても良いと思うので、僕たちはそこに悪いとはあまり思っていないです。3年間ずっとモチベーションについて考えて来たが、やはり難しいです。モチベーションは人それぞれ違うので、何らかの刺激を誰かが与え続けること、また誰かがその人を見続けて、気づいてあげること、誰かが見てるというだけで、結構個人個人のモチベーションは変わってくると思います。頑張っている人を放置しないということが大事なのではないかと思います。

野根: 良い練習が出来る場所を提供し続けることを改めて意識しています。モチベーションは波があるものです。トップの一流の選手にもモチベーションの波はあります。しかしその中でも、今日はだるいので練習やめますという甘いことを言っている部活ではやっていられないです。
常に良い練習を、一流の選手になるためにやり続けることが必要で、そのための環境を、自分が整えて皆に提供する。組織の成長、チームとしての練習効率の向上が自分の個人としてのモチベーションに繋がっています。

中村: 僕は大会で負けたくないライバルがいるからこそ、練習に対するモチベーションが向上する、という感じです。

野根: 僕たちは幹部なので、自分たちのモチベーションがないとか、試合はどうでもいいなど、言っている資格はありません。とにかく練習する、チームがどのように良い状況で動いていけるか考えてやっていかないと、主将や副将が、今日モチベーションないから元気なく練習していいなどということは絶対にやってはいけないと思っています。

――野根さんが主将になり、改革をしてみて何か変化はありましたか
野根: 僕はチームで良い練習を作っていこうと個々にも、意識的に話しかけています。その中である日、自分のモチベーションがあまりない日に後輩から、「野根先輩。チームで、みんなで良い練習を作っていきましょう」と言葉を掛けられました。それを言われた時は、少しは自分がやろうとしていることにチームが前進しているのだというように感じた瞬間でしたね。
もう一つは、退部率が低下しました。去年までは部活を辞めてしまう部員もいましたが、フェンシングに真摯に取り組んで、少しはやりがいも見つけてくれたことで、退部率の低下に繋がったと感じています。

中村: 改革が始まった直後っていうのもあって何とも言えないですが、気持ちの面では変わっているのだろうなと思います。

野根: 最近の練習は、練習が終わった後に特に疲れます。それは当たり前のことですが、変わったと思うし嬉しいです。前の部活の状況では、練習後でも楽だったりすることがありました。基本的なことですが、ちゃんと練習している実感があります。少しは実技的なことを求められる部活に変わっているのかなと思います。

――今年は試合がないですが、今はどのような思いで練習していますか
野根: このチームを良くしていく、良くしていく意味っていうのは、長い未来、来年、5年後、10年後というスパンで見たときに、目標を言えるような高いレベルで勝負できるようなチームを作り上げていくという意味です。そのために今、細かいことから1つ1つ練習改革を行っています。

中村:来年度に向けてこの残りの半年っていうのが一番頑張り時なのかなと思っています。ここを乗り切ると、立教新座高校の結果を残している後輩たちが来年フェンシング部に入部してくれるというのが、僕の中で大きいです。
彼らとフェンシングをするということが、僕の今のモチベーションに繋がっていて、そこに向けて彼らに舐められないように、彼らに負けないように、と考えながら練習をしています。

コロナ禍でなかなか満足のいく練習は出来ないものの、部一丸となり勝つことができる組織作り・練習改革を立大フェンシング部は行っていた。着実に部活が変化している達成感と、フェンシングに対する熱い想いが画面上の2人から伝わってきた。5年後・10年後の未来を見据え、野根世代が進化していく日々をこれからも追いかけたい。

(取材・編集 加賀見真央)

「立教スポーツ」編集部では現在の活動状況を鑑み、10月号は紙面の発行を行わず、Web記事(クローズアップ)での情報発信をする運びとなりました。取材にご協力いただいた各部の皆様、ありがとうございました。

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