【陸上競技部】明日は箱根駅伝予選会!立教記録更新に挑む12選手を完全解説 ~4年生編~

いよいよ明日は正月の風物詩である東京箱根間往復大学駅伝競走、通称「箱根駅伝」の予選会が行われる。東京は立川市の陸上自衛隊立川駐屯地と国営昭和記念公園が主な試合会場であり、特設されたハーフマラソン(21.0975km)用のコースで各大学からエントリーされたランナーたちが本戦出場をかけ走る。駐屯地の滑走路がスタート地点であり、一斉に選手たちが走り出す様は迫力満点である。

今回はそんなサバイバルレースに立教大学を背負って出場する12人の選手たちを勝手に分析していきたいと思う。

長距離パートチーフ・轟木亜問(コ4=小林高)

「OBOGさん、監督、部員…本当にお世話になったからね」。最後の予選会を前に、”感謝”を直筆で記した轟木

メガネがトレードマークの主将・轟木は宮崎県出身。高校時代は長距離の名門校である小林高校で結果を残してきた。上京してきた理由は「箱根駅伝に出たいから!」不調から脱出し、先日の日体大記録会では自己ベストに近い30分54秒をマーク。直前のインタビューでは「3年間は不発のレースで終わってしまった」と語っていたが、大爆発の予感が…!ラストイヤーとなる主将の底力が今、試される。

◆自己ベスト◆
5000㍍:14’47”84
10000㍍:30’49”58
ハーフマラソン:66’43

◆目標タイム◆
68分切り

 ◆インタビュー抜粋◆
—予選会まであと1週間ですが心境は
僕がこっちに上京してきた理由っていうのが、僕出身宮崎なんですけど、箱根駅伝に出たいからってことで関東の大学出てきて四年間目標として掲げてきて今年が最期の箱根駅伝予選会となるのでラストチャンスかなっていうのがあって、チームの主将としてもそうだし長距離のパートチーフとしてみんなをうまくまとめつつ自分としてもなるべくいい結果を残したい。両方見なきゃいけないっていう立場になったので、もちろんですけど1、2、3年次よりかも1番懸けてるっていうのはあります。

—4年生、パートチーフとしてどのようにチームを引っ張っていくか
今までは過去3年間は力があると言われながらも不発のレースに終わってしまって、影の功労者じゃないけど、チームをうまく盛り上げたりだとかそういう立場で何とかチームに貢献しようっていう気持ちが強かったんだけど、まぁ日体終わってから自分としての調子も良くて4年生、主将、パートチーフとしてもそうなのでチームをうまく盛り上げる裏方の役割プラス走りでもうまくチームを鼓舞して逆に鼓舞するのもそうだけど1年生が今年均等なバランスで学年が入っててうまく走りに自分が落ち着いていくことでレース自体も落ち着いたレース展開がみんなもできるんじゃないかなと。

—チームの雰囲気は
夏合宿前から距離をちょっと増やしてだいぶ練習をボリュームアップして、臨んでたので疲労が溜まっちゃって夏合宿うまく走れないとか、記録会出ても去年の予選会の核だった選手とかも中々自分の力を出せずに自信がないなっていう状況だったんだけど、日体の後からメンバーが確定して練習をポンとやらせてみると秋口、疲労がとれてきてその効果もあると思うんだけど去年以上の質と量が踏めてきたのでチームの中である程度自身が生まれてきていい雰囲気ではある。

—立教記録は
立教記録は狙える。まぁ何があるかわからないので、最後まで気を引き締めてとはずっと言ってます。

加世田雅之(理4=国府台)

看板エース・加世田はどのようなラストランを見せるか

◆自己ベスト◆
5000㍍:14‘44“27
10000㍍:30‘41“96
ハーフマラソン:66‘50

◆目標タイム◆
65分30秒

この夏、最も走った男がこの加世田だ。小柄ながらスタミナは抜群。前述の通り、夏には箱根駅伝上位校とも遜色のない距離を走り、アップダウンに耐えうる“”を手に入れた。好きな言葉は「緊張するということは自分が今まで積み上げたものを晒すのが怖いから」。緊張しやすいエースはこの言葉を思い出し、己が積み上げたものを再確認する。誰よりも走っ男は脚だけでなく“自信”も手に入れた。

 ◆インタビュー抜粋◆
—引退まであと1週間。実感は
全然ないです(笑)。(今日も)練習の一環だなあ、ハーフの試合が待ってるんだなあ、みたいな。これから1週間後、走り終わったらそれで終わるんだなあみたいな。走るんだなあ、という雰囲気はあるんですけど、それが本当に学生最後なんだなあと、そういう感じはないですね。

