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立教スポーツ244号

2022年9月29日更新

【陸上競技部】大怪我克服!世界への道を切り開く 1年前のリベンジ果たしメダル獲得! 日本選手権1500㍍ 道下 銅 「夢は五輪に出場すること」

銅メダルを掲げ指で順位を示し笑顔を見せる道下

 国内最高峰の舞台・日本選手権。立大エースの道下(社3)が、1500㍍で自身初の表彰台へと登り詰めた!辛い怪我を乗り越えつかんだ銅メダル。昨年5位からの躍進を遂げ、世界陸上の夢へと大きな一歩を踏みだした。

貫いた意思

 電光掲示板に映し出された順位は3位。1年越しの歓喜の瞬間だった。昨年は表彰台を目標に掲げたが5位。世界を目指す道下にとって悔しい結果になった。リベンジを誓い、戻ってきた国内最速を決める戦い。しかしこの場所にたどり着くまでの道のりは、決して平たんではなかった。

 昨年の学生記録更新後にアキレス腱痛、捻挫と負傷が続いた。体力を落とさないためにバイクや体幹トレーニングに取り組むも、半年ほど満足な練習をこなせない。レースに出場することもできず、目標に向けて先の見えない日々を過ごした。

 復帰後、優勝を狙い挑んだ関東インカレは4位と厳しいレースになった。その後日本選手権に向けて最終調整を行うも不調が続く。「体が重すぎて、試合に出場できる状況にない」。度重なるケガ、直前までコンディションも上がらない中で、心が折れそうにもなった。

 それでも走り続けることができたのは信念を貫いたためだった。2024年のパリ五輪が自身の目指すべき場所。「自分も負けていられない」。切磋琢磨するライバルたちがインカレなどで活躍している。その姿から刺激を受けた。「諦めないで挑戦すれば、目標を達成できる」。夢の舞台への飽くなき向上心が挑む原動力となった。

秘めた闘志

 予選は組3着、着実に通過し迎えた決勝。「去年は緊張しすぎてしまった。今年は何も考えずに行こう。」以前から考えすぎると自らの走りに納得ができず、悲観的になってしまうことが多かった。反省を生かし、大会直前から「無心」を意識し始める。深く考えずに落ち着いて調整を行うと、イメージ通りに体が動き始めた。

 号砲が鳴り、先頭集団に付ける。序盤は落ち着いて周囲を伺い、残り1周でスパートをかける。ゴールまで100㍍。先行する選手を外からかわし3番手に躍り出た。しかし、後方から足音が近づいてくる。「負けられない」。体力の限界が近かったが必死で腕を振る。メダルへの思いが足を前に動かし続けた。最後は無我夢中で駆け抜け、ゴールイン。わずか0.05秒差の接戦を制し、3位で逃げ切った。初の表彰台で悲願のメダルを獲得。「無心」が生み出した冷静さで本来の実力を発揮し、見事昨年の雪辱を果たした。

 「自分もあの舞台で戦いたい」。表彰台に立ち、目標とする世界へまた一歩近づいた。よりハイレベルな戦いを求め、来年からは海外の大会にも挑戦する。学生最速ランナーは2年後の大舞台に向かって、全力で走り続ける。

(大内貴敬)

一心不乱に走る道下

【女子ラクロス部】17年ぶりの5位奪還!参戦7試合で9得点 ジョーンズ日本代表進出 頼れる大黒柱、次に見据えるは日本一 才能開花で頭角現す

ボールを運ぶジョーンズ(文4)

 世界大会で日本が5位入賞!中でもジョーンズ萌仁香が大活躍を見せた。メンバーで唯一、各出場試合で得点。社会人に劣らぬ力でチームに貢献した。

 フルエイジ世界大会出場を夢見た3年前。努力が実り、ついに大舞台で輝いた!

