【スケート部フィギュア部門】〈4年生引退特集〉銀盤に刻むスケート人生の軌跡。土屋(理4)が語る「私にとってスケートは…」

スケートを通じて新しい自分に。

ジャンプをクリーンで着氷する土屋

ーラストイヤーを振り返っていかがですか。
4年生っていうのは幹部学年じゃないですか。だからしっかり先輩らしい接し方をしなければいけないなと。3年生のときは、先輩がいたからなんとなく甘えちゃったりしてたんですけど、先輩がいなくなった状態での部活の姿勢とかそういところとかは気をつけて部活に対して真剣に取り組んだ1年だったかなと思います。

ースケートを始めたのはいつですか。
スケートは中学の時に1年ほどやっていて。最初は教室みたいな感じだったんですけど、上手くなるにつれてクラブに所属という感じですね。元々、関西の方に住んでいたので大阪でクラブに入って1年ほどお世話になっていました。

ーフィギュアスケートをやりたいと思ったきっかは何ですか。
きっかけは小さい頃から親に連れて行ってもらっていたりしていて、滑るのが楽しかったので。中学の時に神戸のリンクにいた趣味のお爺さんスケーターがいらっしゃってその人に声をかけてもらって一から教えてもらって。だんだんそれが楽しくなって、その時はテレビでフィギュアスケートの試合を見たことがなくて、でも興味が出始めてYouTubeで動画を漁ってすごいやりたいと思いが芽生えて、大阪の教室に通いました。結構遠くて1時間くらい時間をかけて通っていました。クラブに入ってからが大変で、練習が朝の6時からだったりするんですよ。そうしたらもう4時起きとかで親に送ってもらったりして本当に家族全員でやってきたっていう感じです。

ーその時YouTubeで観ていていいなと思った選手はいますか。
織田信成選手がすごく好きで。着氷の時の膝の柔らかさだったり、面白さがちゃんとスケートに表れていたりして。オリンピックでのチャップリンとかは見応えがあるので何回も再生して見ていました。

ー土屋さんのプログラムについて教えてください。
『死の舞踏』という曲で、それも織田信成選手が披露していて。結構迫力のある。フィギュアは何となく優雅な感じでゆったりとしたクラシックで滑ってると思うんですけど、それとは反対に早いテンポで怖い感じ、シリアスな感じで。同期のプログラムと比べると異質な雰囲気ですね。こっち(東京)で一時教えてもらっていたその先生が振り付けしてくれました。
自分が結構マイペースな性格なので激しい動きとか速い動きが苦手なんですけど、プログラムでそういうことが表現出来て嬉しいなと思っていますし、何回も何回も試合で踏むにつれてもっとこの曲が好きになったんですよ。だから本当に最後まで使えて良かったです。

―辛い時期や辞めたいと思うことはありましたか。
すごく辞めたいって思うことが何度も何度もありましたね。自分のやりたい技が出来ない時とかすごく辞めたかったし。同期だったり先輩との人間関係とかで結構悩んでたりして辞めたいなと思ったんです。やっぱり続けたいなと思う回数よりも辞めたいなと思う回数の方が多かったですね。

ーそれでもスケートを続けることができた原動力は何ですか。
同期の主将・染谷と週3で会ったりして。染谷の明るい性格が本当に元気にさせてくれて。染谷の存在があったから続けられたかなと思います。人生でこんなに気の合う人がいるのかっていうくらいの人で。辞めたいっていう時も染谷に相談して、染谷が辞めたいっていう時は私が励まして、なんとか続けてきたっていう感じですね。技術とかじゃなくて、人生長い中でそういう友達ってなかなか出会えないと思うんですよ。だからすごい運が良かったですね。それも含めて部活入って良かったなと思います。

最後の舞台で“曲変更”という大きな決断。

スケーティングをする土屋

ー最後の舞台となる演技会。どのような姿で終えたいですか。
曲が変わるかもしれないんですよ。自分は技術もそんなに足りなくて、表現力も足りなくてフィギュアスケートのレベルではないと思うんですけど、自分が満足できればいいかなと。他人の評価ではなくて、4年間でやってきたことを出し切って自分がよかったなと思える演技が出来れば1番じゃないかなと思います。

ー最後の舞台で曲を変えようと決断した理由は何ですか。
今まですごい忙しくて曲を変える暇がなくて。でも引退を考え出した時にもっと表現力を向上させて滑ってみたいという欲が出てきて。ギリギリになって変えることになってしまったんですけど。

ー後輩に向けてメッセージを残すとしたら。
上級者と下級者の話になるんですけど、上級者の人にはインカレに出てほしいなと思います。インカレって思った以上に最高な舞台だと思うし、そのおかげで多くの人にフィギュアスケートを知ってもらって盛り上げてほしいなと思います。下級者の人には私みたいに辞めたいって思う人が多いと思うんですよ。でも、そんな中でも自分の良さ、辞めたいなって思った時にも頑張れる力を身につけて人間的に成長してほしいなと思います。

私にとってスケートは、「元気になれる栄養剤」。

演技終了後、観客に挨拶をする土屋

ー土屋さんにとってスケートとは何ですか。
元気になれる栄養剤みたいな。運動ってやっぱり元気が出るじゃないですか。受験とかで上手くいかなかった時も、スケートで体動かしたらすごい元気になって受験勉強も集中できたし。あと、染谷に会って元気が出て。4年間元気でいられたのはスケートのお陰じゃないかなと思っていて。昔はいろんな病気とかあったりして、大学4年間で健康でいられたのはスケートのおかげで、だから「栄養剤」元気の源」という感じかなと思いました。

(2月11日 取材・編集 大上文・富田早紀)

関連記事一覧