【陸上競技部】第100回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会事後インタビュー~Part1忠内侑士選手

10月14日、昭和記念公園にて行われた第100回箱根駅伝予選会。立大は昨年の同大会から大幅にタイムを更新し、2年連続となる本選出場を決めた。今回は予選会を終えた12人の選手にインタビューを行った。

忠内侑士(営4=専大松戸・千葉)

◆予選会タイム◆
01‘03“59/個人総合108位

 

―レースを振り返って
率直に言えばわりと落ちついたレースが出来たかなというのが全体的な感想で。というのも自分は今まで4回走ってきた中で、一番楽に走れてなおかつ一番良いレース、一番良い走りが出来た予選会かなと思っています。チームの中でも今まで10番でしたり、10番に絡まない数字、要はボーダーラインをいつも走ってはいたのですが、今回は自己新記録を狙えるなという確信を持った状態でレースに挑めて、それを実現出来たので良かったです。

―タイムは64分切りとなったが
一応自分の中でボーダーを定めていて、64分30秒が最低限走らなきゃいけないラインかなというのを考えていて。自分の個人的なタイムの目標としては64分30秒切りで走ってあわよくば63分に乗れたら良いなと思い走っていたので、途中20㌔を過ぎてから時計を見て「これタイム狙えるな」となりまして。そこからはもう全身の力を振りしぼって最後はしっかり自分の前に6人いたのですが、63分台という上位に乗ることが出来たのは自分にとっても自信になりましたし、チームにとってもプラスになったと思いました。

―結果的に満足度は
満足度的には95点くらいかな、100点にしたいのですが95点くらいかなというのがあって。なぜマイナス5かというのは、もう少しいけたかもしれないっていう自分への期待を込めてマイナス5というのがあって。落ち着いたレース運びが出来たっていうのもわりと体力とか足にも余裕があってあのタイムを出せたので、今後また箱根駅伝本選を走るという機会を頂けるのであればもっと積極的なレース展開をしていきたいというのもありますし、ハーフを走る機会があるかどうかは分かりませんが好記録を狙えるいい指標が出来たのかなという意味で95点です。

レース後、笑顔を見せる忠内

―当日のコンディションは
だいぶ良かったです。レース当日まではちょっとした焦りみたいなのもあったので、当日1週間前くらいまではわりと自分はあまり調子が良くない方で。トレーナーさんにも「悪くはないが今後の練習次第だね」というアドバイスを受けて準備をしていたので、怖い話ですけど、たぶん予選会がもう1週間早かったらここまで良い走りが出来ていなかったというのも少しあって。でもそのトレーナーさんのアドバイス然り、練習の仕方を自分も今まで同じように練習していたわけではなかったので、その日の身体の調子に合わせて落としたりだったり、要所で自分のやるべきことを見極めて個人的に練習メニューを組み替えたり、プラスアルファをやったりして当日に持っていけたのも大きかったです。アップの時とかに身体の動きと感覚もだいぶ良かったので、色んな修正が自分にとっていい結果につながったのかなと思います。

―当日のレースプランは
元々の予定は3年生の山本(営3)がペースを作って公園内の17.8㌔、ちょうどカーブのところですね、カーブっていうか折り返しか、折り返しのところでフリーっていう予定ではあったんですけど、わりと駐屯地を出てから身体の動き具合だったりが集団走で走っている人たちでバラつきがあったので、「いける人はそこからいこう」って感じで。すごい直感が働いて(笑)。 「ここいった方がいいかもしれないな」と思って飛び出して自分で走ったという、最初のプランとはだいぶ変わった走りをしたというのが結果に結びついたのかなと思います。

―選手同士でプランの共有をしたか
プランみたいなのも共有していましたし、立教大学の箱根出場動画みたいなの見ましたかね?6人6人で出てたと思うんですけど、前方6人は自分たちのペースというかタイムを狙いにいく組と、最低ラインを作りにいく6人にしようと話し合っていたので、自分たちも前にいる選手を信じて走ることしか出来ませんし、逆に前の選手も後ろの僕たちを信じて突き進んでいくしかないっていう状況は、走る前からスタートラインに立つ前からそういう状況でしたし、気持ちは作れたんじゃないですかね、離れてはいましたけど(笑)。 それは一つ走る上での安心材料になっていました。

