251号(新歓号)

立教スポーツ251号(新歓号)

【スケート部スピード部門】部員1人で臨んだ世界、見せた揺るぎない滑走! スピードスケート界期待の新星! 野明 世界ジュニア3000㍍ 銀 「攻めた試合ができてよかった」

レーンを快走する様子

 1年間の成果を見せるべく臨んだ世界ジュニア選手権大会。氷上のニューホープ、野明花菜(ス2)が2年連続で出場を果たした。仲間に恵まれ切磋琢磨した高校時代から一転。更なる飛躍を求め、ひとり慣れ親しんだ地元の長野を飛び出す。無念を晴らすため再び挑んだ世界の舞台で遂に銀メダルを掴んだ!

滑走する野明

募る再戦への思い

 目標は世界ジュニアでのメダル獲得。昨年初めて出場した同大会では表彰とは程遠い、悔しさのにじむ結果に終わった。「自分の実力では世界で勝負にならない」。 刻まれた雪辱の思いは野明の原動力となった。
 「やるしかない」。1年越しとなる夢舞台に自然と気が引き締まる。野明にとって本勝負となった3000㍍決勝。攻めるレースを意識し、スタートを切った。強みは高校時代に培った加速力。スタートダッシュを決めると、コーナーで差をつけ一気にトップへ躍り出た。2周目からは電光掲示板を意識し始める。ラップタイムの推移は好調。ペースを落とさないよう意識を集中させる。迎えた5周目。ついに対角でスタートした選手の姿を捉えた。より距離を詰めようと気持ちが昂る。応援席から絶えず響くのは、共に戦ってきた日本選手団からの声援。仲間からのエールに鼓舞され、大舞台での滑走を終えた。表示された順位は暫定1位。緊張から解放され、安堵の表情で小さくガッツポーズを決めた。
 ついに上り詰めた目標の表彰台。はためく国旗を目にし、悲願の成就に思わず涙が込み上げた。来年からはジュニアの枠を飛び出し、更なるステージを目指す。「負けても折れずに淡々と。」 野明の向上心は留まるところを知らない。

表彰への情景を胸に

 挫折を味わい、誓った捲土重来。世界への道のりは環境に適応することから始まった。
 野明の気持ちに火をつけたのは、昨年度行われたワールドカップでの一戦。自国開催枠として出場し、己のレベルの低さを痛感した。「せめて戦えるようになりたい」。 固く決意をし、着々と世界で戦うための実力を伸ばしていった。
 昨年春に長野県から上京し立大に入学。親元を離れた生活や慣れない自炊など、スケート以前に日常的な変化への適応に多くの時間を要した。スピード部門の部員は野明ただ一人。高校時代と比べ、状況のギャップにも戸惑いを覚える。秋学期に入ると本格的に氷上での練習が始まった。環境の整った地元の長野に拠点を置くと、埼玉から新幹線で行き来を繰り返す生活が続く。地元では実業団の後ろについて滑走し、ひたすら練習に勤しむ日々。「やり切るまでは帰れない」。 気を引き締めストイックに鍛錬に励んだ。
 世界へ駒を進めるべく挑んだ勝負の全日本ジュニア。結果は全4種目優勝。努力が花開いた瞬間だった。前哨戦での大快挙に驚きを隠せない。目ざましい成績で見事、世界ジュニア出場への切符をつかんだ。
 野明の勢いは止まらない。来年度の目標は自己ベスト更新。不断の努力により磨き上げられた高みへの思いは、スピードをあげ続ける。

(逸見若菜)

表彰台に上り喜びの表情を見せる様子

【陸上競技部】海外でも活躍は止まらない! 冬の悔しさを原動力に! 小川 世界大会クロスカントリー 3位 「諦めず前を追い続けた」

表彰台で笑みを浮かべる小川

 初の国際大会に挑んだ立大の新エース・小川。大舞台にもひるまず、積極的な走りで世界3位の偉業を達成した! 気温30度を超える暑さの中、数々の障害物を超えていく過酷なレース。快挙の裏には苦い経験とひたむきな努力があった。

