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立教スポーツ239号

9月30日更新

【陸上競技部】道下が日本選手権800㍍・1500㍍でダブル入賞!五輪選手と並んで力走を見せ、立大陸上競技部の新記録達成

日本選手権800㍍・1500㍍ダブル入賞! 関東インカレに続いて、道下(社2)が立大陸上競技部の歴史を塗り替えた。1500㍍では昨年の9位か
ら5位に順位を上げ、学生1位の好成績を収めた。800㍍では自己新記録で5位。初出場ながら存在感を示した。
2度目の出場となる今年は、結果に懸ける思いが違った。ダブル入賞を追い風に次の目標へ。世界、そしてパリ五輪に向けて決意を固めた――。

 

レース後、走りに満足がいった様子で笑顔を浮かべる道下(社2)

レース後、走りに満足がいった様子で笑顔を浮かべる道下(社2)

抜かれた5位、抜いた5位

例年とは違う風がスタジアムに吹き抜けた。東京五輪の代表選考を兼ねる今大会は、1500㍍でパリ五輪出場を目指す道下にとって雰囲気を知る唯一の
機会。今回はパリを見据え、表彰台、学生新記録に照準を合わせる。決勝のスタートを前に、道下は自らを奮い立たせた。
タイムを狙う道下は1周目から積極的に前へ出る。想像を超えるハイペースだったが、中盤には卜部をマークし、3番手は譲らなかった。
しかし残り1周。攻めた走りがあだとなり、スパートをかける力が残っていない。畳み掛けるように卜部がギアを上げる。速い。足が回らない。遠ざかっ
ていく背中。「ああダメだ」。 続けて飯野、井手が前へ。結果は5位。「すごい悔しい」。 目標に及ばず、肩を落とした。
「明日からの800㍍は挑戦者で、いけるところまでいきます」。 そう意気込み、迎えた決勝。ハイペースでレースが進む中、終盤まで後方につけ、残
り150㍍で仕掛けた。スパート争いに競り勝ち、2人を追い抜く。結果は5位。自己記録を更新し、満足の5位となった。
今大会、中距離の2種目で入賞を果たしたのは、卜部と田中の2人のみ。後に東京五輪に出場する選手らと肩を並べ、日本選手権を笑顔で締めくくった。

試合後、卜部(積水化学)と談笑する道下

試合後、卜部(積水化学)と談笑する道下

諦めなかった過去、諦めない未来

日本選手権から約1カ月、東京五輪が開幕した。女子1500㍍では、卜部と田中が日本人女子として初めて出場。道下は自宅で見守った。
卜部は予選で自己新記録を達成。田中は準決勝で日本人女子初、4分を切る3分59秒19を叩き出した。さらに田中は決勝で8位入賞を決めた。
日本人は中距離で戦えないという固定観念。日本記録と世界標準の3分台を隔てる約5秒の分厚い壁。田中がそれらを突き破ってみせた。共に日本選手権を戦った2人の姿が、道下の心に火をつけた。「自分も3分台を出して決勝に残りたい」。 さらに、目標への思いは高まる。「諦めずに挑戦し続けて五輪
に出場し、諦めないで挑戦し続けることを伝えていきたい」。
こう語る背景には、挑戦を諦めない競技人生がある。大学まで、全国的に有名な選手ではなかった。1度だけ出場したインターハイは予選敗退。しかし、
できることを積み重ねて、日本選手権ダブル入賞まで上り詰めた。諦めずに努力したことが結果につながり、自信になった。
卜部と田中を追い、道下は風を切って走る。高い目標と確かな自信を胸に、上昇気流に乗って勢いはさらに加速する。3年後、パリ五輪の台風の目となる
のは道下だ。 (安倍のぞみ)

スタート前にリラックスした様子でRポーズをする道下

スタート前にリラックスした様子でRポーズをする道下

【ホッケー部男子】今世紀初!難敵を次々撃破し掴んだ!関東学生リーグ1部昇格。2部よさらば!新たなスタートラインへ!

逆境を覆して新たな歴史を作った。春季リーグ戦決勝において学習院大を破り2部優勝。予選で1度敗れた強敵との再戦を制した。さらに、過去
5回挑戦し、あと1歩届かなかった入れ替え戦にも勝利。四半世紀ぶりの覇業に、過去最高の盛り上がりを見せた。

