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立教スポーツ第226号

4月1日更新

【自転車競技部】石の上にも3年、自転車の上にも9年、クラス1昇格から10戦 1念通天!!橘田クラス1初V

強風吹き荒れる埼玉で橘田和樹(現3)がクラス1初優勝を果たした!20㌔の短いレース。それぞれが脚力を残したまま迎えた最終周で勝負を仕掛けた。後続集団を振り切っての優勝は「やってしまった」と本人も驚く結果だ。勝利の裏には昨年のインカレ入賞で得た「攻めの走り」。 そして9年間の努力・経験で得た「直感」があった。

雄たけびを上げゴールする橘田【撮影・澤部衛】

自分だけが見た世界

確実に流れは来ていた。12月の第10戦では5位と2年越しのクラス1入賞。続く第11戦は自身初の準優勝を成し遂げる。表彰台に立つという目標は達成していた。いよいよ優勝と大きな期待がかかる中、第12戦は訪れた。

レースに序盤から大きな動きはなく、決着は最終周へもつれ込んだ。間髪入れず他大学の選手が一人飛び出す。つられて集団はスピードアップ。「ビビッときた。」 直感を信じて仕掛ける。飛び出た選手を集団が飲み込み、再び1つになろうとした矢先のアタック。他の選手は反応が遅れる。得意の横風区間を経て一気にタイム差を5秒に広げた。

「行け!」レースを見守る中高時代の恩師・成塚が背中を押す。予想だにしなかった立大選手の猛アタック。集団を置き去りにするその姿に指笛は鳴り止まず、嵐のような大歓声が巻き起こる。最終コーナーを曲がり、声援で彩られた最後の一直線へ。ゴール手前で勝利を確信すると左腕を上げて指を天に突き刺した。

「僕らもそろそろ食われる」。 来季からプロとして走る早大エース・孫崎は語る。自身の直感を信じ、攻めてつかんだ優勝。日本代表が認めた実力を存分に発揮した。

表彰台に立つ橘田

今よりも上の世界へ

優勝の決め手となった「直感」。 9年間の競技人生で培った努力と経験の結晶だ。自転車において手を抜くことはない。「レース前後の分析は常にやってきた。」 選手情報から試合展開まで調べ尽くす。機材へのこだわりも尋常ではない。自転車は全て自分の手で組んでいる。寸分の狂いも許さない姿はプロの整備士さながらだ。雨の日でも室内での練習は欠かさなかった。しかし、かけた時間とは裏腹に結果が出なかった。

「今までの自分に負けたくない」。過去の成績が足かせとなっていた。攻めるべき瞬間に生まれた迷いで、幾度となく勝機を逃してきた。

転機は昨年のインカレトラックで訪れた。目標の入賞には遠い状況。部の命運を背負っていた橘田は終盤に起死回生のアタックを仕掛けた。その決断が功を奏し、大舞台での入賞を果たした。自分の攻めの姿勢が全国に通用している。過去の自分を振り切って、常に最高の結果を求めるようになった。

負けを恐れない攻めの走り。そして9年間で得た「直感」で念願の優勝をつかんだ。不断の努力を惜しまず、高い壁を乗り越えての勝利。左手の人差し指を天に突き刺すその姿は、文字通り「一念通天」だった。

プロの道も考え始めている橘田。全ては「今年の成績次第」。 運命の1年が回りだす。   (澤部衛)

スプリントをかける橘田

【スケート部スピード部門】ジュニア挫折もなんのその!日本を飛び出し松山世界へ!!

松山雛子(社2)が、ユニバーシアードの日本代表に初選出! 「学生のオリンピック」で生まれて初めての世界デビューが決まった。2年連続世界ジュニア代表補欠の苦い思い出を乗り越え、ついに届いた憧れの舞台。ショートトラック競技を始めた頃からの芯の強さと周りへの感謝の気持ちが松山を世界へ導いた――。

コーナーを抜ける松山(社2)【撮影・浅野光青】

サラバ補欠

雛子スマイルがあふれた。ユニバーシアード日本代表として最後に呼名されたのは、ほかでもない松山だった。「ずっと目標にしていました。本当にうれしいです」。

その日まで「補欠」の2文字がつきまとっていた。おととしの全日本ジュニアは補欠1番手。ジュニア最後の昨年も最終種目の失格が響き、またも補欠1番手だった。

今季の雛子は一味違った。開幕戦の全日本距離別では、女子1500㍍で初の5位入賞。平昌五輪代表の菊池純礼(トヨタ自動車)を抑える大快挙を成し遂げた。上り調子で迎えたユニバーシアード選考会でも、出場した3種目で決勝に進出。「やるしかない」。力の全てを氷に伝え2種目で上位入賞。日本代表・松山雛子が誕生した。