大舞台で奪迅

 代表選手18人のうち学生は3人のみ。年若ながらも世界を相手に、アタックの要として戦い抜いた。

 予選1位で決勝に進出。初戦の相手は前大会で8位を譲ったニュージーランドだ。先制されるも数的優位を作り反撃する。ジョーンズは味方の前に走り込み、パスを受けアシスト。流れをつかみ大差で勝利した。

 2戦目は強豪・アメリカと対峙(たいじ)。絶対王者の技術に気おされ序盤からペースを握られる。開始11分、ついに好機が到来。日本のシュートをゴーリーがはじくと、ジョーンズは素早く反応した。グラウンドボールを追いかけ奪取。ゴールへ撃ち込み、仲間と抱き合い喜んだ。一矢を報いてアメリカにも敵う地力があると実感。しかしその後は再び主導権を奪われる。大敗するも頂点との試合から多くの収穫を得た。続く順位決定戦は共に快勝。史上最高順位で大会を終えた。

 ジョーンズは7試合に出場し9得点を獲得。日本の主要アタックとして欠かせない戦力だった。

主力の決心

 才能が開花し、わずか5年の間に2度の世界大会出場。ジョーンズは華華しいラクロス人生を順調に歩んでいる。

 競技を始めたのは高校1年生の時。明るい雰囲気に引かれ入部。たちまち頭角を現すと翌年には部を全国優勝へ導いた。

 圧倒的な実力で、大学1年次にU19世界大会出場。「世界と互角に戦いたい」。大舞台での経験がターニングポイントとなった。2年後のフルエイジ代表選出を見据え選考会で奔走。再び世界大会出場の座をつかんだ。

 念願の代表チームは世代も練習も立大と全く異なった。その中で見出した自身の役割は、ポイントゲッターとしてチームに貢献すること。苦手な走りも、頻繁に攻守を切り替える実戦練習で運動量を増やし克服。終始ボールを追いかけ、出場した全試合で得点した。

 世界で通用する選手に成長した今、目標はただ一つ。立大3年ぶりの全日本優勝だ。昨年の関東FINAL4で流した涙はエースが笑顔に変えるだろう。

(宇津木萌香)

仲良く肩を並べる選手たち。写真左から櫻井(20年度卒)、ジョーンズ、亀井(16年度卒)

【自転車競技部】白馬の絶対王者!盤石な強さを見せる 連続勝利で首位に躍り出る! 中島 クラス1連覇 「最初から全力で走れた」

力強くペダルを踏み、快走を見せる中島(コ2)

稀代の走者

 昨年度の覇者が再び王座へ。2日間行われたRCS第5戦。圧巻のスピードで連日優勝を遂げ、紫紺の走者は見事総合トップの座へ返り咲いた。

 白馬の空気は昨年とは異なっていた。周りの注目を浴び、期待が重くのしかかる。重圧を感じながらも、自分のペースを意識して挑んだ。

 初日は各所の通過ポイントを競う。選手同士で駆け引きが行われる中、中島は前半から積極的な走りを展開。首位で通過し、好調な滑り出しを見せた。疲労の残る2日目もパフォーマンスは崩さない。得意のコーナーを華麗なハンドルさばきで回り、徐々に差を広げる。最後の直線に入ると、駒大・宮本との一騎打ち。余力を残しつつ後方から勝機を探る。残り100㍍でペダルを力強くこぎ、瞬く間に抜き去りゴールへ。2日連続で栄冠を手にした。

 「両日とも完璧な走りだった」。 中島は満足気な表情で振り返る。連覇を果たし、昨年度に続く総合優勝に向けて前進した。

結実した信念

 大学1年次から中島の実力は突出していた。RCSで頂点に立つのは5度目。躍進の裏には、常に先頭を走るための研さんと精神面における成長があった。

 昨年の白馬戦では優勝を遂げたものの「実力不足」と評価。歴の浅いロードでも確実に勝ち抜くには、練習内容の強化が必要だった。長時間の競り合いに耐え抜くため、脚力のベースアップと最終局面のスプリント力を磨く。その結果、チーム戦が有利に働くロードを単騎で制すまでに成長。自身のプランで展開を支配にするに至った。

 練習が成果に直結し、自信にもつながった。緊張で思うようなレースを繰り広げられないこともあった入学初期。しかし勝利を重ね、不安はかき消される。絶え間ない努力は、ロードで最大限の走りを披露した。

 真摯(しんし)に向き合う姿は、自転車競技への熱い思いの表れだ。若きエースは険しい道のりを進み続け、新境地へと駆け上がる。

(大澤創)

表彰状を持ち喜びをかみ締める中島