獅子奮迅

 日の丸を背負い初の国際試合に挑んだ小川。念願のメダルを獲得し、歓喜の表情を浮かべた。
敵手の情報が入らない国外レース。不安はあったが集団走への自信を武器に、先頭についていくプランで臨む。
 号砲が鳴り、選手たちが一斉に走り出した。最初の2周は想定よりもスローペースに。 余裕を持って試合に入ることができ、緊張が解れた。中盤に差し掛
かると、上位陣のペースが上昇。集団はばらけ始めるが、持ち味の我慢強さで喰らいつく。表彰台争いは小川を含む4人に絞られた。
 レース終盤、トップの選手がスパートをかけ前に出る。小川はこれまでに蓄積した疲労により反応できず先頭から離された。前後との距離が開き、3番手で単独走に。「表彰台に乗りたい。」 その一心で、最後の力を振り絞る。決死の粘りで3位を死守しゴールへ飛び込んだ。
経験値不足をものともせず、日本勢唯一のメダルを獲得した小川。初の国外レースで世界にその名を知らしめた。

勇住邁進

 「あっという間の1年。」 入学以来、数々の好成績を収めてきた小川。大躍進の一方で、課題も浮き彫りとなっていた。
 昨年末に行われた富士山女子駅伝。エース区間を任されるも結果は個人10位に沈む。単独走が多い駅伝ではペースを保つことが難しく自身の弱点を痛感。チームに貢献できなかった悔しさから、涙があふれ出た。
 部の中でも選手の主体性が重視される女子長距離パート。練習を自由に組める環境を活かし自身の弱みと向き合った。一人で走る力を養うため、全体練習に加えて個人での鍛錬に励む。時計を見ずに走り込みペースの感覚を体得した。さらに高負荷のメニューでは心拍数を上げきることを意識。一人でも限界まで追い込み、粘り強さに磨きをかける。効果的な練習で課題を克服しつつ長所を強化。単独走でも勝負できる力を獲得した。
 次の目標は、プロ選手も出場する日本選手権での入賞。成長を続ける大器はさらなる高みを見据えている。

(佐々木海緒)

ピースサインをする様子

【フェンシング部】ジュニア最終戦で手にした栄冠 国際大会につながる壮挙 中村 JOC女子エペ 優勝 強みを磨き続けた1年間

敵手と対峙する中村

 ジュニア最後の大舞台で中村は有終の美を飾る。インターハイ準優勝など、確かな結果を残した高校時代。大学入学後は練習量が格段に増え、技術に一層磨きがかかった。努力は実り、世界への挑戦権を得た今大会。輝かしい功績の裏には地道な鍛練があった。

技巧の練磨

 熱い思いを胸に、ジュニア最後の年に挑んだ中村。夏の主要大会では表彰台に登り、国内ランキングは6位にまで上昇する。年度末のJOCに向けて着々と準備を整えた。巧妙な駆け引きが勝敗を分けるエペ。中村は相手の攻撃を誘い、その隙を狙う守備的なプレースタイルを武器とする。引き寄せた相手を確実に仕留めるため、目指したのは相手に悟られないフェイント。同じステップで敵手を揺さぶり、防御を崩して着実に突く。ペアを組み適切な間合いや突き方を教え合うことで、得点までの導線を多様にした。手数を広げて予測困難な動きで相手を翻弄する。得意な戦術に磨きをかけ、さらなる成長を遂げた。
 技術力の向上に精を出した日々は、確実に彼女を進化させた。残すは日本代表が決定する大一番、JOCのみ。国内最高峰の大舞台に向けて、気持ちを高めていった。

精進の結晶

 万全の状態で迎えた大会当日。結果にあまり執着せず、気楽な心持ちで臨む。目の前の相手にのみ集中し、予選を危なげなく突破した。
 挑んだ本選では、3回戦が正念場となる。立ちはだかるのは過去2年の同大会で敗戦を喫した宿敵。落ち着いたプレーを意識して剣を構えた。先制点こそ献上するも、中村は冷静に反撃を開始。一定のリズムで詰め寄って相手を惑わせる。磨き上げたフェイントを仕掛け、隙が生まれた胸元を鋭く突いた。その後も柔軟な剣裁きで立て続けに5ポイントを奪い一気に優勢へ。得点を重ね続け10点差で白星を収めた。勢いに乗ると名だたる強敵も次々と打破。決勝も洗練された戦術で相手を下し、表彰台の頂点に輝いた。
 自身最後のJOCで金メダルをつかんだ中村。4月には世界選手権が待ち受ける。強豪が集う未踏の境地へ。培った技術力を糧に、若き新鋭は挑戦の歩みを止めない。

(前田結香)

表彰式で笑顔の様子

関連記事一覧