—4年目の今、自分の持ち味は何だと?
ひたすら前につけることですかね。自分が、明立戦の時もそうだったんですけど、格上相手に粘って最後も粘れたので、それが今の自分の持ち味かなと思います

—好きな言葉は、しんどいときとかに思い出したりする
受験期に、すげえ緊張するときとかは、すげえ緊張するんですよ(笑)。あるアニメの人が言ったことなんですけど、「緊張するということは自分が今まで積み上げたものを晒すのが怖いから」と言ってて。自分が緊張するっていうのはそれだけ積み上げてきたということの証なんだなって思って。緊張するほど「ああ、自分はそれだけ積み上げてきたから自信にしていいんだな」ってむしろ思いながら、大学入る前からなんですけど。

嶋大興(観4=別府鶴見丘)

ラストランで嶋は「5番手」以上の波乱を起こせるか

Aチームに肩を並べられたことは本当に嬉しい」。そう語る嶋は大分からやってきた。高校は別府鶴見丘高校であり、箱根駅伝の予選会には1年生からずっとエントリーしてきた。持ち味は分析力。自分の調子に合わせて試合のラップタイムを予測していく。陸上を一言で表すなら「克己心」。自分を理解し打ち勝ってきた嶋だからこそ、この1年近くでAチームのメンバーにも引けをとらないレベルまで成長できた。自らを“5番手”と位置付ける彼がどんなタイムでゴールするかで立教記録の見え方は変わってくるだろう。彼もまたチームのキーマンの一人である。

◆自己ベスト◆
5000㍍:14’53”75
10000㍍:31’43”54

◆目標タイム◆
67分30秒

◆インタビュー抜粋◆
−予選会への思いは
僕はもう4年で最後の予選会なのですけど、それ以上に1,3年と走ってきて2年もエントリーしていて1番違うのが、この1年間Aチームでやってきて1番ではないにしろ主力として走るっていうことが、今までと違うなって思う。これまでの予選会だったらよくて6番手7番手8番手とかで走っていて、どちらかといえばどれだけチームの平均タイムに近いタイムで走れるかっていうのが、僕のハーフだったのですけど、今年はAチームには及ばないにしても、一応Aチームでやってきて、僕がどれだけ5番目6番目を速く走れるかで少し変わってくると思うので、主力として走らないとなっていうのはあります。

−自分の持ち味は
練習計画とか挑戦みたいなのは考えて陸上をやってきたので、ハーフはもともと得意じゃないし怪我明けで状態も良くはないですけど、自分が一番突き詰められるタイムを練習とか調整の中で見つけて、それで押していくっていう走りを今年の予選会ではしていきたいなって思います。

4人目は品川彰宏(コ4=東北)

四年目にして初の紫のユニフォームをまとう品川

初めて紫のユニフォームを着られる。」4年間の大学での部活、ひいては10年間の陸上人生を振り返りながら今までと感覚が異なる試走会を終えた。調子自体は上向きであり、4年生のラストイヤーパワーが炸裂するかもしれない。同じく陸上競技をしていた父親譲りの「天才は有限、努力は無限」という言葉を競技する上で深く刻み込んでおり、数えきれないほどの努力を重ねてメンバーに抜てきされたのだ。走りの持ち味は人を引き付けるような“もがく”走りであり、周囲の応援を一層引き付けるという。無限に近い努力とサポーターの応援が重なれば、どんな天才たちとも渡り合えるだろう。

◆自己ベスト◆
5000㍍:15‘40”03

◆目標タイム◆
69分切り

 ◆インタビュー抜粋◆
—予選会が来週に迫ってきているがどうか
自分は10年くらい陸上やっていているんですけれどその陸上人生で初ぐらい、紫のユニフォーム着られるのも補欠とかになったことはあっても初なので、そのくらい大きなレースだなと思います。

—自分の走りの持ち味は

自分は人よりもがくというか、そういう走り方をするので、見ている人が応援したくなるのかなと思います

—意気込みを
自分の集大成でもあるし、1年間のチームとしての集大成でもあるので、去年走っていた同期で走れない人もいるので、その分もしっかり応援される走りをしたいと思います。

(10月12日 編集・中野陽太/インタビュー・小西修平、中條万緒、小根久保礼央、小松勇斗、藤部千花、日野雅由子)

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