【ボ―ト部】全日本直前インタビュー②男子舵手付きフォア

 

第101回全日本ローイング選手権大会が18日から開催となった。今年の会場は昨年度と同じ海の森水上競技場。東京2020大会でも使用された名コースである。大会を直前に控えた選手に意気込みを伺った。

男子舵手付きフォアに出場する4人。左から掛本(済3)、佐々木(文1)、藤原(コ4)、丹羽(コ3)、和氣(営4)

掛本選手、藤原選手、丹羽選手、和氣選手

※以下インタビュー内容です

全日本の目標

藤原
ランク別でA決勝・B決勝とあるのですが、一番上のA決勝に進むことです。

練習で特に意識していることは

藤原
僕たちがやっているのは練習を一緒に取り組むことはもちろんのこと、練習外でビデオを見てお互いのフィードバックをしています。その上で、上手な人の動画と比較しながら「次はこうしたいね」などの話をしています。練習外のところでのまとまりをもって日常から考えて取り組んでいます。

チーム作りで意識したこと

和氣
ボートは全員で息を合わせないといけない競技なので、練習外の時間を一緒に過ごすことが大切だと思っていて。朝練の前に一緒にご飯を食べたり、ボート以外の話をしたりなど一緒にいる時間を多くして仲を深める、信頼を深めてきました。

―今回出場されるメンバーの強み

掛本
ストロークといって一番前に座るポジションで出場する掛本です。自分の強みは水上の安定した動きだと思います。あとは結構普段から冷静と言われるので、冷静さと安定した動きは強みです。

佐々木
自分の強みは後半にかけてペースを上げられるところだと思います。また自分は高校からボートをやっていて安定感のある漕ぎはできていると思うので、先輩に頼りながら2000㍍しっかり漕ぎ切りたいと思います。

和氣  僕はこのクルーの中で一番フィジカルがあるので、舟に推進力を与え続けることが一番の仕事だと思っています。そして良くも悪くも漕ぎに波があるので苦しい時にパワーを出せる選手だと思っています。

丹羽
僕は部で一番身長が低くて、体重も軽いのですが心肺機能は誰にも負けないと思っています。今までのスポーツ経験で鍛えた心肺で苦しい時も途中で落ちたりすることなく、一定に出力し続けることが出来るのは強みだと思っています。

藤原
自分は漕がずに、マイクを通して司令塔として舵をきる担当をするコックスをやっています。昨年まで選手をやっていたので、ボート競技のきつさや選手の気持ちをどの大学のコックスよりも共感できると思っています。

育んできた仲の良さを見せる選手たち

 

―クルーの強み・武器

和氣
最近の練習で、僕たち男子フォアと女子エイトが同じくらいのスピードで良い勝負なんですね。女子エイトと競争する中で、スタートで相手を置いていくという自信はついてきました。スタートで出ることに加えて、最近画策しているのが「セントポールに行こう」という藤原のコール。苦しい局面でこのコールがかかるので、その瞬間一気にスピードを上げる。コールに反応して苦しいときにみんなで頑張れるところがクルーとしての強みだと思っています。

藤原
2000㍍中で、コックスは色々なコールで選手たちに意識づけをする。だから、同じコールが繰り返されて一般化してしまうんですよね。そこを「セントポールに行こう」というコールをすることで、絶対に上げきるところの区別をしています。

―試合準備の完成度や雰囲気

藤原
雰囲気に関してはとても良いです。ボート部の中でも温和な人が多いので、マイペースにやりつつ、フィードバックはお互いに本音で伝えることができる仲であると思っています。技術面はまだ伸ばせることがある。例えば、水にグレードを入れる瞬間がまだ少し合わせきれていないので、そこの精度を上げて大会に挑みたいです。

和氣
完成度はまだまだ60㌫くらいかなと思っています。いかに100㌫まで持っていけるかが大会準備の課題だと思っています。

―今大会のレースプラン

和氣  会場のお台場の海の森競技場は風が強く、スタートして600㍍・700㍍付近で荒れるコースがあるんですね。そこまでに勝負を決定づけたいと思っています。自分たちが得意としているスタートで出て、荒れるコースまでに社会人クルーや速いクルーよりも前に出るか相手と並ぶ。その後はセントポールのコールで耐える。そういったレースプランを考えています

―現段階の不安要素

掛本  自分は去年、出場していなかったので試合をする海の森競技場のコースで漕いだことがなくて。いつも練習している場所との違いや、ストロークとしてレースすることが初めての経験なので、フィジカル面で体力を維持できるか不安に思っています。

―個人的な目標

藤原
お台場で舟を浮かべることは初めてなので、船を真っ直ぐ進ませることが一番大事にしなければいけないことだと思っています。和氣によると自分たちが普段練習しているコースよりも幅が狭いということなので、コースの目印に引っかかって減速しないように、真っ直ぐ船を進めて最短でいけるようにフォーカスしたいと思います。

丹羽
2000㍍を何日も連続で戦うことが久ぶりなので、まずは一日一日しっかりお台場の荒れるコースに順応しながら漕いでいくことが大会中の目標です。また今まで賞を取ったことがないので、入賞したいです。そして9月にインカレがあるので、そこに繋がるレースをしたいです。

和氣
大会の目標は最終日に残る、8位以上です。2000㍍を6分50で漕ぎ切ると入賞が見えてくるので、全4レースこのタイムを切り続けることが目標です。

佐々木
とにかく2000㍍を全力で漕ぎ切ることです。大学入学後、初めての全日本なので自分を信じて漕ぎ切りたいと思います。

掛本
自分たちはチャレンジャーだと思っているので、初日から勝負を仕掛けていくことが目標です。また2000㍍の中で、スパートをかけるのは一番前に乗っている自分の役割が重要になると思うので頑張りたいです。

―意気込みを!

藤原
とにかく勝つことです。クルーの雰囲気も良いし、思っていることを伝え合える関係なので、あとは大会当日にフィジカルで競り負けないことが重要だと思います。隣にいるチームや同じ組で戦うチームにまずは勝つことにフォーカスしたいと思います。

和氣
リスポの皆さんが来てくださる中で、終盤を見てくれると思うのですが、ラスト200㍍地点でセントポールの掛け声で気合を入れてMAXの出力でいくので楽しみにしていてください!

(取材/編集・岡田真阿、鈴木麻里奈)

 

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