【ボート部】インカレ直前インタビュー②女子ダブルスカル(角谷、五十嵐の)

2人で仲良く“W”ピースを披露した

大学日本一を決める全日本大学選手権(以下、インカレ)が4日から開幕する。「志」をスローガンに掲げた立大ボート部は男女優勝全艇入賞を目指して大一番に臨む。女子ダブルスカルには女子部主将かつ絶対的エース・角谷真緒(コ4)と、期待のホープ・五十嵐のどか(現2)が乗船する。

元気よく意気込む角谷

ストローク・角谷

ー今の心境は
最後だなーって、大学ボート生活を引退できるのは嬉しいことなんですけど、大会が終わればこの寮から出て行くので悲しいような感じです。
ー立大としてダブルスカル出場は久しぶりだが、エイトとの違い
まず、2人だけなので、またスイープとスカルで船のスピードも違いますし。8人だと沢山乗ってる分、ちょっとごまかされる部分があるんですけど、2人だとモロに船に影響するというか、そういう感じを乗ってて感じるので、全日本でのスカル種目は難しいなと感じました。
ー国際大会に出場して、部に還元できるもの
世界の選手はもちろんスタートも速いんですけど、スタートが速いから最後落ちるとかなくて、スタート速くてしっかり中盤もそれなりのスピードを保って最後はしっかり上げられるというのが世界の戦い方だなと身をもって感じられたので、コンスタント強いから大丈夫とかじゃなくて、全部強くないと油断できないというか勝てないんじゃないかなという気持ちで立教のクルーも漕げたらいいんじゃないかなと思います。

ー五十嵐との相性
去年の東日本の時に一度組ませてもらってて。彼女はけっこうポテンシャルが高い選手だと思ってるので、やろうって自分たちがこのポイントを絞って練習しようとか言ったことをちゃんと漕ぎに表してくれるような選手なので漕いでて日々仕上がってるということで相性はいいかなと思います。

ー五十嵐と1年間共にプレーしてきて成長したなと感じさせるところ
彼女は冬に怪我を経験したので限度というものをしっかり踏まえてギリギリのラインで練習することができるようになったなと思います。

ー陸に上がった彼女の性格
陸に上がると子供っぽいというか明るいというか、自分の世界を持ってる感じの子かなと思うし、優しい心を持ってるというのが伝わるのでいい子だなと思いますけどもうちょっと周りを見渡せるなったらなという思いもあります。
ー緊張感は日々増してるか
増してますかね。緊張よりも最後ですし楽しみというか、そっちの方が自分の中では強くて。全日本も優勝してインカレとかクルーがばらけた時に女子がどれくらいの力を発揮できるかとか、もしかしたら総合優勝狙えるくらい力をつけているのではないかと思って、自分的にはすごくワクワクしてします。
ークルー内での役割
自分が先輩という立場で、4年生で最後なので自分が経験してきたことを伝えるのはすごく苦手なので無理ではないんですけど難しいんですけど、自分が経験してきたような漕ぎ方とかレースへの姿勢とかを、これからあと2年ある五十嵐に伝えて、戦力になっていく人材だと思うので今後に繋げていけたらいいかなと思います。私が4年間でしてきた全てを彼女に上手く伝えられたらなと、言葉じゃなくて、伝えられたらいいかなと思います。

ー他の後輩たちに遺したいもの
実は漕手日記に自分の思いを何となく全て書いたんですけど、思いは絶対にボートとかこの生活を絶対楽しんでやってほしいということと、失敗を恐れず挑戦してほしいことと、エイトの時にやっぱり気持ちというものはすごい強いなと改めて感じたので、自分が他の人から、この人と乗って勝ちたいと思われるような、技術面だけじゃなくて人としても、乗ってもらえるような人であり続けてほしいなと思います。

ー4年間を振り返って
すごい思うのは、苦労というものを一切せずに終わったなと思ってて。そういうことになったのも周りの人がキツい時とか落ちてしまったときに助けてくれたりしたからだと思ってて。後輩とか先輩方に恵まれた4年間でした。

ー4年間で学んだこと
けっこういっぱいあるんですけど、今でも十分でもないんですけど言葉遣いであったりそういった目上の人に対する礼儀だとか人との関わり方とか相手をしっかり見るというか周りをしっかり見るということを学んだなと思います。特にこの1年間女子部主将をさせていただくにあたって周りを見るようになってきたのかなと思ってます。

ーインカレ当日の自分のPRポイント
PRは泣かないことです。勝っても負けても泣かないようにしたいと思うので。レースに臨むにあたってリラックスは大事だと思うので「笑顔」ということにします。

ー最後の大会で自身が最も求めるもの
求めるものはやっぱり勝ちです。努力は報われると思っている人なのでそれを後輩のみんなに頑張ればもっと出来るんだと証明できるインカレにしていけたらいいかなと思ってます。

スローガンを背に意気込む五十嵐の

バウ・五十嵐のどか

ー全日本優勝後、ボートに対することで変化したことは
大学に入ってちゃんと結果残せたなって、メダルちゃんと獲れたなって思って、それはきっと自信になったかなって思います。大学1年の時は成績が良いわけでもなかったので、やっぱり大学はレベル高いなってちょっと思ってたので、でもそれでちゃんと結果を残せて自分の中では自信になったかなと思います。(ーチームの雰囲気に変化は)たぶん全日本終わった後の納会でも石政さんとかが言っていたように男子と女子で、「男子に負けたくない」男子は「女子に負けたくない」っていうチームの中の相乗効果があって、女子だけ頑張ろうとか男子だけ頑張ろうとかじゃなくてお互い負けないように頑張ろうってなってるのがすごい良いなとは思いました。(ーより団結して)うんうん。

