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立教スポーツ245号

2022年11月30日更新

【野球部】長嶋一茂以来35年越し!堂々の競合指名! 2球団競合 楽天 ドラ1 越後が生んだ大型右腕 荘司 「1日でも早く1軍の戦力に」

笑顔で投球ポーズをとる荘司

荘司康誠(社4)が2022年プロ野球ドラフト会議にて千葉ロッテマリーンズとの競合の末、東北楽天ゴールデンイーグルス(以下楽天)から1位指名を受けた!

長身から放たれる最速157㌔の直球が荘司の持ち味。多彩な変化球も全てレベルが高く今秋は38奪三振を記録した。初登板は3年次春と遅咲きも、ラストイヤーの4年次にはエースとして15試合に登板。6月には大学日本代表に選ばれるまでに成長した。ポテンシャル満載の大型右腕が最高峰の舞台へ駆け上がる!

未完の大器

タテジマのエースが新たな一歩を踏み出し始める。「非常に高い評価を頂けて本当にうれしかった」。2球団競合の末にドラフト1位指名。逆境と苦悩を乗り越えて、夢への扉を開いた瞬間だった。 

神宮で躍動する選手たちに憧れ、立大に進学した。しかし、新しい環境での野球生活は思い描いたものではなかった。強度の高い練習についていくことだけで精いっぱいの日々。ついにはケア不足により肩を負傷してしまう。練習をすることができず、他のチームメイトとの差が広がっていく。実力向上が図れない状況に、心がくじけそうになった。部に貢献できず、学生コーチへの転向も考えた。 

転機が訪れたのは2年次秋。先輩の紹介で北川トレーナーと出会う。神宮のマウンドに上がるため、二人三脚で早期の練習復帰に取り掛かった。故障の原因を徹底的に分析し、肩の可動域が狭いことが判明した。投げられない悔しさをばねに、上半身のストレッチに励む。さらに体全体を使って投球することができるようにフォームを微調整。地道に積み重ねた努力によって、翌年には先発投手の座に定着する。リーグ5位の防御率を残した。長く暗いトンネルを抜け出し、明るい光が荘司を照らし始めた。

覚醒の兆し

3年次に好成績を収め、六大学でのさらなる躍進を誓う。卒業後のプロ入団も視野に入れ、球速を伸ばすことを目標に据えた。効果的な力の伝え方を考え、テイクバックを小さくする。持ち前のリーチを最大限に生かした。また、重心にも注目し、体の軸をより速く移動させることで球の勢いが増す。それに加え相手の裏を突くリードも学び、主力への階段を着実に上っていった。  

2年間の成果が形に現れたのは、優勝が懸かった今春の明大戦。1戦目は雨の中、100球超えの活躍。磨いた直球に加え、変化球の精度も高く相手を封じ込んだ。後がない状況で迎えた3戦目、荘司は再びマウンドへ上がった。得点圏に走者を出した5回には153㌔の直球で見逃し三振に抑える。強力打線に得点を許さない力投を見せた。今試合を通して9奪三振を記録。己の武器である速球を十二分に見せつける好投は、自信につながった。鍛錬のたまものを発揮し、神宮を大いに沸かせた。  

「沢村賞を取りたい」。1年目から楽天の戦力となり、投手にとって最高の名誉を目指す。その目に映るのは杜の都で躍動する未来だ。堅忍不抜の右腕が、プロの舞台へ力強く羽ばたいていく。       

(山岡雄一郎)

投球する荘司

【ソフトテニス部女子】強敵に立ち向かい金字塔を打ち立てる! 水澤 インカレ 準V 真価を示す!意識改革で大復活 

ガッツポーズをする水澤

驚喜の銀

大学トップ選手らがしのぎを削るインカレ。出場権は各ブロック予選で一定の成績を収めた選手に加え、各大学に1名ずつ与えられる。ベスト32敗退の水澤は大学枠で出場。立大の名を背負って熱戦に臨んだ。 