懸命に走る忠内選手

―前後の選手との声かけなどは
安藤(コ3)は8㌔か9㌔のところで抜かした時にちょっと腰を叩いたり手を振ったり、そういう風な合図はしたりして。他の選手とかだとさっき言った17.4㌔、そこでヘアピンカーブのところで前にいる選手が見えるのですが、そこでちょうど前にいた國安(営2)と林(コ3)、稲塚(営3)、後ろにいた吉屋(営2)と後藤(営3)に折り返す時に手を振ったり、自分たちはここにいるぞというのを知らせ合っていました。個人的にそれは終わってから話した時に「あれやって良かったね」であったり、ここからもう一踏ん張りという心の鼓舞にもなったのですごく気持ち的には心躍っていましたね(笑)。

―レースの中で上手くいった点
個人的に上手くいったのは単独走の部分かなと思っていて。自分はロードとかにおいて1人で走るのがすごく苦手だったんですけど、とはいえ箱根駅伝のことを考えたりハーフマラソンのことを考えたりすると、やはり1人で走る場面というのはとても重要になると思っていて。そこは今回のレースにおいてもすごく顕著に結果に現れたと思っていて、5㌔を1人で走ってペースを確認してもペースの乱れと合計タイムの乱れがなく、一定のペースで1人で押せたというのは予選会前インタビューでも話した粘りの走りが出来たかなと思います。

―レースの中で出た課題は
課題はもっと積極的になっていいかなというのが課題かなって。前にいたのが1つ下の稲塚なのですが、彼とは私生活ではわりと一緒になったり普通に話したりもしますし。彼とは同じ掃除班でスタート前にはじゃんけんをしたり緊張をほぐし合うような仲ではあるのですが、彼が単独走に切り替わった時に一目散に前に出ていって、ゴールは僅差ではありましたけど結果的には彼が上だったというのが今回の予選会で証明されたわけです。だから今回保守的な走りをしてしまったのが課題かなって、たらればではないですが、もう少し積極的に前は前へ行っていれば、タイムも順位ももう少しチームに余裕があったのかもしれないなって考えると、もっと積極的に走るべきだったというのが自分の課題かなと思います。

―ハーフの試合予定は
ハーフマラソンのレース自体は今のところは考えてないです。箱根予選会がハーフの一応学生の最後のレースにしようかなと思っていて、だからハーフマラソン自体はそれでおしまいにしようかなと思っています。

―現在の調子は
若干疲れは残ってはいるものの動かない感じではないかなというのが正直な感想です。おそらく予選会を綺麗に走れたからこそ変な疲労が溜まっていないのかなというのがあります。もちろん終わってからの練習は落としましたし、治療も行って身体の疲れを取りに行ったのは事実で、10日経った今はもう既に練習を再開しているのですが、予選会前と同じ練習を積めているので、10割中6割くらいで留めているという状態です。

―箱根本選での目標は
本選で走るとするならば自分は7区を走りたいと思っていて。去年も7区を志望したんですけど結局最後の合宿で調子が合わずメンバーから外れてしまったので、その雪辱を果たすことですね。あとは自分の憧れの先輩が7区を走っていたというのが目標なのでそこを走っていきたいですね。

―7区志望だと復路想定?
実力的に見ると復路かなと思います。7か8区を走りたいなと思っているのですが、ものすごく理想を言ってしまえば1区とか走ってみたいなと思います。あ、でも10区も走りたいです(笑)。 最後たすきを渡された時に前との差とかもそうですが、最後の区間だからというのもあっていろんな感情が混ざっていると思います。今まで前にいた9人分の襷をつながれて走るのもそうですし、シード権争いだったら勝たなければいけないというプレッシャーもありますし、逆に10位以内だと逃げなければいけないというプレッシャーもありますし。最後まで気を抜けない区間ではありますが、その分一番いい走りができるんじゃないかなと思います。

―本選に向けて意気込み
目標は本選を走ることなのであと2カ月ちょっとアクシデントがなく、先ほどお伝えしたレースに沿って徐々に右肩上がりの調子にしてシード権獲得を目標に、残り2カ月奮闘して走っていきたいと思います。

(11月5日・取材、平岡薫奈・編集、熊谷光洋)

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