【ホッケー部女子】 #10月クローズアップ対談企画 仲の良さと勝利にこだわるチーム

秋季リーグ真っ只中のホッケー部女子。1部リーグとの入れ替え戦がなくなったことで、目標を2部優勝として奮闘している。ホッケー部女子はコロナ禍で、どのように練習を行い、どのように部内のモチベーションを保ってきたのか。そしてそこから見えてきた「ホッケー部女子らしさ」とは何なのか。主将・小田(現4)と主務・倉光(社4)に話を聞いた。

カメラに向かって明るい笑顔を見せる小田(左)と倉光

―ホッケー部女子の近況を教えてください
小田:リーグ戦始まって1試合勝って、調子としてはいい方向に進んでるのかなと思います。でも怪我人が多くて、人数も少ないので、練習が思うようにできないって感じですね。

―何人も怪我をしてしまった?
倉光:立て続けに骨折が出てしまったので。似たようなポジションの人がドッと怪我してしまいました。

―リーグ始まってからのチームの雰囲気はどうですか?
倉光:チームの雰囲気としては、今までよりかは学年を超えたチームなので、一致団結していると思います。
小田:そうだよね。
倉光:もともと先輩後輩関係が仲良い部活で、それが売りだったんですけど、それが今まで以上にコミュニケーションとれて、試合に向かっているっていうのが実感としてありますし、コロナで春リーグが終わって、秋も入れ替え戦がなくなったりして、モチベーション保つのもプレイヤーは大変だったと思うんですけど、今自分たちができることを精一杯やろうという気持ちです。

―「自分たちのできること」は具体的にありますか?
小田:入れ替え戦がなくなったので、明確な目標は2部優勝です。

―コロナであんまり練習できなかった時期はどう過ごしましたか?
小田:3月から7月の5か月間は練習できませんでした。部に家族制度があって、4年生から1年生まで混ざった家族制度が4つあって、各家族がZoomで筋トレしたり雑談したりしていました。
倉光:週3回ぐらい開いてました。
小田:そんな風にコミュニケーション取ってましたね。「今何してる?」とか聞いてました。
倉光:家にいなきゃだったじゃないですか。同期の間でもミーティングしてましたね。

―週3回になった経緯は
小田:週2回は少なくない?みたいな(笑)
倉光:でも自粛中暇だし、話してた方が気がまぎれるし、チーム2020としての目標が春季リーグで一部に昇格して、それを秋季リーグでも維持し続けるってことで。春季リーグで入れ替え戦がなくなってしまって、その時点で秋季リーグは入れ替え戦があると思っていたので、絶対に秋季リーグで昇格するっていうのがうちらの中であって。だからコロナだとしても、影響を最小限にしたいし、人数が少ない分、団結が必要だということで、同期間だけでなく、敢えて縦割りの方で筋トレをしてしました。

―家族制度はいつからありましたか?
小田:もともとありました。
倉光:やっている内容は代によって違いますね。ご飯いったりとか。
小田:全く使わない代もありました。

―自粛中に得たものはありますか?
倉光:やっぱり集まって練習したかったですね。
小田:感じた事ならありますね。部活を週5回通っていて、大変だったけど、無くなると無くなるで意外とつまらないなって(笑)
倉光:あるある(笑)
小田:なんだかんだ部活っていいなって思いましたね。
倉光:自分たちは就活も重なっていたので、あんまり人に会えない時期にどうでもいいことで電話できる人がいたっていうのは自分の中では有難かったし、活動期間が短くなった分、同期といろいろ話すようになったと思います。どういう風にチームを運営していこうとか。
小田:短いからね。
倉光:短いからこそ、話すようになったと思います。

―同期の間で?
倉光:同期の中でチームを運営していこうとか、そういう話はせざるを得ないというか、短いからどういう風にしていくかっていう話は今まで以上にするようになったのかなって思いました。

―筋トレしてたというのは具体的にはどういう風に進めて行きましたか。
小田:最初はあれだよね、YouTubeの「のがチャンネル」っていうのがあるんですけど。筋トレする女の人なんですけど。それを各家族でやってて。それプラス家族ごとにやりたい筋トレをやるっていうふうになってたよね。サッカー選手の長友さんのもやってたし。どんどん変わっていった。

