246号

立教スポーツ246号

2023年4月1日更新

【サッカー部】強みは頑強な身体!オリ10入団を勝ち取る 久保庭 千葉内定 「J1昇格に貢献したい」

力強くガッツポーズをする久保庭(コ3)【撮影・熊谷光洋】

立大史上2人目のJ2リーガー、久保庭良太が誕生した! ユース時代から所属していたジェフユナイテッド市原・千葉。チームの特別指定選手としてプロの舞台への切符をつかんだ。

大学では周囲のレベルの高さに圧倒され、苦渋の日々を過ごす。試行錯誤の末、磨き上げた武器はカバーリング。Jリーグでも冷静かつ素早い守りに期待がかかる。久保庭の第二のサッカー人生が今キックオフした。

苦悩を越えて

入団が決定し、久保庭は晴れやかな表情を浮かべた。幼い頃からの憧れだったプロの世界。夢の舞台への道を自ら切り開いた。

ジェフのユース選手として力をつけ、安定した競技人生を歩んだ中高時代。しかし立大進学後に待ち受けていたのは、大学サッカーの高い壁だった。今までよりも強靭(きょうじん)なフィジカルを持った選手たち。これまでよりも激しい競り合いに圧倒され、自身の実力不足を痛感する。試合に出場する機会も減少し苦悩の日々が続いた。

彼の原動力となったのは、ユース時代にしのぎを削った仲間たちの活躍。「自分も成長しなければ」。 日本代表の舞台で躍動する彼らの姿が、久保庭の心を奮い立たせる。自分のプレーを分析し、見つけた課題点は筋力不足。肉体の強化に活路を見いだし、より高重量の器具で上半身を重点的に鍛えた。さらに技術面では、守備力向上のために味方との連携やポジショニングを磨く。実戦で使える動きを体に染み込ませ、練習に励んだ。

努力の成果は2年次から表れた。リーグ戦では、開幕からスタメンに定着。最終防衛線として、立大イレブンの絶対的な存在となった。

夢見たピッチへ

好調だった3年次、久保庭の調子は急変する。5月に行われた試合で相手と接触し、左足の甲を骨折。療養のため長期離脱を余儀なくされ、チームに貢献できないことに悔しさをおぼえた。

それでも試合に出られない期間を好機と捉え、地道なウエイトトレーニングに尽力した。柔軟性の向上にも目を向け、けがをしない体づくりを心掛ける。故障を乗り越え、他の選手たちに当たり負けしない肉体を手に入れた。

療養中の修練が奏功し、チーム復帰後には飛躍を遂げた姿を見せる。一対一の局面でも、鍛えた肉体と持ち味の俊足を併せて相手の攻撃を完封。圧倒的な守備力を誇り、チームの守りの要として一段と奮闘した。今冬に行われたジェフのキャンプでもその実力を示す。プロ相手にも通用する俊敏性が監督の目に留まり、入団の決め手となった。数々の挫折と困難を乗り越え、ついに夢への一歩を踏み出した。

「プロでの経験を大学サッカーに還元したい」。 今年度、リーグ全体で特別指定選手はわずか5名。狭き門をくぐり抜けた立大の要塞は、学生とプロ選手の二刀流となる。立大サッカー部の至宝が、Jの舞台で輝く日は近い。

(佐藤稜真)

プレー中の様子

【ラグビー部】ついに歴史を変える!成し遂げた偉業 史上初 対抗戦A 2勝 「結果がついてきて嬉しい」

逆転トライを決め歓喜する選手たち

立大ラグビー部が快挙を達成した! 開幕第5戦では強豪・日体大に大勝。第7戦ではAグループ6位をかけて、青学大と対峙(たいじ)する。昨年敗れた宿敵相手に見事逆転勝利。快挙の裏には二人の共同主将によるチーム改革があった。

至高の勝利

創部初の2勝目を挙げるべく、15人の選手たちがピッチに降り立った。相対するのは、昨年度惜敗した青学大。「歴史を変える一戦にする」。 闘志を燃やし、対抗戦の最終節に臨んだ。

前半14分、安藤のPGで先制する。「決まって当然」。 大歓声が上がるも背番号10は表情を崩さなかった。3―0で折り返し、勝負は後半へ。開始早々に7点を献上したが、ここから立大の反撃が始まる。流れるようにパスをつなぎボールは天羽(コ3)の元へ。そのまま右サイドから飛び込み、逆転に成功。ピッチ全体が熱狂の渦に包まれた。勢いは止まらず、紀伊を筆頭としたFW陣のタックルで重圧をかける。ペナルティーを誘発し追加点に結びついた。怒涛(どとう)の攻撃で後半には計17点を挙げる。6点差を守りきり、20―14でノーサイド。熱い抱擁を交わし、喜びを爆発させた。

