【ボート部】夢は後輩たちに託した。4年生悔いなき引退 

◆第96回全日本選手権大会◆

10月25日~10月28日 埼玉・戸田ボートコース

インカレから約1ヶ月半経った。半袖ではしのぎ難い寒さが身を襲う。しかし迎えるはボート競技で最も熱い全日本選手権。社会人と学生とが混合で出場し、1年で最もハイレベルな大会であり、学生たちはこの大会をもって引退する。節目のレースでもあり、過酷なレースでもある。立大ボート部は2年前にこの大会の男子舵手なしフォアで優勝を果たした。昨年も3位入賞しており、今回もメダル入賞が期待されていたが、決勝進出を果たすことができなかった。しかし女子舵手なしペアで出場した鈴木(理4)・木下(法4)が決勝進出を果たし、4位入賞という快挙を成し遂げた。

女子エイト【櫻井(コ2)角谷(コ3)佐藤理(観1)五十嵐(現1)三嶋(社1)岩崎(法1)内山(コ3)林原(観4)早川(済4)

女子エイトのクルー。悔しさを滲ませた

ボート競技の花形・エイトには女子部からそうそうたる面々が集った。このクルーは今年の4月に行われた日立明レガッタで見事に優勝した当時のクルーだ。1年生から4年生までが乗り合わせる船だが学年関係なく意見を言い合える、良い雰囲気が漂っていた。
初戦はインカレ女子部門で総合優勝を果たした早大や、昨年女子エイトで金メダルを獲得した立命大と同じ組み合わせに当たった。初戦から決勝並みの組み合わせのような展開。結果、順位は3位。しかし、「早大に勝てたというので自信になった」と1年・三嶋は振り返った。

2戦目の敗者復活戦。再び早大と同じレース。序盤から早大がリードし、立大は必死に食らいつく。しかし、最後までその差を埋めることができず、2位に終わる。これにより決勝進出は絶たれてしまった。「(4年生にとっては)最後だったんで決勝にどうしても行きたかったんですけど、行けなくてすごく悔しい」。(角谷)4年生である林原や早川にとって最後の大会を優勝で締めることはできなくなった。「こうなったら1位でぶっちぎって総合5位になって4年生の最後を笑顔で終わりたい」。角谷は前を向き、次戦に備えた。
林原と早川以外の4年生は皆すでにレースを終えていたので、立大ボート部・平成27年度入学生の最終戦である女子エイト順位決定予選。「タイムを見た感じ法政とかと競るレース展開にはなるかも」。(佐藤理)予想通り、警戒していた法大と序盤から競り合う形となった。両大学ともほぼ同じ通過タイムで競いあったが、終盤法大が追い上げる。立大も必死で追い抜こうとするも、最後は2秒差で敗れ、2位。総合6位。目指していた1位には届かなかった。

女子部主将としてチームを支えた林原

主務として競技内外でチームに尽力した早川

チーム全体の目標としていた男女での優勝は叶わず。4年連続でメダルを獲得していたが、5年目である今回途切れてしまった。しかし女子の舵手なしペアの決勝進出によって5年連続で決勝進出は繋ぎ止めることができた。ここ数年秋に行われている全日本選手権だが、来年の開催は5月。あと半年後にリベンジの機会がやってくる。まだ時間はある。恵みの春を笑顔で終えるため、“志“を強く持ち、来たる冬に己を鍛え直す。

(11月8日・渡邊大樹)

◆その他の結果◆

・M1X 石政(法2) 敗復B組 棄権

・M2− 橋本(コ2)松藤(コ2) 敗復D組4位

・M2X 渋井(現2)野村(済4) 敗復C組2位

・M2+ 加藤(社3)若濱(済2)鈴木穣(コ3)順位決定 棄権

・M4-吉田(営3)山口(観2)魚躬(コ3)滝島(文3)総合5位

・M4+田上(法4)(コ3)善当(営4)森(法4)永澤(コ3)敗復D組5位

・M4X吉川(観3)西堂(社2)安蒜(文4)塚本(コ4)敗復A組6位

・W2-鈴木(理4)木下(法4)総合4位

・W8+ 櫻井(コ2)角谷(コ3)佐藤理(観1)五十嵐(現1)三嶋(社1)岩崎(法1)内山(コ3)林原(観4)早川(済4)総合6位

◆コメント◆
女子エイト
女子部主将・林原
―試合を振り返ってみて
今日の試合は、一着を狙っていたので最後ちょっと悔しい結果で終わってしまったなぁっていう感じです。

―力を出しきれたか
まぁ、出しきれたかなって感じですね。皆もすごい頑張ってくれてたので。でも中盤離されて、そこから追いつけなかったのでそこが来年に活かしてほしいところかなと思います。

―前の試合に比べてどうだったか
今日はスタートがすごいよかったので、今まで他のクルーに出られてしまうレース展開じゃなくて、しっかりついていくレース展開に持っていけたのでよかったかなと思います。

―立大ボート部全体としては今大会どうだったか
決勝にペアが残れたのはすごい良くて、4年生の女子は全員最終日に残れたので良かったかなと思います。対抗である無しフォアが決勝に行けなかったり、今年はメダルが取れなかったので、また来年に向けて頑張ってほしいなと思います。

―4年間を振り返って
なんか長かったなって思うんですけど、一本一本のレースにすごい思い入れがあってすごい充実した4年間を過ごしたなと思います。

―1年生のときの自分に声をかけるとしたら
もっと謙虚になれよって声かけたいですね

―4年間でどう成長できたか
すごい視野が広がったなあって、いろいろなものの考え方ができるようになって。すごい成長するにはいい場だったなと思います。

―今後は
ボートは機会があったら続けたいなと思いますけど、とりあえずここで一区切りっていう感じで。

―後輩たちに向けて
すごいいろいろ悩んだりすることがあると思うんですけど、それがすごい今後の糧になるので、目先のことに捉われず、広い視野をもって頑張ってほしいなと思います。

―立大ボート部が今後強くなるために必要なこと
やっぱり高校生のときと違って距離も2000mと長くなってフィジカルの強化は避けられないと思いますのでそこは今後も力を入れていってほしいなと思います。

―立大ボート部の特徴
アットホームなところがいいなと思ってて、やっぱり未経験の方でもいっしょにやってるっていうところがうちの魅力だと思っているので、そこを変えずにやってほしいなと思います

―悔いはあったか
もう、来年頑張ってくれって感じです

関連記事一覧