【ホッケー部男子】小林世代のラストゲーム 無念の敗戦で昇格ならず

2023年度関東学生ホッケー秋季リーグ入替戦

12月3日 対日体大 駿河台大学ホッケー場

円陣を組む選手たち

0-2の敗戦ムードをひっくり返し、悲願の優勝を果たした立大。5季ぶりの一部昇格達成へ、一部8位・日体大に挑んだ。立ち上がりから相手の攻撃を受ける展開に。2QにPCから先制ゴールを奪われる。後半は流れを取り戻し、両サイドから攻撃を繰り返す。4Qはさらに攻勢を強めるも相手ゴールを割れず、59分にカウンターで追加点を奪われ試合終了。一部昇格とはならなかった。

激しいプレッシャーにさらされる齋藤(理3)

昇格をかけた一戦、開始から、日体大の激しいプレッシャーや安定したボール回しに立大らしさを出せない。PCを奪われるなど終始日体大の流れで第1Qを終えた。第2Qは開始早々攻撃陣が奮起。三宅(コ3)が今季得点パターンとなっているPCを奪う。三宅がシュートを放つも決まらず、再びのPCは桑原(文3)が狙うも枠を捉えない。

得点が決まり喜ぶ日体大の選手たち(右)と対照的な立大の選手たち

すると20分。日体大に自陣角のスペースをとられ守備を崩されると、たまらずPCを与えてしまう。これを冷静に沈められ、先制点を喫する。昇格を期する立大にとって、この1点が重くのしかかることとなった。すぐに追いつきたい立大は篠崎を中心に徐々にボールを握れるように。主将・小林(法4)から中盤を経由して組み立て、敵陣へ仕掛けるもゴールへは迫れない。日体大ディフェンス陣に苦しめられ、シュートまであと一歩届かない歯がゆい展開で前半が終了する。

仕掛ける斎藤(理3)

後半は立大が勢いを持って相手に挑んでいく。攻撃に力をかける分、奪われると一転相手の反撃に。激しい攻防を繰り返すも、お互いに最後のところで守備陣が粘りを見せる。40分には相手のPCでピンチを迎えるも、決勝でセーブを見せた横内(文2)を中心に守備陣が踏んばった。しかし、立大には得点が生まれないまま3Qが終了する。

ゴールあと一歩まで迫る立大

泣いても笑っても最後の第4Q。立大は果敢に攻撃を仕掛ける。前線の選手が猛然とプレスをかけ、ボールを奪ってゴールを狙う。篠崎が中盤でパスをひっかけ、ドリブルで一気にシューティングサークルへ。今試合最大のチャンスも相手ディフェンスに囲まれ、ゴールを割ることができない。その後も斎藤や小野などが積極的に仕掛け、敵陣へ侵入。残り時間が5分を切ると、小林が前線に留まるなど最終ラインの人数を減らし、パワープレイに出る。

相手のボールを狙う小林

しかし守備陣に人数を増やした相手に阻まれ、1点が遠い。そんな中59分に相手にカウンターをで失点し、万事休す。4年生の引退を告げるホーンが鳴った。最後までゴールだけを狙い続けたが、得点は生まれず、一部昇格の夢は断たれた。

敗戦し、うなだれる選手たち

「1点の重みを感じる試合だった」。篠崎はこう試合を振り返る。前半から昇格がかかる一戦へのプレッシャーにらしさや勢いを出せなかった。日体大の激しいプレスにも苦しめられ、一部との差を感じさせられる試合だった。

歴史的な100周年を迎えた今季。春はプールで17得点と自慢の攻撃陣が躍動し、圧倒的な成績で駆け抜ける。勢いそのままに準決勝に進んだが、残り1分で足元をすくわれた。同点に追いつかれ、SO戦で敗戦。入替戦出場を目前にして涙をのんだ。3位決定戦には完勝し、春は3位に終わった。

秋はPCからの得点率が向上。エース・篠崎も完全復活し、安定した戦いを見せた。それでも準決勝はSO戦で決められれば終わりにまで追い込まれ、決勝でも1Qで2点の先制を許すなど崖っぷちの試合を経験。しかしそんな逆風をものともせず、4年生の小林、佐藤(社4)、篠崎、澤井MG(文4)、高橋MG(文4)を中心に団結し、ここ一番の集中力で5季ぶりの優勝を勝ち取った。

最後のミーティング、目に涙を浮かべ話をする主将・小林

今季は数多くの下級生が台頭した。最終戦は1年生ながら荒川(社1)が、2年生では長井(済2)、居原田(法2)が出場。この1年で本間(済2)、粟国輝(営2)は多くの出場機会をつかみ、4ゴールずつを記録した。横内はリーグ決勝と入替戦でファインセーブ連発。出場した選手以外にもベンチで、応援席で、負けたら終わりのトーナメントや入替戦の難しさを学び、その中で結果を残してきた4年生の背中を見てきたことだろう。初心者が多いながらも、一部へ挑戦を続ける立大ホッケー部。その強さの礎や伝統は受け継がれていく。頼もしい下級生に創部101年目のバトンを託し、小林世代はスティックを置いた。

(12月10日・山岡雄一郎)

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