万雷の拍手がヒーローたちに降り注ぎ、最終戦は終幕。立大ラグビー部は、99年間の歴史を塗り替え金字塔を打ち立てた。

変革の賜物

今季のラグビー部は安藤と紀伊が共同主将を努める。対抗戦での勝利を目標に、二人三脚で歩みを共にしてきた。

主将を務めた経験が豊富な安藤と人生初の大役と語る紀伊。対照的な経歴を持つ2人だが、目標は同じく勝ち星を増やすこと。しかし個々の能力は高いものの、全員のプレーがつながらず勝てない日日が続く。そこで対抗戦の中盤から各学年の代表者を集め、サミットと呼ばれる打ち合わせを企画。ヘッドコーチが戦略を立てていたときとは異なり、ワンプレーの意味を選手主体で考える機会を設けた。二人を中心とした意識改革により、各プレーヤーの積極性が増す。受動的なラグビーから能動的なラグビーへと進化した。
「心残りは全国大会に出られなかったこと」と語る二人。それでも、実力確かな後輩は豊富にそろっている。4年生が成し遂げられなかった全国大学選手権出場も射程圏内。次なる舞台に勝ち進むべく、新生ラグビー部は新たな一歩を踏み出す。

(輿水佑一郎)

守備を突破し敵陣へとボールを進める紀伊(営4)【撮影・松尾悠】

【空手部】最高峰の舞台で遂げた快進撃! 全日本学生 女子団体 3位 一致団結で届いた景勝 「楽しんでやれた」

突きを決める福元【提供・空手部】

笑顔輝く立大空手部女子が創部史上初の快挙を達成した。学年の垣根を超え仲が良い彼女たち。抜群のチームワークで努力を重ね、見事インカレ3位に輝いた。躍進を遂げた今年度。功績の裏には仲間への熱い思いがあった。

熱闘の末に

「100点満点です」。 全国の舞台で結果を残した立大空手部。彼女たちの大躍進は新時代の幕開けとなった。

関西の強豪・同大を相手に迎えた準々決勝では、福元が先陣を切って団体戦に挑む。東日本大会ではエースとしてチームの勝利に大きく貢献。己の実力に対し深まった自信を糧に、序盤から果敢に攻めた。先制点を獲得し、近畿大会の覇者に対して優位に試合を運ぶ。そんな中、こぶしが相手の顔に当たるアクシデントが発生。競技が一時中断され、福元に動揺が走る。「落ち着いていこう」。 チームメイトからの声掛けで冷静さを取り戻した。信頼する仲間の応援を背に、帯を締め直す。試合再開後は相手の猛攻にも落ち着いて対応。先鋒(せんぽう)戦を制し試合の流れを引き寄せる。続く宮崎が勢いそのままに連続得点を決め、立大は正念場の一戦に勝利。見事銅メダルを獲得した。

勝利を喜ぶ選手たちは満面の笑みで抱き合う。全国にその名を轟かせた瞬間だった。

絆を武器に

歴代随一の団結力を誇る今季の空手部。副将・佐藤の試みはチームを高みへ導いた。

部員に寄り添えるリーダーを目指した佐藤。積極的に後輩たちと言葉を交わし、全員の意見が還元される環境を作った。練習メニューにも下級生の考えを反映させることを意識。さらにはケース練習を通して、いかなる状況にも臆さない姿勢を培う。チーム一丸となって空手に取り組む日日を過ごすことで、強い連帯感が生まれた。

試合当日、張り詰めた会場の雰囲気に緊張の面持ちを浮かべる選手たち。「絶対大丈夫」。 佐藤からの声掛けは切羽詰まる気持ちを落ち着かせた。日頃から競技に集中できる環境を作ってきたチームの大黒柱。彼女がいたからこそ気負うことなく試合に臨むことができる。「先輩のために勝とう」。 胸に抱いた恩返しの思いは、勝利への原動力だった。

同心協力で歩んだ1年間。飛躍への礎は築かれた。常勝立大へ向けて彼女たちの挑戦は続いていく。

(関根拓人)

明るい笑顔で賞状を持つ選手たち【提供・空手部】

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