3回戦まで順調に勝ち上がり、迎えた浅見(関西大)との4回戦。相手の素早いリターンにも臆せずラリー戦に持ち込む。持ち味の体力を武器にして白熱の打ち合いを制した。 

続く準々決勝、1部優勝校の主力選手・浅倉(日体大)との一戦が最大の山場だった。今大会に向けて磨いた切れ味鋭いサーブで流れを作りボールを前に落とすツイストで前後に揺さぶる。3-1と追い詰めて、勝利は目前に迫ったかに思えた。しかし、猛攻を受けて瞬く間に3-3に。試合を振り出しに戻されるも、水澤は冷静だった。得意のフォアストロークで相手の逆をつき得点。最後はコート端のクロス方向を貫く打球で白星を勝ち取った。 

準決勝では大勝し、関東王者・浪岡(日体大)との決勝へ。ライン際を狙われるが、泥臭く白球に食らいつき1ゲームを奪う健闘を見せた。 

上野美穂コーチ(15年度卒)に続く創部史上2人目の表彰台入りを飾った水澤。大会の満足度は「100点満点」。準優勝のトロフィーを手に会心の笑みを浮かべた。

不抜の鍛錬

「挑戦者として臨めた」。大金星を挙げた裏側には、難敵にも果敢に挑み続ける水澤の努力があった。 

高校時代にシングルスで全国大会を連覇。大学は勝敗にとらわれず競技を楽しむ雰囲気に引かれ、1部校や実業団の誘いを断り立大に進学した。入学後もU20日本代表に選出され、好調な競技人生を歩んできた。 

しかし2年次を迎えた昨春、突然の不振に見舞われる。関東インカレのダブルス戦で悔恨の2回戦敗退。「思い切りのなさを痛感した」。試合でのミスを恐れ、ベースライン際にボールを打てず。代名詞である攻めの姿勢も光らなかった。この敗戦を機に、試合での消極的な姿勢を見直す。たどり着いた結論は、挑戦者として戦うこと。勝利を意識せず、どんな相手にも一心不乱に立ち向かう。試合でのプレッシャーが軽減され、本来の実力発揮につながった。揺るがぬチャレンジ精神を胸に、インカレ準優勝の偉業を達成した。 

今年9月から新主将に就任した水澤。次なる目標は団体優勝だ。熾烈(しれつ)な個人戦で勝ち抜いた経験を糧に、立大ソフトテニス部に新たな歴史を刻んでいく。

(平岡薫奈)

表彰状とトロフィーを持つ水澤

【水泳部】次なる領域へ到達!進化を続けるビッグホープ 山下 日本選手権 男子200㍍背泳ぎ 7位 辰巳で力泳!短水路攻略し自己記録更新

決勝において懸命に背泳ぎ をする山下(現2)

2年生エースがまたまた快挙達成だ。短水路日本選手権男子200㍍背泳ぎで山下結生(ゆい)が7位入賞。自己記録、立大記録を更新し予選を初めて突破した。続く決勝でも再び自己ベストをマーク。見事入賞を成し遂げた。立大水泳部に新たな歴史を刻んだ期待のスイマー。彼の進化は止まらない!

勇猛果敢

「決勝に残れると思っていなかった」。国内最高峰の舞台で自己記録を2度更新。苦手とする短水路で自身初の入賞を成し遂げた。

予選は開始直後から出遅れ、100㍍を5番手でターン。残り25㍍からスパートをかけた。「最後まで諦めない」。後方から追い上げ、組2着でゴールした。自己新記録を出すも、決勝に進むには当落線上。祈る思いで掲示板を見つめた。表示された順位は8着。0.22秒の僅差で銅メダリストの坂井(SEIKO)をかわし、納得の表情でファイナルへ駒を進めた。

