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【ボート部】祝!立大ボート部史上初、女子エイトがついに日本一に輝いた! メンバーそれぞれの、奇跡への軌跡②~岩崎かえで・三嶋怜奈・佐藤理奈穂~

◆第97回全日本選手権大会◆

5月23日~26日 埼玉・戸田ボートコース

武器は元気と声!クル―の太陽・岩崎かえで(法2)の奇跡への軌跡

大会2日目、試合前に岩崎(写真左)は佐藤理と握手し、「パワー」を分け合った

練習中も試合中も、いつだって岩崎は声を出し続ける。明るい笑顔とボリューム大の関西弁は、船の灯となった。「本当にうるさい(笑)でも岩崎が雰囲気を作ってくれていて、ムードメーカーです」と1学年上の櫻井(コ3)も太鼓判を押す。岩崎が声を出し続けるのには、明確な理由があった。
今大会のクル―が発表された時、自らの役割を模索した。「何か突出したものがないと乗っている意味がない」。先輩クルーと比べ技術面で劣る自分の武器は何か。考えた末に、元気と声で存在感を発揮すると決めた。お笑いをこよなく愛する彼女は、元来人を笑顔にする天才だ。ボート部が主催するイベントでは、同期男子の森田(現2)と「TT兄弟」を披露したこともある(「客の心は掴めた」と本人談)。タイムが上がらない時も、疲れて他メンバーが声を出せなくなった時も、岩崎は自らの役割をまっとうし続けた。
女子部主将の角谷(コ4)は、岩崎のことを一番弟子と呼んでいる(岩崎は角谷のことを師匠と呼んでいる)。4年生と挑む大会は、残すところ9月のインカレのみ。クルーの太陽には、大きな目標があった。「角谷さんに追いついて、もう一度同じ舞台に立ちたい」。憧れの先輩の背中は遠く、そこまでの道のりは険しい。だが、這い上がることでしか夢に手は届かない。岩崎にとって、勝負の夏が始まる。

大舞台でついに喋った!静かな炎・三嶋怜奈(社2)の奇跡への軌跡

レース後、仲間を思い切り抱きしめる三嶋(写真左)

「いける!」
普段は寡黙で、常に明るい岩崎とは対称的な三嶋がチームの勝利のために決勝戦では声を張り上げた。「三嶋がすごい喋ってる!」。クル―はこの事態には少しばかり驚いた。同時に、勝利に対する自信を手に入れた。普段あまり口を開かない三嶋が「いける」と言うなら、いけるに違いなかった。スタート時3位からの逆転劇は、三嶋の声掛けがもたらしたのかもしれない。
「練習は集中しちゃってあまり声を出せない」。申し訳なさげにそう語る彼女だが、この練習中の沈黙が、レースで思いもよらぬ効果を発揮する。普段あまり聞くことのない声に、クル―の耳が強く反応した。元気印の岩崎も「三嶋の一言が皆に結構響いていた」と振り返る。厳しいレース展開の中で三嶋が発した言葉は、暗闇に突如現れた光明のようなものだった。
昨年のインカレには舵手なしペアで出場したものの、順位はつかず。悔しさから、三嶋は涙をこらえることができなかった。普段は大人しい彼女だが、内には人一倍熱いものを持っている。今大会の声掛けは、勝利に対する執念が形となった結果なのではないだろうか。「(ゴール直後には)マジで叫んだ」。炎は内に秘めるタイプも、この日ばかりは感情を爆発させた。

大会後はニューヨークへ!?やる気溢れるパワフルガール・佐藤理奈穂(観2)の奇跡への軌跡

入学前からお世話になっているマネジャーチーフ・藤浪に思いきり抱き締められる佐藤理

「立教に来てくれてありがとう!」。歓喜の涙に包まれたレース後の会場で、佐藤理はマネジャーチーフの藤浪(観4)に思いきり抱き締められた。藤浪には、高校2年時の大会会場で出会った時からお世話になっている。日本一になった実感はなかなか沸いてこなかったが、支えてくれた人たちの涙や笑顔は、佐藤理の心を幸色に染めた。「(藤浪からの声掛けは)すごい響いた。良かったなって」。
唯一中学校からボートを始め、幾度ものレースを経験してきた佐藤理。高校3年時には、今もチームメイトである五十嵐の(現2)とダブルスカルでインハイ優勝を果たしている。華麗な経歴を持つ彼女だが、大学入学後は壁を感じていた。「大学に入ってから全然勝てていなくて」。これまで経験してこなかった敗戦の味。過信していたわけではないが、そこは高校とは別世界だった。
だが、旺盛な向上心で前進し続けた。角谷は佐藤理のことを、“やる気溢れるパワフルガール”と称する。今大会でも、部内で最も速いメンバーを集めたトップクルー・女子エイトでの出場にこだわった。「絶対トップクルーに乗りたい」。ボートに対する熱い気持ちは、壁を打破するための動力源となった。
夢物語を現実のものにした。大会前、NYに行きたいということを親に話してみると「全日本で優勝したらお金出すよ」との返答。優勝は現実味がなく、佐藤理はそれを冗談だと思っていた。だがレースが終わり、父親と握手を交わすと「ニューヨーク全額負担します」。娘はこの約束をすっかり忘れていたが、父親の方はしっかりと覚えていてた。自らの手で掴み取ったニューヨーク観光。有意義な旅になることは間違いない。
(取材・合田拓斗、洞内美帆/文・合田拓斗)

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