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立教スポーツ236号

4月1日更新

【スケート部スピード部門】大学ラストイヤーで打ち立てた金字塔!松山が最高峰・全日本選手権において自身初メダル獲得!「着実に自分の成長を実感できている」

全日本1000㍍で松山(社4)が自身初のメダル獲得! 学生最後の出場となる今年、表彰台へジャンプアップを遂げた。立大スケート部女子内でも前人未踏の快挙だ。実力発揮の鍵は変わらぬ真面目さと学術的な視点からのアプローチだった。

【スケート部スピード部門】全日本で初のメダルを掲げ、笑顔の松山【提供・スケート部スピード部門】

氷上の快進撃

雛子伝説に新たな1ページが刻まれた。7度目の全日本で初のメダル。「今の実力をしっかり出し切った」。 松山の表情は晴れやかだ。1000㍍決勝。猛者たる腕前を見せつける。リンク上の空気が張り詰める中、松山は落ち着いていた。スタート直後トップに出る。2周目後半から最後尾に回るが焦りは無い。隙を見極め、1人追い抜いた。前に出るタイミングを狙い、先行選手の背中を追う。ラスト1周、松山がインコースから勝負を仕掛けた。競争相手と激しく接触。バランスが崩れコースアウトするも、瞬時に体勢を立て直し3位に躍り出た。声援の中、残る80㍍を疾走。最後の足先まで神経を集中させて順位をそのままにゴールした。2桁台の順位にとどまる年が続いた。前回の同種目は21位。今回、圧倒的に順位を伸ばして3位に輝いた。しかし特別な事は何もない。彼女を結果に導いたのは日々の堅実な努力だ。一つ一つの練習の意図を明確化し、着実にこなす。変化する自分の体に合わせて、トレーニングとメンテナンスを工夫した。 「伸びしろの部分が見えてきた」。 狙うは頂点。すでに彼女の
意識は次の試合、さらに未来へ向いている。

終わりなき探究

丹精込めて磨いた技術が、全日本の舞台で光った。実力発揮と切っても切れない関係にあるのが「食」だった。 研究心に火が付いたのは大学1年の時。管理栄養士考案メニューを毎食取り入れて練習する機会があった。「持久力や集中力がまるで違う」。 パフォーマンスの向上を痛感。競技の技術を磨く上での、スポーツ栄養学の重要性を悟った。膨大な文献に当たり、専門家の元を訪れる。底なしの探究心で、知識の吸収と実践の日々を送った。彼女が出会った学生アスリートの多くが食事法について無知だった。ある人はメディアの不確かな情報を信じ込み、ある人は過度な減量思考に陥っている。「パフォーマンス低下の原因が食事にあることを伝えたい」。 スポーツ栄養の普及活動を決意。今ではアスリートフードマイスターの資格を生かして講演会などで知識の還元にまい進している。彼女の講演は好評を博し、次の依頼が絶
えない。スポーツ界に知識の輪を広げていく。春から社会人になる松山。スポーツ栄養学のさらなる浸透とパーソナライズを促進するためのツールとしてITに目を付けた。「IT×スポーツ×食」という新たなビジョン。今後もアスリートとしてアスリートを支える彼女の活躍に、期待が膨らむ。(菅野真理香)

【陸上競技部】立大の星・中山が学連4区として熱望した夢舞台への出場果たす!事業開始後初&12年ぶりの箱根駅伝で、悔しさをバネに「チームを強くしたい」

大型ルーキーの登場だ!2024年の箱根駅伝を目指す男子駅伝チーム。事業開始後、中山(コ1)が関東学生連合4区として初めて箱根路を走りぬいた。
予選会から練習を重ねて大きく成長。期待が集まる中、ついに目標としていた箱根への切符をつかんだ。しかし走り終えて得たものは箱根駅伝の難しさ。そして次に向けた新たな目標だった。

陸上競技部】苦しい表情で起伏の激しい中盤を懸命に駆け抜ける中山(コ1)。立大生の出場は中村嘉孝(09年度卒)以来12年ぶり。【提供・関東学生陸上競技連盟】

無念の初舞台

タスキを渡した直後、力が抜け地面に倒れこんだ。「多くの人に支えてもらったのに申し訳ない」。ふがいなさを感じ、中山は下を向いた。タイムは区間18位相当。目標の5位以内とは大きくかけ離れた結果だった。
事前に監督と決めていたレースプランは、前半でリズムを作り後半で押し切ること。同時にスタートしたオニエゴが前に出るも、自分のペースを刻み後からの追い上げを目指した。
だが、思い描いた走りを見せることはできなかった。異変を感じたのは2㌔地点過ぎ。体が動いていないことに気付いた。「思っていたよりタイムが出ていなかった」と、序盤からペースを乱したことで焦り始める。仲間から声援を受けた給水地点でも、「しんどくて会話する余裕が無かった」。想定外の苦しさでさらに走りは崩れていく。本来の持ち味の「粘り強さ」を見せられず、初めての箱根は終わってしまった。
上野監督は「走りを見る限りまだまだ薄い。全体的に練習量や経験が足りていなかった」と課題を指摘。中山も「同学年の石原(東海大)選手は、きつくなってからもギアを切り替えて押し込めている。他の選手との気持ちの強さの差を感じた」と反省点を挙げた。