悲願の代表選出に笑顔を見せる松山(社2)

世界のヒナコへ

「速くてかっこいい。私もやってみたい」。12歳の時、フィギュアスケートから転向して相模原SSCの門をたたいた。決して開始時期は早くなかったものの、努力で実力差をカバー。氷上を離れても陸上トレーニングにいそしんだ。リンクが使えない夏は練習場所を求め他県へ。「おっとりしたように見えるが、強い意志を持っている」。競技へのひたむきさは監督・池のお墨付きだ。

その姿勢は世界を目指してからも変わらない。練習の効果を高めるため身体のコンディションに着目。毎日の体温・体重測定に加え、定期的な血液検査も実施した。食事を管理できるよう、アスリートフードマイスターの資格を取得。常に進化を追い求めた。

周りの支えが松山をつき動かす。チームのスタッフはもちろん、送迎やビデオ撮影で協力してくれる家族などたくさんの人が関わっている。結果で応えることが松山なりの恩返しだ。

芯の強さと感謝の思いが松山を世界へ導いた。人生で初めて背負う日の丸には、8年間の重みがある。「大会で得る学びや経験を生かして成長したいです」。力強い言葉と対照的に柔らかな笑顔が輝いた。(𠮷岡麻綾)

【スキー部】 81年待った!! 総武史上初 女子1部昇格 回転(スラローム)で大逆転! 「全員で勝ち取った」

創部81年で悲願の昇格達成!快挙のワケは「昇格への執念」だった。初日から濃霧がかかる悪天候に苦しむも、新エース・松村明奈(法1)や女子主将・松岡瑞季(法4)を中心に得点を重ねた。昇格は目前。2位と8点差の総合4位で、最終日を迎えた。

リレー後、笑顔で撮影に応じる選手達(撮影・小田拓実)

新時代到来

大きな歩みでみるみる他大に差をつけた。専門のクロスカントリー全種目に出場し、総合得点154点中84点を稼いだのは、まだ1年生の松村だった。

昇格は最終日のスラロームとリレーの結果にかかっていた。失格したら得点は得られない。「絶対攻めない」。 松岡の言葉には必ず得点しなければならないというプレッシャーが表れていた。多くの失格者が出る中、昇格への執念で滑り切り逆転。総合2位で最後の種目、リレーへつないだ。

第2走の松村が、ここでも新エースの実力を見せつけた。晴れ空の下、地元・野沢の知り尽くした雪上を一歩一歩力強く進む。初日から3日連続の試合出場。だがその表情から疲れは見えなかった。区間1位の18分21秒4で滑り切りアンカー・森島(済2)へ。緩んだ雪に強い心で食らいついた。「頑張れー! 」松岡の大きな声援が雪山に響く。力を振り絞って完走。総合優勝こそ逃したものの、念願の昇格が確定した。喜びをかみしめ抱き合った。溶けかけた雪に笑顔が映えた。

クロスカントリーで、坂道を登る松村(法1)

昇格の裏側

昇格への執念は一方で問題も招いた。リレーの選手不足でアルペンの森島が急きょリレーに出場。それは自身がつかんだスラローム出場権を手放すことも意味した。未経験の種目への挑戦。最後まで悩んでいた。やっぱり昇格したい。目標への強い思いが彼女の決断を後押しし、昇格の鍵となった。

「全員が1つの目標に向かって頑張れるチーム作りを目指した」と松岡は振り返る。2年前はまだ高い目標だった昇格。それでも目標達成を貪欲に追い求めた松岡の熱意で部は1つになっていった。

次なる目標は1部残留。「将来的には1部優勝するチームへ。そのために部員がもっと増えてほしい」。 今年で引退する松岡は後輩に思いを託した。

スキーは個人競技。だが戦うのは1人ではない。1部という未知の舞台に歩を進めたスキー部。全員が熱い思いで、執念で、雪原を駆け抜けていく。
(片平優海)

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