【野球部】「革新」春季リーグ戦直前インタビュー Vol.6 溝口智成監督

2017年以来、6年ぶりの賜杯奪還を目指すタテジマ軍団。今回は、春季リーグ開幕直前の監督にZoomインタビューに答えていただいた。リーグ戦に向け、意気込みや注目選手を伺った。

◇溝口智成監督◇

―新チーム発足後から意識されていたこと

昨年は4年生の主力が多かったので彼らが抜けて、経験が浅い、もしくはリーグ戦に出場したことがない選手でチーム作りをすることが明白でした。1人1人の力、度量を上げること、チームに対する貢献、チームのために(打席を)つなぐであったり、そのような部分の意識を高めなければいけないと思い、チーム作りをしてきました。

―春のキャンプなどはいかがでした?

春のキャンプは4年ぶりでしたので非常に良かったですね。どのようなチームになるか、まだ分からない中で環境を変えて野球漬けになるという機会は非常に有効でした。ようやくコロナの影響が部活動にほぼ無くなってきているので、その点では思いきり部員が野球をできるようになれたなと。チーム作りをする上でも、このようなキャンプの機会はやはり大事だなと感じました。

 

―キャンプのテーマなどは設定された?

特にというのはないですが、実戦を行いながら、技量を磨くということ。そしてチームとしての動き。打線として機能するために、投手では役割を考え、それぞれの役割を果たす。チームを意識したプレーの仕上げ。実戦に対してのプレーの仕上げ、そのようなことをテーマに行ってきました。

 

―現在のチームの状態は?

なかなか上手くいくことばかりではなくて、どちらかと言えば課題が見えてしまうことが多いです。OP戦の結果は色々勝ち負けがありますが、方向としてはいい方向に行っているなと思っています。先ほど述べた掲げているテーマに近づいていることは、間違いないと思っているので、その度合いがどれだけ高められるか。行ってきたことが、リーグ戦にいかに出せるかという部分までは来ていると思います。

 

―現在状態がいいと監督が感じるのは

打線の状態は良いですね。サードの齋藤大(コ3=東北)、キャプテンの西川晋(コ4=智辯和歌山)は悪くないです。センターの安藤(社4=明石商)もバッティングは良いし、戸丸(コ3=健大高崎)も悪くないので。特に調子がいいですよということはないですけれども、打線については大分良い感じになってきたなと思っています。
ピッチャーは新戦力ですけども、渡部太陽(コ4=春日部共栄)という左ピッチャーがいるのですが、 彼がまだリーグ戦に出たことのない4年生で、少し面白い働きをしているので、期待が大きいなと感じています。

 

―渡部選手は今年に入りOP戦や社会人対抗戦でも投げている印象だが、冬から伸びてきた?

年明けのOP戦からコンスタントに結果を出していて、それを積み重ねて今のポジションまで来ました。今までとは結果が違いますので楽しみですね。本当にこれ程結果を出したのは初めてなので、実力となってきたと思っています。

 

―彼のピッチャーとしての魅力は?

体が大きい長身の左ピッチャーですが、本格派ではない部分ですかね。タイミングが取りづらく、球も少し癖球で打ちにくい、そのようなところが特徴です。

 

―今年のチームの魅力

抽象的ですが、これまで2年間主力を張っていた選手がいなくなったので、ある意味新しい戦い方や、新しい戦術、新しい野球の考え方というのを取り入れやすいと思います。
そのような生まれ変わる力やフレッシュな力、新たな立教の戦い方に挑戦できること、それから挑戦しようとしてること。そのような部分が、魅力になれば良いなと思っています。それをプラスに考えて変化していけたら、それが魅力になるなと思います。

 

―西川晋太郎キャプテンの印象は

常に前向きなのでチームにとって凄くプラスですね。勝っても負けてもエラーをしても、打てなくても打っても基本的にプラス思考でいるので、その部分はチームに勇気を与えますし、ぶれない。あまり山谷のないような雰囲気作りをしてくれてると思います。

指示を出す溝口監督

―今年の投打の軸

投手は言わずもがな池田(コ4=智辯和歌山)ですね。彼が本当にエースとしての働きをしてくれなければ、優勝は語れないです。打者は西川はもちろんですが、西川を外して考えると僕は戸丸かなと思っています。去年までは下位打線でしたけれども、今年は上位、中軸を打たせようと思っていますので、彼の中軸としての働きは非常に大事だなと思います。

 

―池田投手は今年がラストイヤー。これまでの3年間の印象は?

