【野球部】池袋VS新座!松﨑世代ラストゲームは両軍、リクエストに泣く…/立大野球部引退試合

平成30年度立教大学野球部4年生引退試合

12月9日 立大新座キャンパスグラウンド

<審判>球審・菅谷(済3=水戸第一)
一塁審・敷名(社2=神戸国際大附)
二塁審・東(社1=福岡大大濠)
三塁審・鷲津(現3=世田谷学園)

<解説>長谷(コ3=報徳学園)
赤嶺(コ2=那覇西)
中崎(コ2=立教新座)
柊(済2=高崎経済大附)


(新座)伊藤翔―境田―加藤郁―太田亮―加藤郁
(池袋)間宮―佐々木竜―西山―坂井―橋本―吉村

<ハイライト>
1回:間宮(社4=立教新座)、伊藤翔(コ4=桐光学園)両先発3人で斬る立ち上がり
2裏:横関(済4=立教新座)がこの試合初出塁。久戸瀬(済4=金光学園)がヒットでつなぐも無得点
4表:峯本(コ4=大阪桐蔭)が新座キャンパス生初ヒットとなる3塁打。本塁狙うもアウト
4裏:代打・松﨑(文4=横浜)が3塁打を放ち本塁狙うもアウト。リクエスト実らず
5裏:この回から新座キャンパス生らによる草野球チーム・九蓮ポート―ズが守備に。
5裏:代打・種田(営4=大垣日大)が二塁打で出塁すると、同じく代打・坂本憲(社4=桐光学園)が適時打で池袋キャンパス生、先制 新座0-1池袋
6表:峯本、2打席連続の3塁打で走者・石垣(コ4=報徳学園)本塁狙うも攻守に阻まれる
8表:「代打・俺」指揮を執った安住(コ4=拓大一)が右越え適時三塁打を放ち、新座キャンパス生、同店に追いつく 新座1-1池袋
8裏:寺山(社4=神戸国際大附)の死球に乱闘!? 最後は寺山自身のギャグで、場は収束した
8裏:外野手登録の太田亮(コ4=花巻東)が登板、1/3回を無失点
9表:捕手登録の吉村(社4=立教新座)が登板し、1回無失点
9裏:5イニング目の加藤郁(コ4=立教池袋)が3者凡退に抑え、ゲームセット。 新座1-1池袋

これが本当に最後の“オールアウト”だ! 9日、立大野球部は4送会前に引退試合を実施。池袋キャンパス生と新座キャンパス生による試合は、両軍ともに1得点ずつに終わり、引き分けに終わった。

縦ジマに袖を通した上野寛は、凡退後でもこの笑顔

笑いにあふれた真剣勝負であった。初回、先頭打者は主務としてチームを裏から支えた上野寛(コ4=聖望学園)。2球目をとらえた打球は一ゴロに終わった。続く学生コーチチーフ黒沢(コ4=本庄東)、峯本も倒れ、なんと三者凡退。裏も3者凡退で、引退試合らしからぬ投手戦で試合は幕を開けた。

2回、両軍通して初出塁の横関。55人、全員の活躍が随所に見られた

初ヒットが出たのは2回。公式戦の出場こそ0も強打が売りの内野手・横関が内野強襲のあたりで出塁。続く打者・マネージャーの久戸瀬が左前打で続き、好機を演出した。池袋キャンパス生チームは2~4回と立て続けにヒットが出たが、本塁は遠く。なかなか得点を入れられずに試合が進んだ。

4回、峯本が本塁を狙ったが惜しくもタッチアウト。得点ならずも、思わず味方ベンチが笑顔に包まれた

あわや先制となったのが4回。社会人での野球継続が決まっている峯本(コ4=大阪桐蔭)が打席に入る。3球目をとらえると、打球はセンターの頭上を越えた。「本塁!」と叫ぶ同期の声援を背に、峯本は3塁ベースを蹴った。中翼手・寺山らの中継プレーとの交錯の結果は…惜しくもタッチプレーでアウト。裏にも前主将・松﨑も同じく長打で本塁を狙ったがアウトとなり、さすがは神宮で日々戦う選手たちと言える好守備が両チームから飛び出した。