―コロナが落ち着いて再開したと思うんですけど、再開のときの感じは。集まった時の。
倉光:それは嬉しかった。
小田:嬉しかったけど私は不安が大きかった。どうもね…。だって5ヶ月もプレーしてなかったら…。わたしたちのチームは人数的に新2年生が主なんですよ。初心者が多いので、対人とかのメニューをやってても今までのチームと全然違って話にならないみたいな。攻めも守りもぐちゃぐちゃみたいになってて、もうどうしようみたいな。みんな言葉には言ってないですけどそう思ってたというか、感じてたとは思います。4年生は。
倉光:初心者メインの部活なので、初心者であることは問題ないんですけど。今までは人数が多い部活で1・2年の時は試合に出れなくて、3年でも上手いは出れるけど下手な人は出れなくて、4年がメインみたいな感じの部活だったので。今まで私たちが1・2年で見てきた先輩たちのことをそのままやっても無理。たぶん結果が出ないから、短い期間で1から立て直してかなきゃいけないし、しかも私たちも5ヶ月間プレーをしてなくてもう衰えてる部分も多少あったと思うし。自分のこともやらないといけないし、チームのこともやらないといけないみたいな感じで結構バタバタしてたし、監督とかからも「ホッケーになってない」みたいな。もうそういうレベルだったので。だけど、それがちょっとずつ練習していくうちに変わって行って、上手くなっているのとか見ると春からやりたかったなって正直思いました。

―どういうところを強化した?意識した点は?
小田:春の時は体力とかホッケーでボールを触るっていうよりも体力の面を強化しようみたいになっていたんですけど、それがなくなっちゃったので、夏は体力とかじゃなくてボールいっぱい触ってとりあえず対人をいっぱいやって慣れる、無理やりでもいいから慣れるっていうことだけしかやってないですね。
倉光:コミュニケーションとかが大事になって来るのでめちゃくちゃ話していましたね、みなさん。
小田:そうだね。

―学年超えて?
倉光:そうですね。対人の一つの練習が終わったらバーって話してもう1セット同じことやってまたバーって話してみたいな。意思疎通がね、難しいね(笑)。

―8月の練習開始からリーグ戦開始まで1ヶ月。焦りはあった?
小田:ありましたね。あったよね。
倉光:絶対間に合わないと思ったもん。
小田:私もボロボロに負けるかと。
倉光:そうそうそう(笑)。
小田:最初東大だったんですよ、監督とかが今までの立教のチームで考えていて東大は格下だから絶対に勝てるみたいな。今年のチームから考えたらそんなの絶対に勝てるとかないのに、ね。勝って当然だみたいなことを言われて。
倉光:慣れだと思えみたいな。練習とまでは言わないですけど。
小田:練習試合みたいな感じで考えていて、いや、そんなねえって(笑)。焦りとか不安はめちゃめちゃありました。

―実際初戦勝った時はどのような気持ちだった?
倉光:よかったって(笑)。一安心はしたけど、勝つことが目標ではないので、しかも初戦で。最後まで終わってから安心したいです。
小田:ひとまず安心だよね(笑)。
倉光:ひとまずやっていたことは間違いじゃなかったのかなとは思いました。

―1年生はどのくらい入ってきましたか
倉光:3人です。例年よりは少ないです。そもそも人の良さを売りにしている部活なので、食事会とかが私的には良いんですよ。ホッケーの競技自体に興味があって入る人はほぼいないので、雰囲気なんですよ。その機会がなかったのは、私たちは痛手でしたね。でもどの部活も条件は同じなので、0人じゃなかっただけ良かったかなと思いますね。1人はマネージャーで、2人はプレーヤーです。

―1年生は自粛してて練習できていないときは、ファミリー制度に参加していましたか?
倉光:Zoomとかで、おしゃべりしようとかいう会は何度か開かれていて、その中で筋トレなどの家族制度に参加したりはしていて、そうすると素の姿は見れたり、インスタとかは見てくれていました。

