【陸上競技部】#誇りをまとうために 日本選手権にエントリーされたRの精鋭たちを一挙紹介!①(24日・25日)

6月24日から27日にかけて、大阪・ヤンマースタジアム長居で日本選手権が開催される。23日時点で、立大からは7人の選手がエントリーに名を連ねた。東京オリンピック出場をかけて臨む選手も多い今大会。日本最高峰の舞台で、その名を轟かせるのは誰か。その候補となった7人の選手と、出場予定の種目を登場順に展望する。今回は前編(後編はこちら)。

男子1500㍍(予選24日、決勝25日)

5月29日、日本中距離界の歴史が動いた。主役の名は荒井七海(Honda)。アメリカ・ポートランドで行われた競技会で、彼が記録した3分37秒05は17年ぶりに日本記録を塗り替えるタイムだった。その荒井を中心に、今年の主要な大会を勝ちまくっている河村一輝(トーエネック)、ミラーが目標にも挙げており、連覇を狙う館澤亨次(DeNA)、高校歴代2位の記録を持つ佐藤圭汰(洛南)にも注目だ。他にも自己ベストが3分40秒を切る・迫る実力者がずらり。ハイペースが予想されるこの種目には、ミラー千本真章(コ3・立教新座)服部凱杏(営2・佐久長聖)が出場する。

ミラーは190㎝の長身を生かしたダイナミックなフォームと、そこから繰り出されるスピードが持ち味だ。4月6日の金栗記念(熊本)で3分44秒30を叩き出し立大記録を更新。先日の関東インカレでも2部優勝を飾った。この時の記録は3分50秒65だったが、この記録は1部でも2位に相当する成績である。「ポジティブ」に自分を奮い立たせるミラー。表彰台を狙う彼の、前に出る積極的な走りに期待したい。
服部は19日の全日本大学駅伝関東選考会からの連戦となる。1年時は怪我に苦しんだが、「休んでても体がなまらないタイプ」と回復してからの活躍は目覚ましい。1500㍍、5000㍍、10000㍍の自己ベストはすべてここ1ヶ月弱の期間に生まれたもので、むしろ怪我前よりもパワーアップしているとも言える。いい流れに乗って、この大舞台でもさらなる成長を見せつけたいところだ。
立大選手の他にも、激しいポジション争い、ペース配分や位置取りといった駆け引き、終盤のスピード感あふれる直線勝負など、火花散る1マイルのレース展開にも要注目!

男子100㍍(予選・準決勝24日、決勝25日)

9秒台が4人。日本史上最高峰の争いが間近に迫っている。6月6日に日本新記録の9秒95を叩き出した山縣亮太(セイコー)をはじめ、サニブラウン・A・ハキーム(タンブルウィードTC)、小池祐貴(住友電工)、桐生祥秀(日本生命)までが自己ベスト9秒台だ。学生からは昨年インカレ2位のデーデーブルーノ(東海大)やシレジア世界リレーにも出場し3位に輝いた宮本大輔(東洋大)、栁田大輝(東農大二)などがエントリーしている。見る者にまばたきは許されない、電撃の10カウントを最も速く駆け抜けるのは誰だろうか。

そんな激しい戦いに挑むのは河田航典(済1・中京大中京)だ。昨年も出場しており、2年連続となる。高校時代は強豪の中京大中京に在籍し、2019年の沖縄インターハイでは4×100㍍リレーで大会新記録を樹立。個人では昨年のセイコーゴールデングランプリで決勝に進出した。大学でも関東インカレ2部100㍍準優勝など大活躍。同期で関東インカレ200㍍準優勝の前田夏輝(文1・松戸六実)と共に、今後の立大を担う若きスプリンターである。ここ最近、中距離や長距離の活躍が目立つ立大ではあるが、彼ならきっと短距離の世界にも「立教大学」の名を刻んでくれるに違いない。

女子1500㍍(決勝25日)

女子中長距離界の星・田中希実(豊田自動織機TC、同志社大4年)の壁は高い。800㍍から10000㍍までトップレベルの実力を持つ彼女は、1500㍍でも異次元の強さを誇る。昨年8月下旬には4分05秒27をたたき出し、14年ぶりの日本新。10月の日本選手権ではラスト600㍍からのロングスパートで2位に5秒差をつけて優勝した。今回もスローペースから田中が一気に抜け出してハイペースになる展開が予測される。この展開に対応できるかが、メダル獲得の鍵となるだろう。
だが、気を付けるべき選手は田中だけにとどまらない。一昨年の日本選手権優勝の卜部蘭(積水化学)、昨年3位の後藤夢(豊田自動織機TC)。さらには今年5月に行われたREADY STEADY TOKYOにおいて、学生2位の記録まで自己ベストを縮めた樫原沙紀(筑波大)らがエントリーに名を連ねた。

この4分15秒を切る熾烈な表彰台争いに食い込もうとするのが、立大中距離のエース・道下美槻(社2・順天)だ。6月1日の木南記念では最後尾から少しずつ順位をあげ、田中のスパートにうまく対応した。卜部、樫原を振り切り3位でフィニッシュ。4分15秒33の学生歴代5位の記録を叩き出した。オフシーズンで課題だった「持久力」と向き合い、今季は約7秒も自己ベストを縮めた道下。この勢いのまま、昨年9位から表彰台へ下克上なるか。昨年とは一味も二味も違う彼女の走りに要注目だ!!

(6月23日・濱渡晏月、田川怜奈)

後編&第100回関東学生陸上競技対校選手権

 

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