坂本憲は、適時打を放ち塁上でガッツポーズ。チームを支えた功労者の安打に、ベンチも沸いた

まるで“ノック”を打ったかのような先制打だった。5回裏、副将・種田の長打で好機を演出した池袋キャンパス生チームは、打席に代打・坂本憲を送る。黒沢と同じ学生コーチチーフとして、春季は試合前のノックや3塁ランナーコーチの重責を担ったチームの大黒柱だ。4球目、意図の見える“右打ち“が一、二塁間を抜け、種田が生還。塁上で、坂本憲は、大きく右腕を突き上げた。

3番手で登板し、5回を無失点に抑えた加藤郁。4イニングは九蓮ポートーズのユニフォームで、最終回は立大のユニフォームで、打者を斬った

投げては、かつての新人戦好投左腕が光った。均衡を続ける試合、新座キャンパス生チームは5回裏から加藤郁がマウンドに上がった。いきなり先制こそ許したが、かつての神宮球場での投球を彷彿とさせる独特なフォームは健在。その後はピンチこそ作ったが、要所を締め、最終9回裏は3者凡退に切って取った。この日の9投手で最高の4 2/3イニング(※8回にワンポイントで太田亮が登板)を投げ、引退試合にも関わらず3奪三振。系列校・立教池袋高出身とあり、縦じまを着る機会も多かった左腕が、ラスト登板に最高の結果を残した。

下級生である長谷らによる先発メンバーの発表や解説に、家系に警察官がいる(?)菅谷ら審判団など、下級生の全面サポートで行われたこの試合。久しぶりにユニフォームに身をまとった4年生の姿は、2か月前と変わらぬ野球選手の目をしていた。苦楽を共にした55名の縦ジマ姿を見るのはこれが最後。もっと見ていた気持ちもあるが、社会人となる次のステージへ羽ばたく彼らはきっとこれからも躍進する。試合後の集合写真撮影で笑顔を見せる姿をレンズ越しに、早く追いついて、その活躍をまた見たいと感じる一日となった。4年生の選手・マネージャーの皆さん、立教大学での4年間、お疲れさまでした。

(12月9日/取材・川村健裕、佐藤美櫻 文・川村健裕)

コラム

マネージャー上野真、最初で最後の打席は笑顔の二ゴロ

6回、唯一縦ジマを着ない上野真(文4=都立武蔵)が打席入り。マネージャーとして、学年唯一の女子部員で、現役時は寮の食事メニュー改善など、選手の活躍を信じて日夜働き続けた仕事人だ。バットを極端に短く持って入った右打席。初球を打ったボテボテのゴロにも、笑顔で一塁まで全力疾走した。リクエスト制度により一時セーフとなるなど(※2度目のリクエストでアウト)、両軍ベンチが沸いた1打席となり、これには上野真も照れ笑い。その後はカメラを手に選手を撮影するなど、かつてのマネージャーとしての仕事っぷりも健在で、「マネージャー・上野真栄」にも終止符を打った。

九蓮ポートーズ復活!?8回には代打オレ・安住が同点打など、試合を盛り上げる

5回裏、池袋キャンパス生の攻撃前…。グラウンドにいたのは、黒いユニフォームに身をまとった、九蓮ポートーズの選手たちだった。ポートーズは、4年生現役引退後に発足した新座キャンパス生を中心とした軟式野球の草野球チーム。大会に出場し優勝するなど、4年生のオフシーズンをにぎわしていた。この日も、ポートーズ随一の左腕エース・加藤郁が好投、チームでは捕手を務める峯本が2安打、中軸の齋藤(コ4=立教新座)が2安打など、攻守に存在感を発揮した。中でも、指揮を執る安住は、8回に自ら代打で出場し、同点適時打。監督自らがチームを同点に導いて見せた。
「ポートーズ、リスポの一面だな!」試合後、笑顔を見せる選手たち。今後の活動はあるのか?! ポートーズの今後に、引退後も目が離せない。

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