【野球部】田中誠、志願の先発7回1失点も。投手戦制せず、5季連続で慶大から勝ち点とれず

平成30年度東京六大学野球秋季リーグ戦

1015日 対慶大3回戦 明治神宮野球場

 

16年春以来、4季にわたって勝ち点を落としている慶大との今カード。昨日の勝利で3回戦に持ち込んだ立大だったが、第1戦に引き続き先発の慶大・高橋佑(3年=川越東)相手に散発3安打と打線が沈黙。投げてはエース・田中誠(コ3=大阪桐蔭)が対早大3回戦以来の先発登板、打線では好調な右打者を左腕対策で4人起用するなど工夫はあったが、1回戦の雪辱を果たすことはできず。慶大エース相手にリーグ最多5勝目を献上する惜敗に終わった。

(慶)○高橋佑―郡司

(立)●田中誠、川端健―藤野

立大メンバー表

10 松﨑 健造 (文4=横浜)
17 橋本 敦也 (済4=大分上野丘)
11 江口 奨理 (営3=浦和学院)
18 田中 誠也 (コ3=大阪桐蔭)
19 手塚 周 (コ3=福島)
15 中川 颯 (コ2=桐光学園)
22 比屋根 雅也 (営2=興南)
21 川端 健斗 (コ1=秀岳館)
12 田崎 秀征 (済4=長崎西)
27 藤野 隼大 (営3=川越東)
24 竹葉 章人 (コ2=龍谷大平安)
7 飯迫 恵士 (社4=神戸国際大附)
6 林田 景太 (観4=島原)
37 伊藤 智也 (コ2=高田)
4 江藤 勇治 (済3=東海大菅生)
5 吉田 純也 (コ3=中央中等教育)
39 中嶋 瞭 (コ2=佼成学園)
13 笠井 皓介 (済3=桐蔭学園)
31 敷名 丈弘 (社2=神戸国際大附)
1 種田 真大 (営4=大垣日大)
2 井上 和弥 (コ4=履正社)
32 小野 大成 (文3=横浜)
3 三井 健右 (コ2=大阪桐蔭)
29 荒井 智也 (コ2=佼成学園)
36太田 英毅(コ1=智辯学園)

打撃成績

先発メンバーのアナウンスも、エース復活に力を込める。ワンテンポおいてコールされ、「1 田中誠」の文字がスコアボードに刻まれると、球場内は拍手とどよめきが起こった。9月23日以来、約1か月ぶりの先発となった田中誠は、怪我明けとは思えない好投で7回を5安打1失点。手元で伸びる直球で押す強気な投球スタイルに、持ち味の制球力は今日もバッチリ。最速136キロの直球は藤野(営3=川越東)の構えたグラブをほとんど動かさず、見事に慶大打線を封じ込めた。

俺がエースと言わんばかりにグラブを叩いた。初めて得点圏に走者を背負った4回。自らのエラーで走者をためたが、落ち着いていた。無死1、2塁にも郡司(3年=仙台育英)を一直、内田(4年=三重)を一ゴロで2アウト。死球で満塁としたが、最後は今季2本塁打の嶋田(2年=樹徳)相手に徹底した変化球攻め。6球目、118キロの変化球に嶋田のバットが空を切ると、自らのグラブを左手で一叩きした。5回はピンチで併殺打、7回も失点したが後続は抑えるなど、エースの投球に一切の陰りなし。復活を球場に印象付けた。

4回。嶋田を三振に取り、田中誠は左手でグラブを叩いた。第3戦先発で、7回を5安打1失点と、エース復活を印象付けた

志願の先発登板だった。前日の試合後、自ら監督のもとへと向かった。「ずっとグラウンドで練習していたので」。勝ち点獲得に全力で戦うチームメイトの姿勢に、思わず体が動いた。「来ると思っていた」という溝口監督(90年度卒=湘南)。体調面などを入念に確認し、先発起用を決断した。「ベンチに入らない期間も練習は続けていた。(登板に向けて)最高の準備を続けてくれていたので」。チームの命運握る一戦は18に。やはり、投げない期間があってもエースは田中誠也だった。

前を向くしかない。好左腕同士の投手戦だっただけに、打線の沈黙は敗戦を決定づけた。9回2死、最後の打者・種田(営4=大垣日大)の飛球が中翼手のグラブに収まると、マウンドの中心で高橋佑は仁王立ちで拳を握って吠えた。田中誠は、それを黙ってベンチから見つめる。挨拶後の表情も、何か感情を抑えているかのようだった。優勝争いから脱落した最初のカード、またも力がわずかに及ばなかった。それでも、前日は中川(コ2=桐光学園)の好投や今季は川端健(コ1=秀岳館)も大ブレーク。打線も下級生が積極起用されるなどチームは変わりつつある。後ろを向いている暇はない。今週末、絶対に負けられない立明戦では、きっと。明るい未来が待っている。(10月15日・川村健裕)

コメント

溝口監督#30
「なにもできなかったかなという感じですね。相手投手も一緒、同じような投球をされた中でヒットが(1戦目が)3本、(3戦目を)3本。同じようにやられたという感じですね。誠也は今日もよく投げてくれました。ですが、優勝をしていくチームの投手としてはそこ(7回、失点の場面)をしっかり粘って抑えられる投手にならなければいけないなと思いますし、投手陣全体にも田中にも伝えました。(最終カードに向け)チームの状況としては非常に厳しいのですが、このチームでやる最後のカードなので、なんとか良い形で終わりたいと思います。」

主将・松﨑#10
「悔しいです。監督さんから「もう1回自分たちがやるっていう気持ちを持ってもらいたい」と言われました。最後に負けてこんなミーティングはしたくないから(来週は)勝とうと伝えました。」

約1か月ぶりの先発登板となった田中誠#18
「自分から(監督のもとへ)いきました。(高橋佑は)本当に良いピッチャーなので(今日の負けは)自分の責任ではあったと思います。今日は厳しいコースを狙って行けていたので、うまくカウントを作れました。(7回、失点の場面は)勝負した結果です。」

好リードに加え、チーム4安打のうち2安打を放った藤野#27
「昨日の勢いのまま、特に何も考えずに打席に立っていました。(マルチ安打について)1本目がストレートで、2本目がたぶんスライダーだと思います。高校時代から変化球主体の投球で、そこは全体で狙っていかなければいけなかったです。(次週に向けて)なんとしてもこのままじゃ終われない、若い選手もだいぶいるので、その中でなんとか勝って、4年生に最後勝利で終わってもらえればなと思います。」

 

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