【野球部】他大学インタビュー2022秋季リーグ戦 東京大学

10月8日、9日に対戦が予定されている東大。明大相手に引き分け、慶大相手に勝利するなど好調だ。今回は井手峻監督、主将の松岡泰希選手(4年=東京都市大付)、エースの井澤駿介投手(4年=札幌南)に話を伺った。

◇井手峻監督◇

―キャンプではどういうことを行ったか
普段とは違う事はしていませんが設備がバッティングのマシンなどいろいろあったので、バッティングの練習をずいぶん集中的にやることができたなと思います。

―7大戦では優勝。試合の流れや優勝の経緯は
私の時代には勝って当たり前と言うプレッシャーがあったのですが、最近は他の大学も強くなってなかなか難しくなっていて、それでも勝たなきゃいけないなと言うのでだいぶプレッシャーが(笑)。キャンプの結果だと思いますが、京大さんなんかにもコールドゲームで勝てて、そこは非常に良かったと思います。

―春リーグ立大と対戦してみての印象
投手がすごく良くて、球が速いし、なかなか点が取れないし、明大さんと立大さんは凄く強い感じがして勝てませんでしたね。

―春リーグでは接戦、去年は勝利をしており得意と言う意識は
私の現役時代に1つも勝てなかったもので、得意と言う印象は無いのですけれども。私としては井澤が完投、初めて1試合投げきって、勝ってくれることに途中で期待したのですが途中で捕まってしまいましてなかなか勝ちきれなかったですね。

―立大で警戒している選手
我々はなかなか打てないので荘司くん(社4=新潟明訓)かな、この間のオールスターで157キロ出したんですよね。「うわーこんなに成長したしちゃったんだ。困ったなぁ」と言う感じだったのですけれどもね(笑)点がなかなか取りにくい(笑)

―鍵になる選手は
バッテリーですね。ピッチャーの井澤とキャッチャーの松岡泰。この2人がどう動いてくれるかですね。

―秋リーグの目標
5校と対抗戦で勝ち点を争うリーグ戦ですから、まずは1つ勝ちたいんですけれども。やはりそれだけではなくて、勝ち点を何とか取りたいと思っております。

―立大戦の意気込み
立大さんには弱点が見つからないですけれども、でもそういう状態でもすすっと勝てたりしたこともありますからね。先ほども言いましたけれども、最上級生でこの秋で終わりな井澤と松岡泰。その2人が何とかしてくれるのではないかなと思っています。

快く写真撮影に協力していただいた井手監督

(この取材は9月1日、オンラインで行われました。)

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井手 峻(いで・たかし)

東京都出身。【選手歴】都立新宿高→東大→中日ドラゴンズ

【指導者歴】中日ドラゴンズ→都立新宿高→東大

史上2人目の東大野球部出身プロ野球選手。公式戦出場試合数は過去の東大出身プロ野球選手の中では最も多かった。東大では投手として4勝21敗防御率3.28であったが、1966年の第2次ドラフトで中日ドラゴンズにドラフト3位で入団。外野手に転向し活躍した。通算で中日ドラゴンズに50年近く在籍し、2020年に母校・東大の監督に就任した。

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◇松岡泰希選手◇

―キャンプで取り組んだこと
実践的な練習を多くして、プレッシャーのかかる場面を想定した中で自分の力をしっかり出そうねという練習を多く積みました。
個人としては、春全く打てなかったのでバッティングをなんとかしなくてはいけないなということで、多くバット振ったり打ち込んだりってことをしました。

―主将から見て秋の武器になる選手は誰ですか
ピッチャーだったらエースの井澤はもちろんですけれども、松岡由(3年=駒場東邦)。これが成長著しくて、井澤ともう1人の核となってくれるピッチャーかなと思います。

―アピールポイント
肩ですね。盗塁を刺す能力だと思います。

打つ松岡泰(東京大学新聞社提供)

―立大のイメージは
ちょっとつかみどころがないというか、僕自身の本当に印象ですけど。慶大とか明大は「低め切ろうね」とか「こういう攻撃しようね」とか、イメージあったりするのですが、なんかどういう風に攻撃してくるか、つかみどころがなかったり、個人個人のレベルがほんとに高いので打ち取れるはずだったのに全然打ち取れないなとか、計算通りにいかないようなチームかなと思います。

―春は接戦、昨秋は勝利しているが
別に戦いやすいとかもないですし、接戦だったり勝った試合もありましたけど、とは言え内容がすごく良かったか、再現性高く同じような試合できるかというとそういうことはないと思うので、そういう巡り合わせが立大だっただけだと思うのでまたしっかり準備して立大戦臨みたいと思います。

―立大で1番警戒する選手
打線を考えると黒岩(法4=静岡)かなと思っていて、山田選手(コ4=大阪桐蔭)とかジャパンに選ばれる選手もいますし、そういった選手が注目されがちですけど、山田とか道原(法4=駒大苫小牧)とか打つよねというバッターを抑えたときや、そのバッターを迎えるにあたってランナーを出したくないなという時に、黒岩という選手が下位打線にいて、少しいやらしいような攻撃してくる。黒岩でアウト取りたいなとところでいやらしい攻撃をしてくるので、そこでアウトを取れたらうちとしてはいい流れになるのかなと思っています。

―立大で仲の良い選手は
オールスターにいたみんなはたくさん話してくれて仲良くなりましたし、黒岩とはいろいろキャッチャーの話もしますし、道原とは2日目遊びましたし、山田とは主将同士で話したこともありますし。池田(コ3=智辯和歌山)なんかもオールスターでバッテリー組ませてもらったので、親交あるかなと思います。野球どういう意識でやっているとかいう話もしますし、あまりしゃべれないような大学生の話もしますし(笑)