これまでの3年間だと、もっともっとやってほしかったな、というのが正直なところです。6勝しているとはいえ、彼の持っている力からすると、もっとチームを勝ちに導く働きができるピッチャーだと思うので、物足りないとは言いませんが、もっともっとできたはずなので。この春、秋で大爆発してほしいなと思っています。

 

―継投策などはどのようにお考えですか

まだわからないですけど、先ほど話した左の渡部というのを上手く使えたらなと思っています。 渡部、それから小畠(営2=智辯学園)、吉野(コ2=仙台育英)、佐山(営1=聖光学院)。順序は変わりますけれども、今挙げた者たちをつないでいくことになると思います。

 

―打撃陣についてですが、監督の中でスタメンは決まってきた?

ほぼ決めていますね。ここ数試合のOP戦も大体ほぼ固定でスタートしてますので、1人、2人は少し入れ替えたりしていますけれども、ほぼ最近のOP戦の感じで行くだろうと思っています。

 

―昨年度の主力のほとんどが抜けた打撃陣だと思いますが、ポジション争いで激しい場所はあった?

センターラインはこれまで(リーグを)経験してた選手です。ピッチャー池田、キャッチャー戸丸、セカンド西川晋、センターが安藤。この辺は大体そうかなと思っていましたが、両サイドですね。サード、ファースト、外野のあと2人、ここは競争が起きていましたね。

 

―1年生の佐山選手や丸山(コ1=大阪桐蔭)選手は春リーグからのデビューはある?

ありそうですね。佐山はワンポイントで短いイニングは投げてもらいたいと思います。丸山も少し守備に難はあるのですが、バッティングは非常に良いので、代打の1番手、2番手でやってもらいますね。

 

―春リーグで監督が理想とする試合展開

希望としてはもう大差で勝ちたいのですが、それは難しいので。おそらくこのような感じだろうなと思うのは、僅差でついていく。ロースコア、ロースコアでついていって、後半勝負で1点2点リードして勝つというパターンかなと思います。それが1番苦しい試合展開なのですが、そのような試合をイメージしながら、ゲーム展開をしていこうかなと思っています。

 

―春リーグの目標を一言

優勝です。思えば前回の優勝から6年で、かなり期間が空いてしまいましたので本当にこの春に優勝をしたいと思っています。

 

―今年から応援席が復活する。監督が考える応援の印象などは

本当に楽しみです。やっと応援席が復活するというのは、非常に喜ばしいことですね。東京六大学野球の歴史は、応援団とともにあり、その伝統が戻ってくるというのは喜ばしいです。当たり前な風景ですけれども、この3年間は当たり前ではありませんでした。もちろんゲームに集中するのですが、応援団の雰囲気をより感じながら、神宮で試合をしたいなと思います。

 

 

―立教ファンに向けて一言

生まれ変わりの代となるので、そのフレッシュさ、新しいチームの雰囲気を見てくださる方々に伝わる戦い方ができればと思っています。そしてやはり勝って、後半戦で優勝をかけて戦うという状態に行けるように初戦から精一杯ベストを尽くしたいと思います。よろしくお願いします。

取材後、ガッツポーズする溝口監督

 

(取材・編集 大内貴敬、この取材は4月7日、オンラインで行われました。)

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溝口 智成(みぞぐち・ともなり)
神奈川県出身。54歳。【選手歴】湘南高→立大→リクルート
【指導者歴】立大
立大所属時は一塁手。3年時には優勝に貢献し、2度のベストナインを獲得した。2014年から立大の監督を務め、2017年に六大学優勝、全日本大学野球選手権では59年ぶりの日本一へ導いた。大学日本代表のコーチも務めている。

 

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