ー角谷との出場について
日立明の時に乗れなかった時に、全日本・インカレちゃんとできるように日立明出ないって決めてたので、だからインカレで真緒さんと乗りたいって思ってたので、願いが叶ったというか、そうさせて頂いて、そういう機会を頂けて本当に嬉しいって思う分、ちゃんと結果を出さないとなっていうプレッシャーもある分、出したいなって思いますちゃんと。優勝したいって思います。

ー昨年の東日本選手権以来のペアだが、1年経って変わったことは
練習してて、絶対優勝したいっていうのがあるので、気持ちは前よりも折れないっていうか、ような感じがします。気持ちがあって諦めちゃうってことはない気がします。何て言えば良いんだろうな。本当に上手く喋れない。(ー目標に対する想いが以前よりも強い)強いから、練習に対しての気持ちが前乗っていた時よりももっと勝ちたいっていうのも強いと思います。

ー1年経って、個人的にここが成長したから合わせやすくなったとかは
乗ってすぐの時はやっぱバラバラだしっていうのもあったんですけど、乗っていくうちにちょっとずつ、オール1枚で押すっていうところとかが乗り始めの時よりは最近良くなってきたかなと思います。あと前よりも体重移動を意識するようにして、まだできてないんですけど、前よりは真緒さんに近い体重移動ができてるかなって思います。たぶんすごい自分の幅で漕いでたので、ちょっと真緒さんに合わせるようになったかなと。

ーインハイ優勝時に乗っていたのがダブルスカルということで、思い入れはあるのか
ダブルのバウに乗るというのに良い意味で安定感とか安心感はあります。ダブルのストロークってなったらまた違うと思うんですけど、ダブルのバウっていうのがなんか自分にしっくり来るなっていうか、安心感があります。やっぱでも声掛けするのは後ろの人なので、前の人は前見ながら喋ってもあんまり聞こえないから、後ろの人が喋るんですけど、たぶん自分は結構声出す方なので、バウが合ってるのかなって思います。正直エルゴのタイムが全然追い付かなくて、たぶん去年の今ごろの自分よりも漕げてないかなくらいなんですよね。だからたぶん、もう何ヵ月も経ってるから前できていたことはできなきゃいけない、できるはずなのに出なくて、エルゴの面ではちょっとうーんって感じなんですけど、でもそれでも自分の中でできることは全力でやらないとなって。自分の今できることをちゃんとやらないとなって思います。

ー2人の雰囲気は
先輩なんですけど私もいろいろ言っちゃうので、悪くはないんですけど2人とも勝ちたくていろいろあるから、でもそういう勝ちに対してちゃんと言えるような環境を作ってくださってありがたいなと思います。 (ー衝突はある)衝突ではないですけど、どうしたら早くなるかとか、もっとこうした方が良いんじゃないかっていう話をちゃんと2人でできてることに、そういうことを言える環境にしてくれている真緒さん(角谷)に感謝だなと。(ー空気が悪くなったりはするのか)私が艇が進まなくなってくると黙るんですよね笑。それで空気が悪くなったりはしないんですけど、私が黙ります。考えすぎて言葉を発さなくなるなと思います、悪いんですけどね。

ークルー内における自らの役割
やっぱ声掛けをするのが私、バウなので、レース中とかも岸蹴りのタイミングとか、そういう行動をちゃんとしないとなって思うので、それは私の役割かなと思ってます。

ー具体的な目標は
優勝ですね。全部1着で決勝までいって、決勝も1着で終えたいなと思います。とりあえず最後の大会なので、真緒さんの最後の大会なので金メダル取りたいなっていうのが大きいのと、この目標を達成するために絶対優勝したいなって思います。

ーそんな4年生から最後の大会で学びたいこと
楽しむこと。皆明るいんですよね、4年生の先輩って。それがすごいなと思います。こんなにキツいことやってても皆辛いだけじゃなくてっていう。あと、後輩を大事にするっていうか、ちゃんと面倒見るってプライベートで遊びに連れていってくれるってことだけじゃなくて「こうした方が良い」とかそういう色んなことを教えてくれるので、そういうこも伝えられる先輩になりたいなと思います。

ー最後の大会で角谷の背中を見て漕げるのは部内で自分だけ。特別な経験になりそうだが
真緒さんの漕ぎをちゃんと吸収してって思います。教えられるかは分からないです。すごい上から目線になるのが嫌なんですけど、でもちゃんと漕ぎを吸収したいなって思います。(ー漕ぎ以外の面で学びたいことは)真緒さんって皆言うと思うんですけど強いのに強い感じを出さない。すごい良い意味でヘラヘラしてるっていうか、結構辛い練習の時もそんな感じなので、辛いっていうのを口に出さないし、あんまり周りに出さないし、自分も大変だけど女子部の主将として皆を見てくれる。結構皆に声掛けてくださるんですよ。だからそういうところすごいなって思います。

ー角谷とはプライベートでもよく遊んでいるイメージだが
ご飯食べに。そのご飯食べに行ったりも特定の人とばっかりじゃなくて色んな人と行く。だからすごいなって思います。皆と行くから。だから皆のこと気にかけてくださるし。誰よりも女子部のこと考えてくださってるしボートのこと考えてるのがすごいなって思います。

ー今大会、自身が最も求めるものは
優勝。目標もだし結果もだしメダルもだし。結果になるのかな…。いや、全日本の時は結構たぶん皆支えてくれるマネさんにとか。私は真緒さんに金メダルをかけてほしい。

(取材・合田拓斗、渡邊大樹/文 渡邊大樹)

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