確かな成長

入学以来、コロナ禍の厳しい状況でも練習を積み着実に実力をつけた。昨年は5000㍍で自己ベスト更新。ハーフマラソンと10000㍍では立大記録を塗り替えた。
成長の裏には恵まれた立大での生活があった。上野監督や個性のある先輩、同期に囲まれ、陸上の楽しさを再認識したこの1年。普段から目的に合わせたメニューを自ら考え、積極的に自主練習に打ち込んだ。また、勝負強さを身に着けるため、監督や自分より速い選手との練習にも率先して挑戦。「ただ走るだけではなく、結果を残すことでチームの箱根駅伝出場につながる」。憧れの場所でチームのために良い走りをしたいという思いで陸上に向き合った。
だからこそ、今回の結果には悔いが残る。「活躍していた選手との違いを感じ、努力していかなければいけない」。目標としていた大舞台で実力を出し切れなかったことが、今後の成長を誓わせた。
チームの中でひと足先に箱根のレベルの高さを経験したからこそ、次の出場に向け気を引き締める。「来年走るにはチームで出るしかない。自分が中心となってチームを強くしたい」。そう語る彼の目には、強い決意が表れていた。            (三俣心葉)

【女子ラクロス部】延長戦粘り勝ち、王座を守り抜く!金谷の逆転打で好敵・明大下し、関東学生優勝

再び関東の頂点に190人の笑顔が輝いた! コロナ禍の中行われた特別大会。会場の静けさとは対照的に、選手たちは熱く燃えていた。決勝戦は最後まで目が離せない激戦に。快進撃を続ける彼女たちを支えたのは、主将・折笠(現4)が作り上げた組織力だった。

【女子ラクロス部】勝利に沸く選手たち

激闘の末に

全国覇者であっても決して余裕ではなかった。好敵・明大との決勝戦。信頼を寄せるエース・櫻井(現4)は怪我で控えに。チームは万全ではない状態で試合に臨んだ。
試合前半を4ー0と大差で折り返す。しかし、最終クオーター残り2分には、4―5と後がない状況に追い込まれた。エースが不在だからこそ、全員が最後まで諦めない意識が功を奏した。大川が相手の反則を誘い、流れを変える。主将・折笠が同点弾を決め、窮地を逃れた。
そして始まった未到のサドンデス。丁寧にパスを回し、1度も相手に主導権を渡さなかった。激戦に終止符を打ったのは、今季初めてスタメン入りを果たした金谷(理4)。 ゴール前に切り込み鋭いシュートを決める。6―5で試合を制した。
「この状況を楽しめば良くない?」。 誰も経験したことがない場面でも、紫の戦士たちは笑っていた。これが真のULITMATESらしさであり、折笠が目指した組織の形。手に汗握る展開でも楽しむことを忘れない。折笠は「焦っていたが仲間を見て安心した」と熱戦を振り返る。再び頂に、190人の笑顔が咲いた。

女子ラクロス部】切り込む金谷(理4)

190人の力

チームの目標は「ずっと強い立教」。 彼女らを優勝へと導いたのは、勝利だけに執着しない姿勢。折笠は「強いの定義は優勝し続けることではない」と思いを明かす。根底には「社会で活躍する女性を輩出する」という考えがある。
理念を体現するために折笠が重視したことは、先例に囚われない多様性の尊重。仲間の持ち味を大切にするために、主将としてチームに貢献できることを模索した。コロナ禍で練習ができないことを逆手に取り、関わりが少ない選手とも交流を図った。
主将自ら行動する姿勢が仲間に伝わる。それぞれが活躍できる場を探す努力を続けた。決勝戦ではトレーナーが精神安定剤となり選手を鼓舞。試合外では、認知度向上のためにオリジナルロゴ付きのベンチコートを作成した。全員が輝ける場でベストを尽くす。卒業後を見据え、伸ばした自主性が勝利を引き寄せた。
折笠が作り上げたチームを引き継ぐのは、渋谷(文3)だ。「現状に満足せず挑戦を続ける」と意気込む。王者となってもなお、歩みを止めることを知らない。ULITMATESの新章が幕を開ける。 (本間早瑛)

【女子ラクロス部】賞状を手に笑顔の大川(異4)

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