初めて臨んだ決勝。「せっかくなら最初から突っ込もう」。1分53秒台を目標タイムに設定した。前半から飛び出し、予選を1秒近く上回る1分24秒83で150㍍を通過する。しかし、速いペースで体力を消耗。最後のターンでは呼吸が苦しく、腕にしびれが出る。死力を尽くして懸命にタッチ板に触れた。54秒台でのゴールだったが、予選を0.4秒上回る好記録。7位で初めての入賞を果たす力泳を見せた。「出て良かった大会だった」と振り返る。短水路での連続自己ベスト。次戦のジャパンオープンへ弾みをつける大会となった。

意気衝天

2カ月前、優勝を目指したインカレではまさかの6位。悔しさをかみ締め、練習に打ち込んだ。「基礎から改めて見つめ直す」。ジャパンオープンへの力試しと位置付けた今大会。短水路となり、普段の長水路よりもターンの回数が増える。以前から弱点としていた潜水からの浮き上がりを克服するまたとない機会となった。

課題は強く蹴り出すための筋力向上だった。背筋トレーニングやバランスボールなどを用いて体幹を徹底強化。さらに周囲からのアドバイスにも積極的に耳を傾けた。ストロークする際の入水角度をコーチから指導される。今まで取り入れてこなかったフォームの変更に着手した。その結果、より多くの水をかける泳法を習得し、推進力が向上。地道な練習が実を結び、初めての舞台で国内の猛者たちを相手に堂々と泳ぎ切った。

7位入賞に満足せず、貪欲に鍛錬を続けている山下。「57秒台を出す」。12月に行われる長水路でのジャパンオープンに向けた意気込みを語る。パリ五輪標準記録は1分57秒5。突破すればトップスイマーの証明となる。飛躍を続ける成長株は世界への可能性に手を伸ばす。  

(大内貴敬)

レース前に入場する様子

【モーターボート・水上スキー部】総力戦で勝ち抜いた!切望の総合優勝 水上での記録を塗り替え続ける! インカレ男子総合 4連覇 「最高に暑いチームになることができた」

競技を終えガッツポーズをする遠藤【提供・モーターボート・水上スキー部】

全日本学生選手権が3年ぶりに秋田の地で開催された。立大の武器は築き上げた日本一の結束力。仲間の声援を力に男子団体が総合優勝を達成する。数々の困難を乗り越えついに創部史上初となる快挙を成し遂げた。

至高の景色

秋田の地に再び勝ち歌が鳴り響く。男子史上初の4連覇達成。水上スキー部の歴史に新たな1ページを刻んだ。 

悪天候の影響で競技順序が直前で変更された今大会。見通しのつかない状況に不安が募る中、初日のトリックが始まった。それでも期待の逸材・坂口(コ1)が空中回転の大技を披露。下級生の活躍によってチームにエンジンがかかり、初日を団体1位で終えた。 

追い風に乗り、迎えた2日目。「1人で滑っている時も部全体で戦っている」。仲間からの応援は出場する選手たちを奮い立たせた。強い一体感が原動力となり、河上(法4)はジャンプで1位を記録。続くスラロームでも3人が安定した滑りを見せる。最終走者のプレーを残す中、高得点を叩き出し優勝を決定づけた。これ以上ないほど熱気が高まり、主将・遠藤(営4)が現役最後の出走へ向かう。四年間を締めくくる華麗な滑りを見せた。「幸せな10分間だった」。チームに向け拳を高く突き上げる。呼応するかのように会場は歓喜に包まれた。 

「優勝できたのは下級生の存在があったからこそ」。快挙を成し遂げ、4年生は最後のインカレを終える。部一丸となってつかみ取った景色は何ものにも変えがたかった。

水上一の志

「誰にも後悔させないような熱いチームに」。遠藤は主将に就任した際に目標を掲げた。全員が競技に夢中になれる環境を理想とした。

一体感を深めるため、下級生に部員としての自覚を持たせようと試みる。しかし試合の出場機会が少ないことにより、競技への意欲が低下する後輩たち。日本一を目指す気持ちは散り散りだった。

