立教スポーツ260号
2025年12月4日更新
【洋弓部男子】若き俊英の輝かしい一歩 矢先に宿した情熱 浦田 インカレ 銀 「自信をもって打つことができた」
大学日本一を決める全日本学生アーチェリー個人選手権が開幕。立大の新星エースが準優勝を果たした!1年生ながら国際大会の経験が豊富な浦田。予選を3位で突破し、ファイナルラウンドへ駒を進める。本戦でも力を示し1回戦を突破。2回戦でリズムを崩しスコアを落とすこともあったが、気持ちを切り替え一気に勝ち進んだ。決勝では、パリ五輪出場経験もある選手と対戦。緊迫した試合展開の末に惜しくも敗退したが、大舞台で真価を発揮した。立大を支える絶対的主力として、今後の飛躍に目が離せない!
夢の熱戦
個人戦で大学生の日本一を争うインカレターゲット。浦田は緊張感が張り詰める中でも常に気持ちを安定させ、快進撃につなげた。8位以内での通過を目指した予選ラウンドは3位。順調に決勝ラウンドに駒を進め、一戦一戦を楽しむことを目標に臨む。途中の対戦では狙いが大きくずれ、低い得点の的に当たるミスが出てしまった。それでも笑顔で切り替え、危なげなく勝ち進む。決勝進出を決め、あふれ出す喜び。「今、この場で自分たちだけが打てる」。他の選手の注目を浴びながら挑む頂上決戦に胸を躍らせた。数時間後の大一番へ向け、良い状態の自分自身をイメージする。迎えた決勝では過去にアジアカップを共に戦った斉藤と対戦。敵陣の大応援が場を圧倒する中、目の前の一射に集中し高得点を取り続けた。しかし相手はパリ五輪日本代表。絶対に外せない場面で10点に的中させ、上回っていく。世界の壁に阻まれた浦田は奮闘及ばず敗戦。勝負所で一本の正確性を発揮する力の差を痛感した。「自分でも戦っていける」。準優勝に悔いが残るも、1年生ながら栄冠に迫り手応えをつかんだ。今年の経験を踏まえ、次こそ全国の頂点へと駆け上がる。
躍進の足跡
家のポストに届いた案内がきっかけで小学6年生の時に地元のクラブで始めたアーチェリー。元々運動が好きではなかった浦田にとって、動きの少ない競技性が魅力的だった。矢を遠くに飛ばす爽快感を味わい、的の中心に当たるようになると次第にのめり込む。努力が実を結び、高校3年生で結果が出始めた。腕前のある選手がそろう試合でも目標を達成させ充実感を覚える。しかし今春の日本代表選考会では、2点差でワールドカップへの派遣を逃した。現状の実力を突きつけられ、競技生活最大の悔しさを味わう。それでもアジアカップの代表選出を活力に精進の姿勢を貫いた。「頑張れば頑張るだけ上手くなれる」。自らに刻んだ信念を忘れなかった。立大入学後は1人での練習が増え、静かな空間で自分自身と向き合う。射に磨きをかけながら感覚を研ぎ澄ませる日々。緊迫感が漂う試合でも勝ち切る姿を思い浮かべ、工夫して取り組む。環境が変化しても熱い闘志を胸に強化を重ね、大きな飛躍につなげた。常に競技を楽しむ気持ちを大切にし、勝利への一射を模索する浦田。来年はワールドカップ出場を目標に掲げ、世界で活躍するための一歩を踏み出す。(渡邊和俊)
【女子バスケットボール部】結束が引き寄せた金星 苦難を超えて舞い戻った 関東1部 昇格 「立教らしく楽しんで戦えた」
2部Aブロックで優勝を果たし、1部に返り咲いた立大。昨年経験した降格の悔しさをバネに、江戸紫の精鋭たちが快進撃を見せる。留学生がいない中でも、ゴール下を制し他チームを圧倒した。全勝優勝の目標は叶わなかったが、入れ替え戦では強豪・専大を撃破。相手の武器である3Pを抑え勝利を手にする。1年ぶりに1部への昇格を決めた。
念願の景色
全戦全勝を目指して挑んだリーグ戦。負けられない戦いが始まった。全14試合で構成される今大会。松蔭大の2戦目は惜敗したものの13勝1敗と圧倒的な力を見せる。2部王者として入れ替え戦へ駒を進めた。迎えるのは個人技が光る専大。昇格を目前にしてチームは緊張感に包まれた。第1Q、攻撃を仕掛けるも堅いディフェンスに阻まれる。圧倒される中、交代で出場した岩見(現3)が相手を抜き去り、得点を重ねた。第2Q終盤は、先発出場の上級生が再度コートに立つ。主将・田平の3Pを皮切りに流れは一気に立大へ。苦しい展開でも声を出し続け、1点リードで後半戦へ突入した。「勝ちたい気持ちを切らさず楽しもう」。主将の言葉がチームを鼓舞した。第3Qまで拮抗(きっこう)した試合展開が続いたが、最終Qは粘り強いリバウンドで相手の攻撃を抑えていく。攻撃面では前田が3Pを沈め、次々と得点。全員の気持ちが一つとなり、一気に15点とリードを広げた。試合終了を告げるブザーが鳴り響く。選手からあふれ出した嬉しさと安堵。悔しい気持ちを胸に歩んだ一年間の努力が実った瞬間だった。
歩んだ道のり
全員バスケで1部昇格を遂げた立大。勝利の裏には大会に向けて積み重ねた日々の鍛錬があった。課題にあがったのは、相手にかけるプレッシャーの弱さ。昨年度1部で戦った際に、レベルの差を体感した。チーム力を向上させるため、試合形式の練習を導入。相手の動きを想定し、どのように対応するかを模索する。本番さながらの緊張感でプレーの強度を高めた。スローガンに「UP TO YOU」を掲げ全員が主体性を持ち、目標に向かって努力できる環境を構築。学年を問わず声を掛け合い、練習の雰囲気を作っていく。一人一人の意識が試合の質とチームの結束を強めた。強みである平均身長の高さを生かしたリバウンドの強化にも注力。常に攻めの姿勢で挑めるよう練習を繰り返した。成長を遂げ、本番でも自信のあるプレーを発揮。留学生を擁するチームにも劣らない実力を見せた。「立大らしく楽しんで試合に挑んでほしい」。4年生の思いは来年1部で戦う後輩たちへ託された。関東最高峰の舞台で戦い抜くため、さらなる高みを目指して奮闘し続ける。(谷姫菜香)


