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【野球部】明日に繋いだ!終盤に同点に追いつき、引き分けに持ち込む〈春季リーグ戦 慶大2回戦〉

≪慶大戦の展望はこちらから≫

◆2022年度東京六大学野球春季リーグ戦◆

4月24日 対慶大 明治神宮球場

打者成績

位置選手名・学年・出身校打数安打打点四死球本塁打
[8]道原(法4=駒大苫小牧)
[7]宮﨑(コ4=大阪桐蔭)
[9]吉岡(コ4=広陵)
R諸藤(コ4=東農大第二)
菅谷(コ2=市立船橋)
[4]山田(コ4=大阪桐蔭)
R森村(法4=國學院久我山)
[3]柴田颯(社4=札幌一)
齋藤大(コ2=東北)
[2]黒岩(法4=静岡)
[5]西川晋(コ3=智辯和歌山)
宮(営4=國學院栃木)
荘司(社4=新潟明訓)
[6]井上剛(コ4=佐久長聖)
[1]島田(コ4=龍谷大平安)
沖(法2=磐城)
H佐藤(法4=福岡大大濠)
H田中(コ2=仙台育英)
吉野(コ1=仙台育英)
柴田恭(コ2=東明館)

投手成績

選手名・学年・出身校投球回球数被安打奪三振与四死球自責点
島田(コ4=龍谷大平安)3 1/364
沖(法2=磐城)2 2/341
吉野(コ1=仙台育英)15
宮(営4=國學院栃木)32
荘司(社4=新潟明訓)12

1回戦で王者・慶大に惜しくも敗れたRIKKIOナイン。5年ぶりの優勝を目指す立大にとっては負けが許されない試合となった。序盤は慶大打線に流れを掴まれ、リードされる苦しい展開となる。しかし2番手・沖(法2=磐城)が一人も走者を許さない完璧な投球で流れを引き寄せる。6回裏に吉岡(コ4=広陵)の三塁打でチャンスを作ると、主将・山田(コ4=大阪桐蔭)の犠飛で1点差につめ、田中祥(コ2=仙台育英)の押し出し四球で同点に追いつく。終盤に打線はチャンスを作るもあと一本を出せず引き分けに終わり、勝敗は明日以降に持ち越しとなった。

雨が降り始める中、先発を任されたのは島田(コ4=龍谷大平安)。初回、先頭打者を141㌔の真っ直ぐを外角低めに決めて三振に切るなど三者凡退に抑え、上々の立ち上がりを見せる。雨が強くなり始めた2回、6番・栗林(3年=桐蔭学園)に本塁打を打たれ、先制を許す。しかしここで終わらないのが今年の立大打線。裏の攻撃、主将・山田が140㌔の真っ直ぐを右に弾き返し先頭で出塁する。さらに黒岩(法4=静岡)と西川(コ3=智辯和歌山)の連打で1死満塁のチャンスを作ると打席に回ってきたのは8番・井上剛(コ4=佐久長聖)。2球目を振り抜くと犠飛には十分の打球を放ち、すぐさま同点に追いつく。しかし波に乗りきれなかった島田は慶大打線に捕まり、4回途中で降板。一死一、二塁のピンチに沖(法2=磐城)が登板する。「思い切って投げてくれ。」正捕手・黒岩の言葉を信じて投げた。129㌔のスライダーを外角低めに振らせ三球三振に抑え得点を与えない。昨日の試合で逆転本塁打を打たれた廣瀬(3年=慶応)には徹底的に内角を攻め、最後は138㌔のツーシームを内角に食い込ませて三振。この日の沖は真っ直ぐと横のスライダーを軸に一人の走者を許さないパーフェクト投球で昨年の王者を封じ込んだ。

同点に追いつき、ガッツポーズを見せる田中祥

流れを呼び寄せる沖の気迫のこもった投球に打線が応える。2点ビハインドの6回、快音を響かせた先頭・吉岡(コ4=広陵)の打球は右中間を破る三塁打を放ち、チャンスを作る。スタンドから大きな拍手とともに4番・山田が打席に立つ。2ボールからの3球目をきっちりと外野に飛ばし、犠飛で点差を1点に縮める。さらに打撃好調の黒岩がしぶとく二遊間を破る安打、四球などで二死満塁のチャンスで代打の代打・田中祥(コ2=仙台育英)が8球目を見極め、押し出しの四球で同点に追いついた。

三振に抑え、喜びを爆発させる吉野

7回には、この試合が神宮初登板となるルーキー・吉野(コ1=仙台育英)がマウンドに上がる。「自分の球を投げることができたら怖くない」同点の緊迫した場面でも陸の王者に物怖じしなかった。ピンチの場面では鋭く曲がるスライダーでカウントを取り、140㌔台後半の真っ直ぐで押し切る投球で投げきった。8回には守護神・宮がマウンドに上がる。序盤はなかなか制球が定まらず、連続で四球を与えてしまう。しかし主将・山田から「1つでもいいから決めて思いっきりやっていこう」と声を掛けられ気持ちを切り替えた。「持ち味は真っ直ぐで思いっきりなげること」と自分に言い聞かせ、140㌔台の真っ直ぐを軸に圧巻の三者連続三振。9回には慶大1回戦の先発で好投を見せた荘司(社4=新潟明訓)が登板し、三者凡退に打ち取る。継投リレーで慶大打線を4回以降、ゼロに並べた。

グータッチを交わす荘司(写真左)と山田(写真右)

エース池田を欠くなか継投リレーで慶大打線を最小失点に封じ込めたのは大きな収穫である。終盤の粘り強さを引き寄せたのは下級生の沖と吉野の気迫のこもった投球。今年は4年生主体のチームと言われるなかでも若手の力がリーグ優勝には欠かせない。明日からも絶対に負けられない戦いが続く。立大野球部の強みである繋ぐ野球で王者に襲いかかる。

(4月24日・松尾悠)

◆コメント◆

無失点で8回のピンチを切り抜けた#21 宮

「(マウンドに立った時)同点だったのでこのまま絶対ゼロに抑えて攻撃に繋げるようなピッチングをしようと思いました。(三振を連続で取れたことに関して)制球力に苦しんでフォアボールを出してしまったのですが、(山田)健太や(井上)剛が「良い顔してやろう」と言ってくれて、考えすぎずに思い切り自分の球を投げようと頭をシフトできました。(昨日からの切り替えは)勝ち点制に戻ったことで、今日勝てれば昨日の負けをチャラにできて3戦目に繋げられると、良い形で試合に臨むことができたと思います。」

神宮デビューを果たした#35 吉野

「(今日の感想)初登板で緊張したんですけど、自分のやってきたことを信じるだけだと思って、あと黒岩さんのリードを信じてミットに投げ込もうと思った結果が良い結果に繋がったと思います。(神宮初マウンドの感想は)球場のマウンドに一気に(集中が)集まっていて緊張したんですけど、これからの成長につながるいい経験だったと思います。」

ピンチで登板し、無失点に抑えた#11 沖

「(どういう投球を心がけたか)流れを変えるっていう意味ではいい雰囲気を持ってこようと思いました。自分のベストボールをキャッチャーの要求通りに投げるっていうのだけを意識して腕を振りました。(打者によってタイミングをずらしていたことについて)自分の球にとても自信があるわけじゃないので、いつもバッターのタイミングをずらしたりとかバッターを崩すっていう細かい部分に意識を置いています。」

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