転機が訪れたのは8月。1カ月半の夏合宿は遠藤にとって大きなチャンスだった。インカレ出場選手だけでなく下級生の練習機会を増やし、技術に磨きをかける。ミーティングでは自身が思い描くチーム像を共有し、連携の大切さを訴え続けた。さらに試合前には、出場選手がそれぞれの大会に懸ける思いを全体に発表する。涙を浮かべながら語る選手たちの言葉は、試合をサポートする部員の心に響いた。大会直前で士気は最高潮に。全員の気持ちが一つになる瞬間だった。 

部に対する遠藤の志は新世代に託される。「お互いを理解し合えるチームにしたい」。部員同士で支え合う構図は受け継がれている。巓(いただき)を目指し、水上覇者は躍進を誓う。       

(大澤創)

満面の笑みで喜ぶ選手たち【提供・モーターボート・水上スキー部】

【体操競技部】拍手喝采!大感激!憧れの地で輝き放ち創部後初の好実績 全日本 団体総合 5位 多胡「心の底から楽しめた」

表彰状を手にして喜びを見せる選手たち【提供・体操競技部】

会心の演舞

チームの集大成となる今大会。「競技人生で一番楽しかった」。 リーダーの伊澤は満足気に試合を振り返る。

インカレはフープで減点が相次ぎ悔しい結果に終わった。敗因は技の完成度が低いまま本番を迎えたこと。失敗への不安から体がこわばり手具のコントロールが狂ってしまった。落下による減点を防ぐため演目構成を変更。成功率の高い斜め投げの技を多く組み込み、確実性を高める。さらに完成度を上げるべく通し練習に重点を置いた。出番前のルーティンから退場まで、本番さながらの演技を繰り返す。ミスは全員で共有し修正方法を確認。不安要素を全て洗い出すことで絶対的な自信につなげる。技術、精神面共に完璧な状態で全日本へ挑んだ。

1日目はフープ。練習通りの正確な手具操作で複雑な連続技をこなす。大きなミスなく演目を終え結果は9位。インカレでの雪辱を果たし、すがすがしい気持ちで初日を締めくくった。 

確信を胸に臨んだボール・リボン。途中、投げた手具同士が衝突するも想定内。豊富な練習量が功を奏し、冷静に落下を回避した。種目別5位で総合5位入賞。悔いのない演技で結果を残し、達成感はひとしおだった。

理想の追求

「記憶に残るパフォーマンスがしたい」。 見た人の心に響くような演技を目指した。表現力向上のため、演目で使用する作品を徹底的に研究する。

『オペラ座の怪人』を題材にしたフープ。全員で劇団四季の舞台を鑑賞した。印象に残った部分を共有して振り付けを構成する。冒頭のシャンデリアが落ちる場面は、手具を一斉に高く上げ交換することで壮大に再現した。ボール・リボンのテーマは映画『シンデレラ』。 何度も見返して話し合いを重ねる。登場人物の感情を深く理解し表情の細部までそろえることを意識。ひたむきに作品と向き合うことで、芸術性の高い構成と一体感ある表現を磨き上げた。 

「自分たちの演技が大好き」。練習する中で生まれたのは演目への愛。出番が待ち遠しいほど踊ることが楽しい。溢れる愛情がプログラムを一層輝かせた。

大会を終えたメンバーを称賛の声が包む。他大学のコーチや審査員、昔のチームメイト。選手たちも驚くほど多くの人から反響があった。もらった声援は、人の心を動かした確かな証しだ。作り込んだ世界観と、真摯に新体操を楽しむ姿。理想の演技を追い求めた先に、「感動」が待っていた。        

(西田みい奈)

コーチ陣に囲まれほほ笑みを浮かべる部員たち【提供・体操競技部】