―お2人のお互いの印象は?
小田:こんなにヘラヘラしてるように見えて、仕事は一番できるんですよ。部活のことを一番考えていて、そこはすごいなって思います。結構たまに言葉とか強くなるんですけど、それで一年生のときは揉めたりしていたんですけど、

―喧嘩みたいな感じ?
倉光:喧嘩だったね。
小田:あれはね(笑)今は、部活のことをちゃんと考えて言ってくれてるんだなと思うし、ね。尊敬する部分は同期の中で一番多いと思います。私あんまり仕事できないんで(笑)
倉光:まあそうですね(笑)
小田:主務なんですけど、聞いたりしたら色々教えてくれたりするんで、頼りにしてますね、私は。

―倉光さんから見た小田さんの印象は?
倉光:自分よりも周りの意見を聞くタイプだなっていうのを主将になってから特に感じるようになった。考えなしにとまでは言わないですけど、私が我が強いタイプなので、私から見ると意見がないように見えると正直、下級生の時は思っていたし、なに考えているのかわからないっていうのがめっちゃあった。その根本は変わってないと思うけど、代によってまとめ方はそれぞれだし、そのチームの人数とかに合ったチーム運営をしていくべきだと思うんですけど、それでりさこはうちらの話もめっちゃ聞いてくれるし、後輩の意見も取り入れるし、自分が下級生の時はマネージャーだったからまた別かもしれないんですけど、あまり自分が必要とされてるとは正直思わなかったし、いてもいなくてもいいみたいな感じだったんですよ。人数が多かったし。けど、それがたぶん2年生の時から意見を求められるようになったりだとか、どういうふうにしていくべきなのか、人数も少なくて実力不足で例年に比べて今までで一番実力がないみたいなチームをどういう風に良くしていくのかというのを2年生の時から考えさせるっていうのは今後のチームに役立つんじゃないのかなと思いました。

―結構活発に話し合う部活?
倉光:他の部活を知らないのでなんとも言えないですけど…私内部生なんですけど、高校の友達が他の部活にちらばってて、そういう人の話を聞くと、話してる方だなと思います。自分がいなくても平気っていう意識を誰一人として持っていないので、それは(他の部活と)違うのかなって思いました。

―その話にも繋がるが、ホッケー部女子らしさとは
小田:難しい…(笑)

―実はこれが本題で
倉光:えーー!難しい(笑)

―どういうチームを作っていきたいとか
小田:私は今まで自分が下級生だったことも踏まえてもっと下級生がプレーしやすい環境をつくって、意見しやすいとかもそうなんですけどそういうちゃんとしたチーム……なんて言えばいいんだろうね?
倉光:わかるわかる(笑)人権がないんですよ(笑)下級生の時は。
小田:そうなんですよ。私たちが下級生の時は…
倉光:ミーティングにも参加してないよ。3・4年生だけミーティングしてて1・2年は別部屋で別のことしてたみたいな。
小田:対人メニューとかのときも下級生は1回だけにしてとか、1人だけ入ってとかだったので。
倉光:いると止まるから。仕方ない、当然なんですけど。
小田:そう言われてて、チームのこととかも分からないままずっとやってきてたのでそういう思いはさせたくないなって思ってます。ちゃんとしたチーム!なって言えばいいんだろ(笑)
倉光:意見を全員が出せるみたいな感じ(笑)
小田:そう学年がわかれないでっていのは、そういうチームがいいなと思いました。あとは、上手い子が下に1人いるんですけど、久佳(安達=文3)っていうアスリート選抜の。私が去年試合に出始めて感じたのが、1個上の先輩にも上手い先輩が2人ぐらいいたんですね。私が試合に出てても、パスがあんまり回ってこないんですよ。上手い3人でぱっぱっぱっぱってやって、みたいな。その人たちがバーってドリブルして最後ちょっと触るとか。チームと言うよりかは上手い人がやってて試合に勝って終わりみたいな。こっちはやってる側としてはあんま勝った実感もないし嬉しさも多少は感じるんですけどやりきった感はなくて。自分が一番上になった時に上手い人がドリブルでいくんじゃなくてみんながパスで繋いで得点まで持って行けるっていうような試合にしたいなとは思ってました。私が主将になった時は。
倉光:うーん。だいたいりさこ(小田)が言ったことで(笑)いい気がします(笑)無駄な上下関係はいらないと思います。ある程度は必要ですけど、タメ語とかきかれたらめっちゃ腹立ちますしそういうのは嫌ですけど、私引退した後も、その関係が続くのっていいなって思います。自分が先輩とかとご飯に行く機会とかあって引退した後にも。で今の部活の状況とかをバーって言ったりとか、どうでもいい話とかもできたりとか、そういう風に頼れる先輩がいるっていうのは自分の中ですごくありがたかったので、そういうのが部活を抜きにしても色々話せる環境だと良いなって思います。

