【野球部】延長戦で勝利逃すも…9回に魅せたタテジマの意地

平成30年度東京六大学野球春季リーグ戦

10月20日 対明大1回戦 明治神宮野球場

心地よい肌寒さが、リーグ戦最終カードの始まりを告げた。今季2回目の先発を務めた中川(コ2=桐光学園)と、明大エース・森下暢の互角の投げ合いが繰り広げられる。均衡を破ったのは明大、4回に先制点を奪うも、対する立大は9回に代打出場した松﨑(文4=横浜)が2塁打を放ち種田(営4=大垣日大)の犠飛で肩を並べた。しかし、11回にわたる延長戦は、最後の最後で一気2点を献上する展開に。裏で反撃を試みるも、失意のノーヒットで試合を終えた。

(明)〇森下暢―氷見、西野
(立)中川、●手塚、江口―藤野

立大メンバー表

10 松﨑 健造 (文4=横浜)
17 橋本 敦也 (済4=大分上野丘)
11 江口 奨理 (営3=浦和学院)
18 田中 誠也 (コ3=大阪桐蔭)
19 手塚 周 (コ3=福島)
15 中川 颯 (コ2=桐光学園)
22 比屋根 雅也 (営2=興南)
21 川端 健斗 (コ1=秀岳館)
12 田崎 秀征 (済4=長崎西)
27 藤野 隼大 (営3=川越東)
24 竹葉 章人 (コ2=龍谷大平安)
7 飯迫 恵士 (社4=神戸国際大附)
6 林田 景太 (観4=島原)
26 冨永 魁 (コ2=桐蔭学園)
4 江藤 勇治 (済3=東海大菅生)
5 吉田 純也 (コ3=中央中等教育)
39 中嶋 瞭 (コ2=佼成学園)
13 笠井 皓介 (済3=桐蔭学園)
31 敷名 丈弘 (社2=神戸国際大附)
1 種田 真大 (営4=大垣日大)
2 井上 和弥 (コ4=履正社)
8 寺山 寛人(社4=神戸国際大附)
32 小野 大成 (文3=横浜)
3 三井 健右 (コ2=大阪桐蔭)
36 太田 英毅 (コ1=智辯学園)

打撃成績

投手成績

目を引いたのは7回表。明大・平塚(4年=春日部共栄)に二塁打を許し、続く越智(4年=丹原)が犠打でつなぎ3塁にランナーを許してしまう危機的な状況下。続く森下智(4年=米子東)の打撃はセンターフライ。守る副将・種田がキャッチし、すかさず本塁に返球した。構える藤野(営3=川越東)はワンバウンドもしっかり受け止め、見事な捕殺を決めた。レーザービームで走者を刺し、本塁審判が力強くアウトサインを突き付けた瞬間、球場は歓声で包まれた。

9回、主将・松﨑(文4=横浜)は同点劇の口火を切る2塁打を放つ【撮影・川村健裕】

「あそこで決めないといけないなって思っていました」。9回裏に代打出場した主将・松﨑。表示された松﨑・飯迫(社4=神戸国際大附)・種田の4年生打線に誰もが期待を膨らませる中、やはり主将はやってくれた。豪快なスイングと共に快音が鳴り響き、ライナーが外野に飛んだ。センター奥に着地したと思うとあっという間に2塁へ。飯迫が進塁打、種田が犠牲フライで、代走起用されていた井上(コ4=履正社)は持ち前の走力で本塁へと無事生還した。同点のホームを踏んだ井上は、「キャプテンの意地で打ってくれてると思ってたんで。信じて準備していました」と気持ちよく振り返った。代走と代打、その瞬間に今日をかけた二人の“意地”が、得点板に“1”を刻んだ。

残す試合は多くても2回。引退が迫ることについて尋ねると、松﨑は「特にないですね、勝って終われればいいと思っています」とストレートに述べ、飯迫は「そんな重くとらえていないですね、4年間の大学野球の終わりかなってくらい。」と表現した。タテジマのユニフォームをまとう者たちに、「最後」というしおらしさはなにひとつない。あるのは目前の勝利への貪欲さだけだ。明日に構える2回戦では、3カードぶりの勝ち点にへとリーチをかける。(10月20日・𠮷岡麻綾)

コメント

9回、代打で2塁打を放った松﨑#10
「心境はないです。(負けて)悔しいです色々場面を考えすぎないで、しっかりスイングしよう。ただそれだけです。(9回。打った球は)まっすぐです。初球のカットボールを見られたので、行けるかなと思って。(明日)なんとか勝てるように頑張ります」

同点犠飛を放った種田#1
「ピッチャーが頑張っていたので、野手がもっと助けてあげないといけないかなという展開でした。(9回の攻撃について)4年生が何とか繋いでくれたので、なんとか1点取れるように、ヒットじゃなくてもいいから、なんとか1点という思いでした。(明日以降について)悔いが残らないように、一球一球魂込めて頑張りたいと思います。」

代走で起用され、同点のホームを踏んだ井上#2
「キャプテン(松﨑)が意地で最後打ってくれると思っていたので、キャプテンを信じて準備していました。打順的にも4年が続いていたので、絶対やってくれるだろうという気持ちでベース上から見ていました。(ハイタッチは)マサ(種田)とは特に強く叩きました。」

一塁で先発フル出場した飯迫#7
「やってきたことを出し切ることですね。4年間の練習を出し切りたいです。(明日以降について)全打席ヒット狙います。(通算100安打まで)あと19本ですね笑」

2番手で登板した手塚#19
「まあ良かったところも悪かったところもあるので、明日に向けてしっかり準備していきます。(松﨑)健造さんからは「4年生のためとか思わないで自分のためにやっていい」と後輩たちは言われているので、そういう意味で4年生に引っ張ってもらいながらのびのび、良い野球ができたらなと思います。」

関連記事一覧