【陸上競技部】箱根路スタートラインまでの道のり~男子駅伝クローズアップ企画③~

古豪復活への第1歩となるか!?
1月2日から3日にかけて行われる第97回東京箱根間往復大学駅伝競走に、中山凛斗(コ1=九州学院・熊本)が関東学生連合の一員として出場する。立大の選手が学生連合に選ばれるのは中村嘉孝(08年度卒、現陸上競技部女子駅伝監督)以来12大会ぶりの快挙。また立大では創立150周年事業として、「立教箱根駅伝2024」が取り組まれている。1968年から52年遠ざかっている箱根路へ向け、今大会は大きな進歩となりそうだ。
今回は中山自身にフォーカスを当て、彼のここまでの道のりをクローズアップする。


「やっぱり、注目はされたいタイプですね」
自身についてそう語る中山だが、過去の戦績を見れば「注目」に値する選手であることに、疑いを入れる余地はない。
中3で全国中学校駅伝を経験し、高校時代は強豪・九州学院で全国高校駅伝やインターハイにそれぞれ2度出場。特に2年次の都大路では5区で区間3位の好記録を残した。

その勢いは、立大に進学後さらに加速する。
「監督が速いんですよ」
男子駅伝チームを率いる上野雄一郎監督は、今年の日本選手権5000㍍にも出場するなど、その走力は現役部員の誰よりも高い。そんな上野監督が選手と一緒に走ることで、外から見ているだけでは分からない発見や気付きを選手たちは学んでいる。監督に勝つのは「まだ厳しい」と語る中山も、そんな環境下でその実力をみるみる開花させていった。

コロナ禍で不規則なシーズンとなったものの、初めて挑んだ箱根予選会のハーフマラソンは1時間3分13秒で立教記録を更新。11月7日の同立定期戦では5000㍍で自己ベストを更新し、わずか1週間後には10000㍍を28分50秒52で再び立教記録を塗り替えた。
1年生ながら長距離2種目で立教記録を保持する中山。約半世紀ぶりの箱根路を目指すチームの中で、ひときわ「注目」の存在であることに違いはない。

粘り強さが持ち味と語る中山(写真中央)。夢の箱根路へ、準備は万全だ。

粘り強さが持ち味と語る中山(写真中央)。夢の箱根路へ、準備は万全だ。

 

しかし、強豪校が数多くある中で、なぜ中山は決して強豪校とは呼べない立大へ進んだのか?
「色々お話を聞いていて、箱根駅伝をイチから目指すっていうところが面白いなって思いました。高校時代は大きな大会には普通に出られていたので、そこにマンネリ化があったんです。でも箱根駅伝に出られない状況から、チーム一丸で切磋琢磨してそこを目指す、という目標に興味を持ちました」
既に存在する強豪校に入るのではなく、自分たちの手で強豪校にしてみせる。その心意気にひかれた中山が、チームの掲げる「2024年箱根駅伝出場」という目標に向け、まずは学生連合の一員として箱根路を駆ける。

出走はいよいよ本日。中山は4区(平塚中継所~小田原中継所)に出場予定。4区は相模湾沿いを走る21.3kmのコース。あたたかな日差しと、山からの冷たい風が生む寒暖差がカギとなる。

【男子駅伝クローズアップ企画】

(取材・編集/濱渡晏月)

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