
【野球部】優勝に向けた大一番!今季無敗の明大から勝ち点奪取なるか〈春季リーグ戦 明大戦展望〉
春秋連覇の強敵・早大相手に3年ぶりの勝ち点を獲得した立大ナイン。3回戦では両校計36安打の打撃戦を、逆転サヨナラ本塁打という劇的な結末で勝ち点をつかみ取った。次なる相手は今季ここまで負けなしと勢いに乗る明大。8年ぶりの優勝に向けて負けられない戦いが続く。
堅固な投手陣を打ち崩せるか
今季の明大はチーム防御率2.25を記録し、昨秋チーム防御率1位を記録した盤石な投手陣は健在だ。そして、先発の柱を担うのは毛利(4年=福岡大大濠)。ここまで先発マウンドに3試合あがり、防御率は0点台を記録している。毛利の武器となるのが、最速150キロのストレートだ。そのほかにもツーシーム、カーブ、スライダーといったキレのある多彩な変化球で打者を翻弄し三振の山を築く。また、二回戦での先発マウンドに立つと予想される高須(4年=静岡)にも注目だ。昨春に最優秀防御率を記録した右腕は、その長身から繰り出される最速153キロの直球を武器に、通算成績ではイニング数を上回る奪三振を記録している。その高い奪三振率はタテジマ打線の脅威となりうるだろう。その他にも、ここまでロングリリーフでの登板が続いている三浦(3年=東邦)、大川(4年=常総学院)など経験豊富な中継ぎ投手が続き、相手打線に隙を与えない。

力投する毛利
昨秋は打率.213に落ち込んだタテジマ打線であったが、今季はここまで.278と好調ぶりがうかがえる。明大投手陣を打ち砕くべく期待がかかるのは、現在リーグ2位の打率.462を記録する丸山(コ3=大阪桐蔭)。開幕は7番サードで迎えるもその後は打撃面でアピールを続け、立大打線の核となった。なかでも早大3回戦で見せた、涙の逆転サヨナラ本塁打は多くの立大ファンを感動の渦に巻き込み、今後も勝負強いバッティングに大きな期待がかかる。また、不動の一番打者として好成績を残し続ける山形(コ4=興南)にも注目だ。丸山に続いてリーグ3位の打率.459を記録し、3本塁打11打点はともにリーグ1位の成績だ。これまで慶大OB・高橋由伸、早大OB・鳥谷敬などが達成してきたリーグ三冠王に今季最も近い存在であり、六大学野球100年の歴史に名を刻むことが出来るか。そして法大1回戦で意地のヘッドスライディングでサヨナラタイムリーを勝ち取った野村(法4=立教池袋)からも目が離せない。今季は主に代打での出場が続いているも、ここぞのバッティング光る代打の切り札として躍進を遂げている。

今季絶好調の山形
猛猪打線を封じ込められるか
投手陣の好成績が目立っているが、打撃面でも警戒が必要となってくる。猛猪打線はこれまで5試合で.297の高打率を残しており、なかでもその長打力がひときわ目を引く。チーム長打率は.481とリーグ一位を記録している。そんな打線を支えるのが、田上(2年=広陵)と主将・木本(4年=桐蔭学園)だ。田上は走攻守三拍子そろった外野手として全試合で2番左翼としてスタメン出場。またバッティングコントロールに優れており、広角に打ち分ける能力は立大投手陣にとってかなりの脅威となるであろう。また、昨年まで宗山塁(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)が務めた主将の座を継いだ木本の持ち味は、長打力である。昨秋に4本塁打を記録するなど、打てるセカンドとしてプロからも注目を集める選手だ。今季はチームの「4冠」と自身の「三冠王」を目標にかかげ、明大打線を牽引する。さらに、正捕手を務める小島(4年=東海大相模)にも注目だ。通算62安打を放つアベレージヒッターは、高校通算28発を放ったパワーヒッターでもあり、小島の前に走者を出さないことが勝負のカギとなるだろう。
強打の明大を抑えるべく期待がかかるのはやはり、小畠(営4=智辯学園)と田中(文2=仙台育英)であろう。不動のエースとしてマウンドに立つ小畠であったが、前回登板の早大3回戦では4回途中6失点と本来のピッチングとは程遠かった。しかしそれまでは防御率1点台のピッチングを見せており、持ち味の打たせて取る投球で復活を遂げてほしいところだ。そして、2回戦の先発マウンドには田中があがると予想される。今季はイニング数を上回る奪三振を記録しており、法大2回戦では6回を投げて被安打1、9奪三振、無失点と完璧なピッチングを披露した。リリーフ陣も吉野(コ4=仙台育英)や竹中(コ4=大阪桐蔭)、大越(済4=東筑)など多くの窮地を乗り越えてきた投手たちが控え、強力明大打線に立ち向かう。

今季好投を見せる小畠
これまで今季全勝の首位・明大との紫合戦。波に乗っている立教健児たちは「飛躍」を見せ、7年ぶりの神宮の頂を目指しいざ勝ち点奪取だ。
(5月9日・東直虎)