―他大のチームと比べて自分たちの強みは?
倉光:プレーしていて上手くいかない時にイラついて暴言吐く人がいない。それでかい(笑) もしそれが上手い人とか4年がその雰囲気を出すと萎縮するっていうか、それって悪影響。勝ち負けにとって悪影響だから、それって練習中にやるべきことであって試合中はイケイケーって方がいいと思うんですけど、まあ試合にしても反省はするべきだとは思うけど、気にしてる場合じゃないので、それはなんかピリピリした雰囲気になったりとかしないっていう。
小田:そうね、それはないね。
倉光:結構他大とか見てると「オラーっ」みたいなピリピリして、どんどんどんどん一人でわーって行く上手い人がわーって言って、結局点は入らないけど、それは多分チームのメンバーも感じ取っちゃって、どんどん悪循環というか。まあ私はベンチでめちゃ暴言吐くけど。
小田:審判に注意されるんですよ。「マネージャーが暴言吐きすぎだよ」って(笑)
(―選手に向かって暴言を吐くんですか?)
倉光:審判にもう(笑) あの審判に対して笑 まあ選手にも言っちゃってる、けどそれは暴言ではない。審判には暴言だけど、選手には暴言吐かない。「今の取れるー!」とか。ピリピリしてない。

―それぞれホッケーをやる上でモチベーションになっているものは?
小田:ちょっとこれ難しいね、なんで続けてんだろうね。
倉光:途中で辞めずにってことですよね。
小田:でもなんだろう、特殊かもしれないんですけど、やめられないっていう(笑)
倉光:義務感(笑)
小田:本当に人数がね!?(笑)
倉光:特殊だなー(笑)
小田:やめられないっていう責任感もあるし、なんかなんだろな。辞めたらつまんないだろうなって、結局。コロナでも思ったんですけど。やめた後のことを考えたりとか、自分ダメ人間になるなって。ずっと寝ててなんもしない生活を送るだろうなって(笑)思うのもあるし、あとは同期ですね。同期がいるんで、裏切れないなって。なんかみんなそれぞれ人数少なくてつらい思いをしてるのは同じなのに、そこで自分だけ逃げるのも違うなーみたいのは思いますね、私は。
倉光:んー。私は同期がメインですかね。

―仲良しですか?
倉光:そうですね。
小田:仲いいよね。
倉光:仲悪くない。
小田:ずっと騒いでる(笑)
倉光:間違いない(笑)

―同期いるから部活行こうみたいな感じ?
倉光:うん。面倒くさいんですよ朝起きたりとか。週5で面倒くさいし、正直言って(笑)面倒くさいけど、行ったら行ったで楽しいし。頑張ってるからみんなそれぞれ。だから多分みんなそういうのが嫌いじゃないから4年間続けてるので、まあ、うん。

―今後はどうなっていたいか
小田:1人も怪我なく、全員が試合に出られる状況で、勝って終わりたいです。2部優勝。
倉光:同じくです。

(10月23日、取材・編集 彦坂秋恵・唐鎌光生)

「立教スポーツ」編集部では現在の活動状況を鑑み、10月号は紙面の発行を行わず、Web記事(クローズアップ)での情報発信をする運びとなりました。取材にご協力いただいた各部の皆様、ありがとうございました。

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