喜ぶ松岡泰(写真中央)(東京大学新聞社提供)

―理想の試合展開
何とかロースコアに持っていくっていうのが理想かなと思っているのですが、3点以内に抑えることを目標で。そこから考えたときに相手ピッチャーの力量を考えてこっちの打線で3点しか取れないなとなったら2点以内に抑えるとか。どこまで失点を減らせるかがポイントになってくると思うので、ロースコアの展開に持って行けたらなと思います。

―捕手としてどういうことを意識してリードしているか
打ち取れるバッターで打ち取るというのが1番かなって思っていて。山田とかは打ち取るのが難しいですし、そういうバッターで勝負せざるを得ない展開を作らないことが大事だと思っているので、打ち取りやすい下位打線のバッターだったり穴があるバッターで押さえて、そこを四球で出したりエラーしないで抑えて、ランナーがいない状況で山田を迎える。打たれても次のバッターで抑えるというような、打線を見た中でやるというのは心がけています。

―学生野球最後、意識することは
意識することは無いかなと思っていて。なんとか東大野球部に勝ちをつけられて、最下位脱出という目標を達成できるように、そのたった1年を自分たちが戦うというような意識でやっていけばいいかなと思います。

―目標は
個人の目標は何とか3割打ちたいなと思っていて、チームとしては最下位脱出連勝で勝ち点2をとって最下位脱出をしたいと思います。

快く写真撮影に応じてくれた松岡泰

(この取材は9月1日、オンラインで行われました。)

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松岡 泰希(まつおか・たいき)

神奈川県出身。175cm78㌔。東京都市大付属→東大

強肩巧打の赤門軍団の主将。今春は12試合で打率.108の成績を収めた。

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◇井澤駿介投手◇

―リーグ戦振り返っての反省点
僅差での試合があまり作れなかったという点が挙げられて、実際に早大戦では引き分け2試合あったのですが、他の試合では序盤から中盤で差がついてしまって僅差で終盤まで試合を運べなかったというのが課題でそこが勝利に結びつかなかったのかなと思っています。

―夏はどんなこと意識して練習してきたか
個人としては毎年ではあるのですが、他大の選手と比べて球が遅いということがあるので、やはりそこをどれだけ速くできるかということと、あとは僕自身春リーグでは試合毎で調子が変わってしまって、それが結局結果につながってしまった部分もあるので、なるべく調子の波を小さくできるように変化球の精度をメインでやっているという感じです。(―どんな練習を)ブルペンとかで打者に立ってもらって試合に近い感覚で練習してみたり、ラクソード使って数値をみながら変化球の練習をしたりというのはありました。

投げる井澤(東京大学新聞社提供)

―投手陣ではどんなやり取りを
ピッチャー陣ではそれぞれやっぱり課題があって、各々が持ち寄った練習を共有したいとかあって、フィールディングとか細かい練習とかのそういうところは重点的にやっている感じですね。

―井澤さんの武器
カットボールが一応得意球で、球速がない分カットボールを使っていかに真っ直ぐを速く見せられるかということをやっています。(―他には)精度を上げようとして練習しているものはカットボール以外のスライダーやチェンジアップであったりとかは練習しています。

―ご自身のピッチングでの役割
これまで通りだったら先発するか可能性が高いので、そうなるとやっぱり、勝ち点ってことを考えた時に3試合で2勝しなければならない、そのうちの1戦を任せられるってことなのでとにかく結果と勝ちにチームに勝てるような投球をするというのは重要かなと思っています。

―4年生として意識していること
僕は2年生の頃から投げ続けていてこれまで下級生ながらも先発させてもらってここまで先発させて勝ちがついてないとことは結果を残せてないということなのでラストシーズンなんとしてでも結果残したいって気持ちは大きいですね。

喜ぶ井澤(東京大学新聞社提供)

―春に戦ってみた立大の印象
ピッチャーがすごく良くて点数を何点も取れるわけではないので、どうしても勝つとなったら僅差での試合になるのかなと考えています。野手は下級生から出ている選手もいるのでどう投手戦に持ち込むかっていうふうには考えていますね。

―警戒する選手は
山田選手とか警戒するのですが、1番は宮﨑選手(コ4=大阪桐蔭)です。結構身長は低いのですが、パンチ力あってかなり打球が飛んでいて、チャンスに強いっていうイメージがあるので特にその前にランナーを出したくないなって思っています。

―キーマンは
別府洸太朗(3年=東筑)というセンターの選手がいるのですが、これまでは守備がよくて肩が強くて下位打線にいて。この夏でバッティングが良くなっているので上位打線でたくさん打ってくれることを期待したいです。

―チームとしての目標
チームとしては最下位脱出を掲げています。個人としてはチームが最下位脱出ってことになると勝ち点2は必要だなと。チームとしては5勝くらい必要だなと。僕個人としては先発することが多いと思うので、目標達成は3勝と掲げています。

―ラストシーズンとしてどんなことを意識してやっていきたいか
ラストシーズンではあるのですが変に気負わずに、自分がこれまで4年間やってきたことをやれば自ずと勝利には近づくと思うのでこれまでやってきたことを信じてやりたいです。

(この取材は9月2日、オンラインで行われました。)

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井澤 駿介(いざわ・しゅんすけ)

北海道出身。180cm82㌔。札幌南→東大

2年秋から登板を重ねる東大のエース。プロ志望届を提出している。今春は7試合で防御率5.14の成績を収めた。

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(取材・山岡雄一郎・松尾悠 編集・山岡雄一郎 協力・東京大学野球部、東京大学新聞社)

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