2部優勝後、胴上げされる主将・鈴木(現4)【撮影・川崎翔海】

2部優勝後、胴上げされる主将・鈴木(現4)【撮影・川崎翔海】

立ち込める暗雲

「せーの!」の一声が祝砲の合図だった。仲間たちの手によって、新主将・鈴木は4度宙を舞う。接戦を制し、歓喜の輪でイレブンの笑顔がはじけた。
今世紀初の快挙を達成した立大。初戦で大勝するなど、このまま順調に勝ち上がると思われた。しかし、第2戦後に主将が突然の退部。思わぬアクシデン
トが発生し、1部昇格に黄色信号がともった。
守備の要が抜けたことにより部は混乱。ポジションの変更を迫られた。しかし、主将の穴を埋めることができず、チームは万全な状態ではなかった。
第3戦の学習院戦は予想通り苦戦を強いられた。3失点を許し、無得点。相手の運動量に付いていくことができず走り負けてしまった。攻守で課題が露呈
し、25年間超えられなかった1部昇格の壁が今年も高く立ちはだかった。

パスを出す篠崎(文2)

パスを出す篠崎(文2)

広がる蒼天

悲願の栄冠をつかむため軌道修正を図った。まずは立大の武器である強固な守備を磨き直した。声掛けを増やしDF間での連携を強化。一人一人の意識を
高め、全員で守り抜く。攻撃ではスクープと呼ばれるボールを浮かすロングパスや、相手の隙をつく縦パスからの速攻を新たに取り入れた。攻撃パターンを
増やし得点力の強化を目指した。
練習の成果は決勝戦でも遺憾なく発揮された。守備では前回対戦時に浮かんだ課題である相手へのマークを徹底。攻撃陣も前線からのプレッシャーを強め
た。相手のプレーを制限したことで流れを引き寄せる。攻撃では速攻から得点するなど相手ゴールへ積極的に攻め込む。しかし、最後まで決着がつかず、勝
負はSO戦にもつれ込んだ。守護神の好セーブが光り、雪辱を果たした。2部優勝した立大はさらに勢いに乗る。入れ替え戦でも一橋大を圧倒し25年ぶりの
1部昇格を決めた。
激動の3か月を乗り越えて鈴木は確信する。「立大は逆境に強い雑草魂を持ったチーム」。 培った不屈の精神で1部に乗り込む。歴史の扉をこじ開けた
彼らの表情はたくましかった。  (八村慶介)

【自転車競技部】中島がクラス1制覇!ロードで光る新たな逸材!電光石火の快進撃!「チームでも強い」立大目指して

両手で高くガッツポーズをした。全日本学生RCSで、中島が優勝。スーパールーキーの誕生だ。クラス3、2でも優勝し、わずか1カ月でクラス1に昇格。あっという間に頂点に立った。レース展開もプラン通り。絶好調の快進撃を見せた。

集団の先頭でコーナーを駆けていく中島(コ1)

集団の先頭でコーナーを駆けていく中島(コ1)

無敵のルーキー

「作戦通り」。 中島は爽快な笑顔でレースを振り返る。選手の後ろで体力を温存し、最後に得意のスプリントで追い越すという戦略を事前に立てていた。
クリテリウムは距離が短く、スピードのあるレース展開が続く。序盤、先頭集団は5人。中島は4番手につけた。「他の選手は疲れているように見えた」と周りを冷静に分析。最後の追い上げで勝てると確信した。プロチームにも所属し、速い選手に鍛えら
れていた中島。体力には絶対的な自信があった。迎えた最終周。スパートをかける力を残そうと、選手全員が一旦勢いを抑える。大
学日本代表にも選ばれた明星大の佐藤兄弟は隊列を組むが、中島は孤軍奮闘。最終コーナーで勝負を仕掛けた。力強くこぎ、一気に巻き上げ先頭に。残り直線300㍍。横から佐藤兄弟の兄が迫る。さらにペースを上げ逃げ切り、1年生ながら見事優勝。偉業を成し遂げた。中島は「もっと練習して強くなりたい」と、頂点からさらに上の景色を見据えている。

拳を高く上げる中島【提供・自転車競技部】

拳を高く上げる中島【提供・自転車競技部】

原点とさらなる夢

自転車競技を始めたのは、小学校3年生。友達に誘われて、初めて出場した大会では見事4位を獲得。しかし満足できず、本格的に練習に励んだ。負けず嫌いな性格が成長を後押しし、6年生では全国大会で優勝。高校ではアジア選手権で3位入賞した。人生の半分以上をささげて積み重ねた勝利の喜びが、自転車競技へのモチベーションにもつながった。
磨き続けた実力が認められて、今年からプロチームにも所属。貴重なアドバイスを、日々頭と身体にたたき込む。学んだことを、チームに還元することが中島の目標だ。
「立大全体で強くなる」。 そのためには、それぞれが、1人でも勝てる実力を身に付ける必要がある。集団走行などの実践的な練習が重要だ。「来年は、先輩とチームで戦いたい」と目を輝かせた。
さらに大学卒業後は、プロとして日本選手権での優勝を目指している。さらに大きな舞台を夢見て、力強くペダルをこぎ続ける。(小山内碧)