【拳法部】“新たな伝説”の幕開け!?強心臓ガール・高橋歩実がデビュー!

◆第12回東日本大学女子選手権◆
10月7日 日本大学文理学部 百周年記念館

試合後、主将・新井に迎え入れられる高橋

10月7日、日本大学文理学部百周年記念館にて、第12回東日本大学女子選手権が開催された。1年生の高橋歩実(現1)はこの日が公式戦初出場。団体戦形式のこの大会には、高橋以外にも新井(現4)、黒須(観2)が出場する予定だったが、故障などにより、高橋1人での出場となった。試合では格上相手に奮闘したものの、敗北。デビュー戦を白星で飾ることはできなかった。

いよいよだ―。入学以来憧れ続けたステージにようやく立つことができる。頼れる先輩たちは隣にはいない。不安でないわけがなかったが、「(同時に)ワクワクもしていた」。試合が近づくにつれて、高揚感が高まっていく。対戦相手は青学大Aの大将。本来であれば大将に1年生が入るということはめったにないが、欠場者2人分は不戦敗扱いとなり、自動的に高橋が大将となる。当然、相手は格上だった。でもだからこそ、「吹っ切ることができた」。

拳法歴半年の新人女拳士が、相手大将相手に大奮闘した。足を使って、自分から攻撃を仕掛ける。序盤は拮抗した試合を展開した。しかし、「最初はうまくいったんですけど、途中からビビって引いてしまった」。徐々に試合は相手ペースに。残り32秒で胴蹴り一本を取られると、続けて14秒に胴突き。一気に2本を取られ、試合が終了した。

「いい試合だったよ」。試合後、最初に高橋を向かい入れたのは松葉杖姿の新井だった。大会2週間前、新井は練習中にバランスを崩し、足を骨折。大会当日はまだギプスもとれていない状態だった。高橋1人での出場となったことに対して、責任感の強い主将が何も感じないわけがない。「私としては高橋が1人でそういう舞台に立つことがすごく、精神的にも心配だった」。だからこそ、試合中は誰よりも大きな声を出して後輩の背中を押した。「新井先輩は一緒には戦わなかったですけど、ずっと声援も聞こえていてすごく心の支えになりました」(高橋)。普段は立大の顔として、プレー面でチームを牽引するイメージの強い新井。だが、試合に出場できず裏方に回ってもなお、主将の存在感は圧倒的だ。

「今日もいい朝だな」。公式戦デビュー日でも、高橋が迎えたのはいつも通りの朝だった。そんな“強心臓ガール“は中高6年間ソフトボール一筋。大学入学後に拳法部に惹かれたのは「先輩たちが本当にカッコよくて、この人たちと練習したいと思ったから」。新井を含む4年生の引退まで、残り2ヶ月を切った。「先輩の意思を引き継ぐ思いでやれたら」。今現在、立大エースの新井は全国でも屈指の強者である。もはや”伝説“と言っても過言ではない。その意思を、継ぐ。この日、”新たな伝説“の幕が上がった。(10月10日・合田拓斗)

 

◆コメント◆
主将・新井(現4)
「(高橋に対して)やっぱりいい試合だったよ、ということを声をかけて。まず私としては高橋が1人でそういう場に立つことがすごく精神ともに心配ではあったので。大変な状況の中でああいういい姿勢で、いろんな技も出して戦えたことに選手としてすごいなと。いい試合だったなと思いますね」

高橋(現1)
「今までは憧れのステージで戦う先輩たちをひたすら観客として観てるみたいな、憧れの場所だったんですけど、そこに自分が足を踏み入れるということになって、自分もいよいよその立場になったんだなっていうような、ちょっとワクワクするような気分でした」

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