【スケート部フィギュア部門】全日本フィギュア5日目 石田が健闘見せるも悔しさにじませる

♦第92回全日本フィギュアスケート選手権大会◆

12月24日 長野市若里多目的スポーツアリーナ ビッグハット

最初のポーズをとる様子

国内王者を決める全日本選手権。SPから各選手渾身の演技を見せ、ハイレベルな戦いが繰り広げられる。初出場ながら全体の21位でSPを終え、見事FS出場を決めた立大エース・石田(ス1)。大舞台の緊張感に耐え切ることができず、健闘するも悔しい結果となった。

曲に合わせてスケーティングする様子

FSに石田が選んだ曲は『I belong to me』。緩急のある音楽にのせ、自身の武器である伸びやかなスケーティングで美しさと力強さを兼ね備えたメリハリのある演技を披露した。

力強く滑る様子

プログラム開始直後、トリプルフリップからのダブルトール―プを安定して着氷。高さのある連続ジャンプをしっかりと決めた。穏やかな音楽に合わせ、リンク全体を大きく使ったスピード感のあるスケーティングを見せる。続く3回転ルッツではスピードを落とさずにジャンプへ入ったものの惜しくも転倒した。

アクセルを踏みきる様子

その後に控えたダブルアクセルでは見事な立て直しを見せる。着地後もスピード感を保ったままの流れがとまらない加点のつくジャンプを決めた。しかし、立て続けに飛んだ連続ジャンプではダブルフリップの後に2回転ループを入れる予定が1回転となってしまう。悔しいミスが続いたものの、フライングから入った足変えコンビネーションスピンでは回転速度を落とさずに回り切った。

コレオシークエンスをする様子

曲のテンポが上がると力強いスケーティングで音楽を華麗に表現する。3回転フリップでは2度目の転倒となったものの、直後のレイバックスピンでは安定した軸のある美しいポジションで回った。演技後半に差し掛かるもスピードは落ちない。コレオシークエンスではリンク全体を大きく使い観客を魅了した。

ステップシークエンスをする様子

基礎点が1.1倍となる後半のジャンプ。トリプルトール―プを着実に決め最後のダブルアクセルも飛距離のあるジャンプを見せた。全てのジャンプを飛び終え、迎えたステップシークエンス。正確なエッジワークでのびのびとしたスケーティングが光る。最後のエレメンツである足換えコンビネーションスピンではレベル4を獲得。難しいエッジ変更も難なくこなし、安定したぶれない軸で回り切った。

演技終了直後の様子

演技終了後はミスが心残りであるかのような表情を浮かばせる。FSの結果は88.76。キスアンドクライでは悔しさをにじませた。合計スコアは142.88で石田は全体の24位で今大会を終える。

客席へ挨拶をする様子

石田にとって初めての挑戦であった今回の全日本選手権。FSでは納得のいく演技が出来なかったものの、SP・FS共に音楽に合わせた伸びやかなスケーティングとスピードのある深いエッジワークが光った。SP終了時のインタビューでは自分のスケーティングを好きになってもらう人が増えてほしいと語った石田。今大会で彼女の演技に魅了された人は多くいたに違いない。

(12月26日・髙橋凜)

♦コメント♦

石田選手(囲み取材より)

―今日の演技を振り返って

正直悔しい面が多くて、まずジャンプの成功率であったり加点要素を本来もらえるべきところがミスが多くて点数が伸びなかったところが悔しいです。

 

―思うようにいかなかった原因は何だと考えているか

フリーに向けての練習が結構少なくなってしまって不安は大きくて練習の時から失敗が多かったのが1番の原因だと思っています。

 

―FSで『I belong to me』を選んだ理由は

この曲で依然滑っている方がいて、その表現だったり滑りがとてもいいなと思ったので選んだんですけど、美しさだけでは無くて力強い振り付けも入っていてメリハリを出せる良い曲なのではないかと思って選びました。

 

―以前滑っていた選手というのは

吉岡詩歌選手です。

 

―これまでの今シーズンを振り返って

今シーズンは特に上手な選手の方たちと同じグループで滑るという私にとっては少し厳しい環境の中で滑ることが多かったのですが、その中でも自分の出来ることは出せてきていたというのは今シーズン自分にとって大きな成長だったと思っています。ただ今回の全日本のフリーでは思うような演技が出来なかったのがすごく悔しいです。

 

―石田選手自身は小柄だが滑っているところを見ると大きく見えるが何か気を付けていることは

定期的に振付師さんにメンテナンスをしてもらっています。振り付けていただいた当時より動きが弱くなってしまったりメリハリがなくなってしまうところが多かったりするのでそこは定期的にメンテナンスへ行くようにはしています。

 

―今回の全日本選手権で他の選手から学んだことは

どの選手もまずスケーティングでの滑りの伸びがすごくてそこがまず自分にかけている部分だなと思いました。あとは練習で失敗してしまっても本番にしっかりと自分の調子を合わせてくるところがやはり違うなと思いました。どんどん経験を積んで上手い選手に近づけるように頑張りたいです。

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